少女のままで

chandeme

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三章 記憶

血の涙

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「合計799円のおかいあげです。ありがとうございます~」

人間が
嘘をつくのは自分を守るためだとおばあちゃんがいっていた。
それはその通りだと思った。

では私が嘘をついたのもやっぱり
自分を守るためなんだろうか。

何から身を守るために?
敵はどこにいる。
私は誰と戦っている。









何が
気にくわないのかと言ったら


一番でないこと。

ずっと、ずーっと、誰かの一番になることを望んできて

私が一番大好きな人に一番に選んでもらうことそれだけのために生きてきたのに。

二番目として

いや、二番目かどうかさえもわからない。

ただ一つ言えるのは

一番目ではない
誰かとして

選ばれるということ。


確かに好きな人から
連絡が来ること
かまってくれること
他愛もない会話をすること
会いたいと思ってくれること
私を見てくれること。

それは凄く幸せなことかもしれない。

でも
松田さんは..
ただ単に彼女である小春ちゃんとうまくいってないのかもしれない。

だからその埋め合わせとして
昨日から松田さんは私に連絡をしてきたのかもしれない。

もしかしたら松田さんは..
からだ目当てで私のことを見ているのかもしれない。

考えすぎ..  
ただの一回「会えないか」と聞かれただけで。
でももし仮に...







.....ま。
お客さま?
ポイントカードはおもちですか?」

レジの店員は不思議そうに私の顔を眺めている。

「....すいません..ないです。千円で。」

トレーに千円札を置いた。お会計という僅かな時間でも心ここにあらずになるほど私は頭のなかの一人討論会に夢中になっていた。

「201円のお返しになります。ありがとうございました~。」

自宅から最寄りのドラッグストアをあとにして家路を歩きだした。

お釣りを受けとるときにイケメンで清潔感のあるおまけに感じのいい男性店員であることに気付いた。いつもならそんな店員さんにお釣りを渡されただけでドキッとしても
それさえも気が付かない気に止めないくらい私の頭のなかは松田さんで埋め尽くされ頭のみならずこころの中さえも松田さんが居座り鎮座しているかのようだった。

もしもこれから先松田さんとうまくいくことがあったとしても
一番に選ばれたとしても私以外の誰かに簡単に会えるか会えないかを聞いてしまうのかもしれない。
今日の私にそう尋ねたように。
松田さんはそんな人なんだとガッカリした。だからもうやめようと
幻滅するわけもないこのこころにそういい聞かせて諦めて身を引こうとしているようだった。
なぜならこの先どんな関係性それがたとえ良好的と言われる付き合い方であったとしても
松田さんという人物と関わるだけで私は妬きもちを妬き傷つき心は赤い血が流れるほど引き裂かれるようなそんな予感がしていた。
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