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食事
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みっちーに連れて来られたのは、店が沢山入ったビルだった。
「此処のレストラン、ドレスコードがあるんだ。店に入る前にドレスを買いに行こう。俺からのプレゼントだと思って」
何故、彼はこんなに優しいのだろうか。
たった一晩だけの関係なのに、食事を奢って、ドレスをプレゼントするなんて。普通の人なら考えられない事を、彼は平然とやる。
ドレスショップに入ると、みっちーは淡いクリーム色でノースリーブのドレスを私に渡した。
「これ、試着してみて。きっと似合うよ」
言われるがまま試着室に入ると、女性の店員さんが着替えを手伝ってくれた。
「お連れの方は旦那様ですか?」
突然そんな事を聞かれて、一瞬言葉に詰まる。
売春の客です、なんて言えない。正直に言う必要も無いし、嘘を言っても大丈夫なんだろうけど、罪悪感がないと言えば嘘になる。
「……彼氏です。結婚は意識してませんけど」
「そうなんですか? なのにドレスを選ぶなんて、独占欲が強いんですね」
独占欲、か。
そりゃあSMプレイ好きとか言ってたし、何故か初対面の私に、やたら尽くしてくるし。見たらわかる。
ドレスを着て鏡を確認すると、自分には勿体無いくらい綺麗だった。
胸元が開いているのが多少気になるけれど、脚の露出が控えめで大人っぽい。色合いも落ち着いてるし、とても素敵だ。
「みっちーに見てもらおうかな」
試着室の扉を開けると、みっちーが目の前に立っていた。いきなり開いた所為か少し驚いていたけど、直ぐに笑顔になった。
「……うん、最高に似合ってるよ」
「ありがとう」
出会って間もない、一晩をベッドの上で過ごしただけの彼の言葉が、凄く嬉しかった。
「店員さん、これ買います。着たまま帰るんで、値札外しといて」
「かしこまりました」
私がさっきまで着ていた服を袋に入れると、みっちーはそれを持ってレジに行った。
「……紳士的な人ね。どうして買春なんかしたんだろ」
「此処のレストラン、ドレスコードがあるんだ。店に入る前にドレスを買いに行こう。俺からのプレゼントだと思って」
何故、彼はこんなに優しいのだろうか。
たった一晩だけの関係なのに、食事を奢って、ドレスをプレゼントするなんて。普通の人なら考えられない事を、彼は平然とやる。
ドレスショップに入ると、みっちーは淡いクリーム色でノースリーブのドレスを私に渡した。
「これ、試着してみて。きっと似合うよ」
言われるがまま試着室に入ると、女性の店員さんが着替えを手伝ってくれた。
「お連れの方は旦那様ですか?」
突然そんな事を聞かれて、一瞬言葉に詰まる。
売春の客です、なんて言えない。正直に言う必要も無いし、嘘を言っても大丈夫なんだろうけど、罪悪感がないと言えば嘘になる。
「……彼氏です。結婚は意識してませんけど」
「そうなんですか? なのにドレスを選ぶなんて、独占欲が強いんですね」
独占欲、か。
そりゃあSMプレイ好きとか言ってたし、何故か初対面の私に、やたら尽くしてくるし。見たらわかる。
ドレスを着て鏡を確認すると、自分には勿体無いくらい綺麗だった。
胸元が開いているのが多少気になるけれど、脚の露出が控えめで大人っぽい。色合いも落ち着いてるし、とても素敵だ。
「みっちーに見てもらおうかな」
試着室の扉を開けると、みっちーが目の前に立っていた。いきなり開いた所為か少し驚いていたけど、直ぐに笑顔になった。
「……うん、最高に似合ってるよ」
「ありがとう」
出会って間もない、一晩をベッドの上で過ごしただけの彼の言葉が、凄く嬉しかった。
「店員さん、これ買います。着たまま帰るんで、値札外しといて」
「かしこまりました」
私がさっきまで着ていた服を袋に入れると、みっちーはそれを持ってレジに行った。
「……紳士的な人ね。どうして買春なんかしたんだろ」
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