Alice//F

シオン

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~Dark in Darkness~

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黒いドレスに白く縁取りされた黒いエプロンを着た黒い長髪の少女は地の底より深い闇の中で一人、一筋の日の光が差し込む明かり取りの光の下で膝を抱えて座り込んでいた。



「どうして私がこんな所にいれられなきゃいけないのよ」



少女はぶつぶつと愚痴を零していると暗闇にギラリと光る二つの黄色い猫の瞳が空中に現れた。



「聞いてる?」



「聞いてるかと聞かれればそう答えるけど聞いてるかどうかは分からないにゃ」



そう曖昧な言葉を連ねると瞳を綴じ、暗闇に消えた。



「あぁ、そうですか」



少女は要領を得ない言葉に生返事をした。



「全くこんな猫助けなければよかった…」



後悔と共に、深く溜め息をついた。









時は遡り、真夜中になる頃。



少女は家へと帰る途中で出来事は起きた。



突然、目の前に毛並みの良い黒い猫が飛び出してきた。



「うわっ!」



少女は驚き、後ろに下がった。



「何、脅かさないでよ」



猫は四つ足を付けたままこちらをじっくりとこちらの瞳を見つめてくる。



その目に惹き込まれるように身動きが取れずにいると誰かが急いで走ってくるような足音が聞こえ、猫は少女の肩に飛び乗り、着ていた上着のフードの中に身を埋めた。



「ちょっと何っ!」



フードに入った猫を出そうとしたところで目の前にある四つ角の路地からフードとローブで身を隠した白髭の怪しげな老人が息を切らして現れた。



老人は息を整えると尋ねてきた。



「……すまないがお嬢さん、黒猫を見なかったかね?」



「知りません」



咄嗟に否定してしまった。



「そうか…こちらではなかったか」



老人は辺りを見回すと少女の横を駆けて行った。



老人の姿が見えなくなると猫はフードから飛び出して地面に座った。



「ありがとうにゃ」



猫は少女にお礼を言った。



「……喋った!?」



少女は耳を疑ったが続けて喋った。



「これはお礼にゃ……」



その言葉を最後に少女の視界は暗闇に染まった。











少女は気が付くと見たこともない白亜のお城の中庭に立っていた。



「……ここは何処なの?」



周りには花を切り落とされた白い薔薇がたくさんあった。



「何?これ」



そこでようやく衣服が黒いドレスに黒いエプロンの姿に変わっていることに気付いた。



衣服の変化に気を取られていると中庭の四方の入り口から半分が白地で半分がトランプ柄をした仮面が複数現れて少女を囲んだ。



「そいつが私の庭園をこのような有様にしたのね」



「はい」



仮面達の後ろから沢山の宝石を着けたふくよかな女性と鼻先の長い仮面で目鼻を隠し、烏のような姿をした男が現れた。



「ならば捕らえなさい」



仮面達は少女の周りに包み込むように集まり、少女は見えなくなった。



そして、仮面達は一体となり、卵のような形となった。



「裁判まで地下に閉じ込めておきなさい」



卵のような形をした物は地面に沈み込むように消えた。











地の底より深い闇の中で一人、一筋の日の光が差し込む明かり取りの光の下に少女はいた。



「今度は何処なの!?」



「ここは闇獄だにゃ」



暗闇の中にギラリと光る二つの黄色い猫の瞳が現れた。



「その声、あの時の猫ね」



「さぁ、何のことにゃ」



「私に何をしたの!?」



「知らないにゃ」



「………もういいわ」



少女は暫く猫と一方的に問答したが答えない猫に呆れて聞くのをやめた。







そして、現在に至る。

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