淫愛家族

箕田 はる

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「私に触られるのが嫌なのか?」
「……そういうことでは」

 睦紀が口ごもっている間にも、睦紀の手ごと動かすように腹部をスポンジが行き交う。そのまま上に流れ、胸部の部分を弧を描くように撫でられる。

「ッ――」

 胸の突起を擦られる度に身体が小さく跳ねてしまう。擽ったいようで、官能を呼び起こさせる動きに、睦紀は息を詰める。
 力づくでも止めなければと理性は訴える。だが、本能はそれを凌駕する形で熱を呼び起こす。

「触って欲しいかい? 睦紀」

 耳元で囁かれ、睦紀は唾を飲む。

――触って欲しい

 そう思うも口に出すのは憚られる。唇を噛みしめ、羞恥とくじけそうになる快楽の波をやり過ごそうと耐える。

「黙っていたら分からないだろう。ちゃんと言いなさい」

 俊政のスポンジを握っていない方の手が、睦紀の腰骨を辿るように入り込む。中途半端に昂ぶっている熱を避けるように恥部を這う。

「ちゃんと言ったら、ここも触ってあげるよ」

 頑なな子供を宥めるようなトーンに変わり、指の腹が竿を撫でられる。すぐさま指は離れ、今度は焦らすように周囲を撫で回されていく。
 限界だった。欲望と倫理観に板挟みになりながらも、睦紀は耐えきれずに口を開く。

「……さわってください」

 蚊の鳴くような声で睦紀は口にする。言ってしまったという後ろめたさが胸を覆う。それでも吐き出した息は熱を孕んでいた。

「いい子だ。睦紀」

 背後でスポンジを下に置く気配。意識せずとも、期待で胸が鼓動を早める。

「あああっ……んっ」

 俊政の指が両方の乳首を摘み、睦紀は背をのけぞらせる。背後にいた俊政にもたれかかる形になり、身体をくねらせる。石鹸のぬめりのせいで、赤く尖った先が卑猥だった。

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