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しおりを挟む睦紀はベッドに乗り上げ仰向けになると、ズボンと下着を脱ぐ。体制を横向きにし、ローションで濡らした指で後ろを探る。
「っ――」
冷たい感触に一瞬怯むも、さするうちに徐々に慣れてくる。ゆっくりと押し開くように指を差し入れるも、久しく弄っていなかったせいか、そこは固く閉ざされていた。力を抜くように息を吐き出し、なんとか指を納める。
ある程度中を解すと、睦紀は傍に置いてあったエネマグラを手に取る。
緊張か、興奮なのか――手が微かに震えてしまう。
太い部分にローションを塗り、後孔にあてがう。
「んっ……ぁっ……」
ヌルッとした無機質な固い感触が、徐々に体内に入り込んでいく。全てを納めると中の前立腺にピンポイントで触れ、頭が真っ白になった。危うく達してしまいそうになり、睦紀は昂ぶった性器の根元を指で締めた。
「はぁ……っ」
身動きする度に中が擦れ、強烈な快楽が襲い来る。自然と後孔が絞まり、異物感が色濃く感じられた。
声を押し殺し、慎重に濡れそぼる前に触れる。指を絡めるだけで、そこは敏感にヒクついた。ゆっくりと手を動かし、上下に摩っていく。
押し寄せる快楽の波が、思考を酩酊させる。まさに中毒だった。嫌なこと、不安なこと。全てがまっさらに消え去ってしまったかのように、ただ快楽を貪ることだけでいっぱいになる。
「ッ……んっ……ああっ」
体制を代えた途端、耐えきれないほどの刺激に吐精してしまう。どろりとした白濁が臍の周りに溜まる。
荒い息を繰り返し、睦紀は慎重に後孔から器具を取り出す。抜く際にまで襲う快楽を奥歯を噛み締めて堪えた。手淫で済ませた味気ない自慰とは比べものにならない。それでも、満足したのは一時だけだった。
ティッシュで始末をつけながら、睦紀は罪悪感に苛まれる。
自慰でストレスを解消するしかない自分の人生の味気なさ。とても健全には思えなかった。
溜息を吐き出し、時計を見る。九時五分前だった。慌てて身支度をすると、睦紀は春馬の部屋へと向かった。
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