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「そういえば最近、春馬と仲良がいいみたいだね」
唐突に切り出され、睦紀の手が止まる。血の気が引き、心臓が激しく打ち鳴らした。
「義理とはいえ、兄弟が仲が良いのは親として嬉しいよ」
朗らかに言う俊政に、深い意味はないと睦紀は不穏な考えを振り払う。さすがに爛れた関係を持っていると知っていたら、俊政だって怒るはずだ。
「はい……良くしてもらっています」
それだけ言って、睦紀は再び手を動かす。気もそぞろだった。
「睦紀、もう良いよ。変わろう」
そう言われ、睦紀は慌ててお湯で俊政の背を流す。
場所を交代すると、俊政が睦紀の背にタオルを当ててくる。労るようでいて、程よく圧を感じる力加減が背に加わった。
「睦紀は肌が白いな。日に焼けたら赤くなって、辛いんじゃないか?」
「はい。でもあんまり海に行ったりしないので、そんなに焼けることがないです」
人に身体を洗って貰うことはあまりなく、緊張もあったが心地よさに気持ちが安らいだ。
「睦紀はインドアだったね。休みの日も家にいて、あまり外出していないようだしね」
「外に出る用事があんまりなくて――」
だらけていると思われるのが嫌で、睦紀は言葉を濁す。
平日は仕事で外に出ることが多い分、少しでも体力を温存させておきたかった。それに読みかけの本を消化したり、借りてきたDVDを見てゆっくり過ごすのが好きということもある。
「そうか。また別荘にでも行こうじゃないか。秋になれば紅葉も綺麗だろうしね」
俊政の誘いに睦紀は素直に頷く。
涼華と結婚してから家族で、何処かに出かけることまだしていない。涼華も一緒に行ってくれるだろかと、不安でもある。
俊政に心配をかけないためにも、それまでに涼華との関係を修復したかった。
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