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34 焼失の頁
しおりを挟む教会の一番奥にある部屋でノブレスはノワールに話した。
「あれらはこの世界に関わる外の人間、言わば貴女の元いた世界の人々がこの世界に持つ想いが具現化したもの、装丁がない故に此処は外からの影響を受けやすい」
「だからこそ、わたしの侵入も許す」
突然、声が聞こえた。
「やはり、来ましたか」
「この声…」
「そう、この世界にいる者なら全てが知っている人物」
「ノウル・エッジ…」
ノワールは呟くように言った。
「順調に記憶が戻っていて感心感心、しかし、ノブレス、君には困った者だ、役割を果たさないなら未だしも世界にまで手を出すとは、これでは改変もやむを得んな…」
その言葉の後に部屋の窓に揺らめく光が写り込んだ。
「困ったことになったようですね」
「何が起きてるの?外が火の海になっているわ」
ノワールは窓の外を見ると木々や地面が炎で消えていく。
「この世界を消して新たに作り替えるつもりです、取り敢えず皆さんのいる所へ向かいましょう」
ノワールとノブレスは講堂に向かおうとした途端、部屋の扉が開き、ジョーヌが入ってきた。
「司祭様、外が!」
「分かっています」
ジョーヌを連れてノブレスとノワールは講堂に向かった。
講堂では、全身炎で出来た龍が黒き艶やかな鋼の龍、レギオスと対峙していた。
「まさかこんな場所でお前に逢うとはサラマンフィアール」
「詩文の改変により、この場に現れたまで…では、筆が進み行くままに試合うか…」
サラマンフィアールはその身の炎を弾き飛ばし、炎の飛礫を降り落とした。
「ここで長年の戦歴にけりをつけるのもいい」
レギオスは鋼の翼で弾き飛ばし、炎は講堂内に広がるとそこへノワール達がやって来た。
「これは………それで炎が…」
ノブレスは講堂の光景を見て呟く。
「エリス、アリアを探して…」
「私なら此処にいる」
アリアはノワール達が入ってきた入口の陰にいた。
「そんな所にいましたか、でしたら彼を退かせて下さい」
「それは無理、全てはもう改変されつつある」
「では、私が更なる改変をしてやろう」
ノブレスの髪が毛根から毛先にかけて黒く変化した。
「時よ、全ての世界に関わる者に改変を」
その瞬間、時が止まり、ノワール以外の生物は全て消えた。
「何をしたの?それに貴方は何者?」
「私はケルク、この本(世界)の浸蝕者、全ての世界の時を止めた私達以外のな」
「なんで私だけを残したの?」
「お前が特別なアリス故に」
ノブレスもといケルクはノワールに歩み寄ると胸元に手を翳した。
ノワールの意識は暗闇に消え、止まった時は動きを進め、本(世界)を焼き尽くした。
暗闇に一枚の頁がはらりと落ちて一瞬で燃え上がった。
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