Magic Loaders

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第3章 栄光と屈辱のルカンドマルア

○第31話 冠を授けるMagic Loader

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 王宮までの道。

 ベルツェックルは、サーイに語りかけた。

「サーイ、先程の戦いぶり、確かに見事ではあったが、一つ気になったことがある」
「……何でしょうか」
「相手は、人質をとった卑劣な魔物たちだ。……なぜ、奴らを逃した?」
「……え?」
 サーイは当惑した。

「あなた、初めて会った子になんてこと聞くの」とクペナが無表情のまま口を挟んだ。
 ベルツェックルは続けた。
「もし、本当に奴らを憎んでいるのなら、あの時とどめを刺すべきだった。そう思わないか?」
「サーイ、ごめんね。この人は……愛する人を魔物に殺された。だから、あなたにも同じことを求めている」
「私も……愛する人……おじいちゃんを奪われたのです。あなたがたの気持ち、わからないといけない。でも、さっきは、子供たちが無事だったことだけで、それでよかった、そう思ったんです」
 ベルツェックルが答えた。
「私だって、初めて会った女の子にこんなことは言いたくない、だが、お前は、普通の女の子ではない。今からガイトゾルフになろうとしているんだ。その自覚はあるか?」
「……はい」


 王宮に入り、吹き抜けの大広間に通された。


 ベルツェックルがサーイに3つの問いを投げかけた。

「汝は、魔法の力を信じ、魔物の力を斥けるか?」
「……はい」

「汝は、人間を愛し、魔物を憎むか?」
「……はい」

「汝は、今から与えられる力でエグゼルアを守り、エグゼルアのために生涯を捧げるか?」
「……はい」


「サーイ・ライガよ、エグゼルアの女神たるクペナより、汝に今から、ガイトゾルフの象徴である冠を授ける……汝の魔力を何倍にも高める冠だ」
 ベルツェックルがそう言うと、クペナが冠を取り出した。他のガイトゾルフたちが身につけていたものと同じであった。
 それは宙を舞い、サーイのもとまで来ると、頭の上にとどまった。

「サーイ、これであなたは ガイトゾルフ になったのです。エグゼルアの平和のため、未来のために、魔物をこの世から消し去るのです」
「……はい」


「サーイ、その勇姿を、わが国民たちにも披露しましょう」
 ベルツェックルとクペナは、サーイを王宮の最上階まで連れて行った。
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