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第4章 Search for Grandpa
●第48話 半透明で、宙に浮く
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「みなのもの、ごくろおであった!」
まもラボに帰ってきたら、へびひめあたまのやつそんなことを抜かしよる。やっぱり姫気取りだった。
「おい、俺たちが頑張って竃を設置している間、へびめたは何をやってたんだ」
「略し方! あと竃じゃないし! あたしだってちゃんと仕事してるんよ、ほら、次のカマ……リークデバイスを作り始めたんよ」
近くに、また同じ大きさのモノが作りかけてあった。
「ああそうか、あと2つは設置しなければならないか……大体どれくらいかかるんだ?」
「そおねえ、1個あたり13日くらいかな?」
「え、じゃあ2個で26日? そんなに待てるかよ……なんでそんなにかかるんだ?」
「これだ」デウザが作りかけのリークデバイスの一部を持ってきた。
「なんだこれ?」
見ると、小さな棒がついていて、上下に動かせて、動かせるとパチンと音が出る……ええと、スイッチね、そう、スイッチが24個横に並んでいる箱がある。24個は「ADDR」と書かれた16個のグループと「DAT」と書かれた8個のグループに分けられているようだ。それらの隣には「WRT」と書かれた、例の指の太さ大の押せそうなもの。ADDRグループには15から0の番号が、DATグループには7から0の番号が。なんで逆順なんだ? なんで1から16とかじゃないんだ?
「これを使ってだな、書き込むんだ」
「何を?」
これ以上言うと、ほんとに世界観が台無しになるから、読者の皆さんには、呪文のようなもの、とだけいっておこう。
で、その呪文を、約3万2千……ええといくつだっけ? とにかく「約」がついているくせに、やたら細かい数字を言われたのが、忘れた。それくらいの個数を書き込まなければならないそうだ。しかも1個書き込むたびに、さっきのスイッチをパチパチいじって、WRTを押す、という作業をするらしい。
「まじか……気の遠くなる話だ」
「ちょうど人手も足りなかったことだし、カギン、お前やれ」とデウザが押し付けてきた。
えーー、勘弁してくれー
と思ったとき、バウザスがトゴリーティスを使って話しかけてきた。
「kore wo tsukae 」
え、「ore wo tsukae」? バウザスやってくれんのか?
「yarukayo!」違うようだ。
バウザスがトゴリーティスを手渡してきた。あ、トゴリーティスを使えってこと? どうやって?
バウザスは続いて、俺が持っていたスライタスの杖を指した。
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Backup
Auto-Start
mon
ああ、なんか以前、第16話あたりで見たことがある。やな思い出も蘇った。たしかこのメニウが出た後、マジック・ローダーの皆さんが青ざめて、俺を追放したんだっけ? 何でだ? いまだにわからん。
え、それの? 一番下? 「mon」?
すると、何かいつも、バウザスと話すときに使っているのに似ていて、ちょっと違う表示になった。なんか打てる文字の数が少ない。0から9と、あとAからFまで? なんでそんな中途半端なんだ?
「うおお、これは!」とデウザが驚いたようだ。
「これなら、もっと速く書き込めるぞ!」
えええ、なんでなんで?
「よし、今日のところはこれくらいにして、ゆっくり休んでいけ!」
そうなの? まあいいや助かった。
まもラボの中には簡易宿泊所もあって、横になることもできた。なんか軽食みたいなものを採れる場所もあった。
翌日。
「さあ、がんばって書き込んでくれ」
といって、デウザはなんか本を取り出してきた。
4000: 41 42 10 40 00 00 00 00
4008: 00 00 00 00 00 00 00 00
4010: 3E 23 06 62 21 22 40 7E
4018: AD CD 18 00 23 10 F8 76
4020: 18 FD 71 53 41 46 4F 46
4028: 44 09 5E 43 4D 43 45 5C
4030: 10 45 5D 13 59 4C 16 51
4038: 59 4F 55 49 55 49 5B 1F
4040: 27 20 2F 26 37 69 66 22
4048: 3B 39 2F 28 25 2C 22 23
4050: 29 71 0B 74 27 79 76 1F
4058: 01 1D 16 12 18 18 72 7F
4060: 2D 24 36 22 28 45 21 22
4068: 29 3B 46 4B 3F 2C 22 2E
4070: 3D 30 30 37 31 27 56 16
4078: 16 1D 5A 3C 2E 3C 3A 36
4080: D5 D2 A2 B1 ……
なんじゃこりゃー
「まずお前のトゴリーティスと、リークデバイスを接続してだ、昨日のmonを起動し……」
えええ、この字を延々と打っていくのかー?
「贅沢いうな、トゴリーティスがなかったら、例えばな、最初の41を書くだけでも、スイッチを全部いじってWRTを押す……を延々とするんだ、それよりぜんぜんマシだ、1日もあればイケるんじゃないか?」
うえー、しょうがない、地道にいれていくかー、
よん、いち、よん、にー、いち、ぜろ、よん、ぜろ、ぜろ……
「がんばれー」
へびあたま仕事しろ。
「あたしはねー、朝のあいさつでもしてこよー」
え? 誰に?
0を大量に打ち込みながら(多少離れても打ち込めるらしい)ついて行ってみると、なんかもっと仰々しい機械があった。なんか背の高さより高い円筒形みたいなもの。あ、へびあたまがそのまま中に入っていった。
「なんだよ、これ?」
「ふふふー、これはね、ホザログラフ! これで、半透明で、宙に浮けるんよー」
なるほどわからん。
「えーと、多分このへんにいるかなー」
だから誰が?
まもラボに帰ってきたら、へびひめあたまのやつそんなことを抜かしよる。やっぱり姫気取りだった。
「おい、俺たちが頑張って竃を設置している間、へびめたは何をやってたんだ」
「略し方! あと竃じゃないし! あたしだってちゃんと仕事してるんよ、ほら、次のカマ……リークデバイスを作り始めたんよ」
近くに、また同じ大きさのモノが作りかけてあった。
「ああそうか、あと2つは設置しなければならないか……大体どれくらいかかるんだ?」
「そおねえ、1個あたり13日くらいかな?」
「え、じゃあ2個で26日? そんなに待てるかよ……なんでそんなにかかるんだ?」
「これだ」デウザが作りかけのリークデバイスの一部を持ってきた。
「なんだこれ?」
見ると、小さな棒がついていて、上下に動かせて、動かせるとパチンと音が出る……ええと、スイッチね、そう、スイッチが24個横に並んでいる箱がある。24個は「ADDR」と書かれた16個のグループと「DAT」と書かれた8個のグループに分けられているようだ。それらの隣には「WRT」と書かれた、例の指の太さ大の押せそうなもの。ADDRグループには15から0の番号が、DATグループには7から0の番号が。なんで逆順なんだ? なんで1から16とかじゃないんだ?
「これを使ってだな、書き込むんだ」
「何を?」
これ以上言うと、ほんとに世界観が台無しになるから、読者の皆さんには、呪文のようなもの、とだけいっておこう。
で、その呪文を、約3万2千……ええといくつだっけ? とにかく「約」がついているくせに、やたら細かい数字を言われたのが、忘れた。それくらいの個数を書き込まなければならないそうだ。しかも1個書き込むたびに、さっきのスイッチをパチパチいじって、WRTを押す、という作業をするらしい。
「まじか……気の遠くなる話だ」
「ちょうど人手も足りなかったことだし、カギン、お前やれ」とデウザが押し付けてきた。
えーー、勘弁してくれー
と思ったとき、バウザスがトゴリーティスを使って話しかけてきた。
「kore wo tsukae 」
え、「ore wo tsukae」? バウザスやってくれんのか?
「yarukayo!」違うようだ。
バウザスがトゴリーティスを手渡してきた。あ、トゴリーティスを使えってこと? どうやって?
バウザスは続いて、俺が持っていたスライタスの杖を指した。
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ああ、なんか以前、第16話あたりで見たことがある。やな思い出も蘇った。たしかこのメニウが出た後、マジック・ローダーの皆さんが青ざめて、俺を追放したんだっけ? 何でだ? いまだにわからん。
え、それの? 一番下? 「mon」?
すると、何かいつも、バウザスと話すときに使っているのに似ていて、ちょっと違う表示になった。なんか打てる文字の数が少ない。0から9と、あとAからFまで? なんでそんな中途半端なんだ?
「うおお、これは!」とデウザが驚いたようだ。
「これなら、もっと速く書き込めるぞ!」
えええ、なんでなんで?
「よし、今日のところはこれくらいにして、ゆっくり休んでいけ!」
そうなの? まあいいや助かった。
まもラボの中には簡易宿泊所もあって、横になることもできた。なんか軽食みたいなものを採れる場所もあった。
翌日。
「さあ、がんばって書き込んでくれ」
といって、デウザはなんか本を取り出してきた。
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4060: 2D 24 36 22 28 45 21 22
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4070: 3D 30 30 37 31 27 56 16
4078: 16 1D 5A 3C 2E 3C 3A 36
4080: D5 D2 A2 B1 ……
なんじゃこりゃー
「まずお前のトゴリーティスと、リークデバイスを接続してだ、昨日のmonを起動し……」
えええ、この字を延々と打っていくのかー?
「贅沢いうな、トゴリーティスがなかったら、例えばな、最初の41を書くだけでも、スイッチを全部いじってWRTを押す……を延々とするんだ、それよりぜんぜんマシだ、1日もあればイケるんじゃないか?」
うえー、しょうがない、地道にいれていくかー、
よん、いち、よん、にー、いち、ぜろ、よん、ぜろ、ぜろ……
「がんばれー」
へびあたま仕事しろ。
「あたしはねー、朝のあいさつでもしてこよー」
え? 誰に?
0を大量に打ち込みながら(多少離れても打ち込めるらしい)ついて行ってみると、なんかもっと仰々しい機械があった。なんか背の高さより高い円筒形みたいなもの。あ、へびあたまがそのまま中に入っていった。
「なんだよ、これ?」
「ふふふー、これはね、ホザログラフ! これで、半透明で、宙に浮けるんよー」
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「えーと、多分このへんにいるかなー」
だから誰が?
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