淫愛家族

箕田 はる

文字の大きさ
26 / 90

26

しおりを挟む

 睦紀はベッドに乗り上げ仰向けになると、ズボンと下着を脱ぐ。体制を横向きにし、ローションで濡らした指で後ろを探る。

「っ――」

 冷たい感触に一瞬怯むも、さするうちに徐々に慣れてくる。ゆっくりと押し開くように指を差し入れるも、久しく弄っていなかったせいか、そこは固く閉ざされていた。力を抜くように息を吐き出し、なんとか指を納める。
 ある程度中を解すと、睦紀は傍に置いてあったエネマグラを手に取る。
 緊張か、興奮なのか――手が微かに震えてしまう。
 太い部分にローションを塗り、後孔にあてがう。

「んっ……ぁっ……」

 ヌルッとした無機質な固い感触が、徐々に体内に入り込んでいく。全てを納めると中の前立腺にピンポイントで触れ、頭が真っ白になった。危うく達してしまいそうになり、睦紀は昂ぶった性器の根元を指で締めた。

「はぁ……っ」

 身動きする度に中が擦れ、強烈な快楽が襲い来る。自然と後孔が絞まり、異物感が色濃く感じられた。
 声を押し殺し、慎重に濡れそぼる前に触れる。指を絡めるだけで、そこは敏感にヒクついた。ゆっくりと手を動かし、上下に摩っていく。
 押し寄せる快楽の波が、思考を酩酊させる。まさに中毒だった。嫌なこと、不安なこと。全てがまっさらに消え去ってしまったかのように、ただ快楽を貪ることだけでいっぱいになる。

「ッ……んっ……ああっ」

 体制を代えた途端、耐えきれないほどの刺激に吐精してしまう。どろりとした白濁が臍の周りに溜まる。
 荒い息を繰り返し、睦紀は慎重に後孔から器具を取り出す。抜く際にまで襲う快楽を奥歯を噛み締めて堪えた。手淫で済ませた味気ない自慰とは比べものにならない。それでも、満足したのは一時だけだった。
 ティッシュで始末をつけながら、睦紀は罪悪感に苛まれる。
 自慰でストレスを解消するしかない自分の人生の味気なさ。とても健全には思えなかった。
 溜息を吐き出し、時計を見る。九時五分前だった。慌てて身支度をすると、睦紀は春馬の部屋へと向かった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

陥落 ー おじさま達に病愛されて ー

ななな
BL
 眉目秀麗、才ある青年が二人のおじさま達から変態的かつ病的に愛されるお話。全九話。  国一番の璃伴士(将棋士)であるリンユゥは、義父に温かい愛情を注がれ、平凡ながらも幸せな日々を過ごしていた。  そんなある日、一人の紳士とリンユゥは対局することになり…。

営業活動

むちむちボディ
BL
取引先の社長と秘密の関係になる話です。

父と息子、婿と花嫁

ななな
BL
 花嫁になって欲しい、父親になって欲しい 。すれ違う二人の思い ーー ヤンデレおじさん × 大学生    大学生の俺は、両親が残した借金苦から風俗店で働いていた。そんな俺に熱を上げる、一人の中年男。  どう足掻いてもおじさんに囚われちゃう、可愛い男の子の話。

羽衣伝説 ー おじさま達に病愛されて ー

ななな
BL
 麗しい少年が、おじさま達から変態的かつ病的に愛されるお話。全12話。  仙人の弟子であるボムギュは、お師匠様のことを深くお慕いしておりました。ところがある夜を境に、二人の関係は歪なものとなってしまいます。  逃げるように俗界へと降りたボムギュでしたが、村の子供達に読み書きを教えているという男に心を奪われてしまい…。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

上司と俺のSM関係

雫@不定期更新
BL
タイトルの通りです。

処理中です...