街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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34 13歳 at お屋敷

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「あと少し、ほら、ここだよ!みんな頑張れ!」

「つ、着いた…」
「空が見える!明るい陽の下だ!」
「澄んだ空気だ!瘴気はどこにもない!」
「血の匂いもだ!俺たちは助かったんだ!」


みんな泣きながら大歓声を上げている。僕もうっすらもらい泣き…。
彼らは道中のしっかりした食事と僕の『ヒール』のおかげで、半月地下を歩いて来たわりには元気である。
早速避難所まで案内するが、その道すがら、緑広がるウエストエンドに目を丸くして驚いている。どうだ!参ったか!

「レジナルド殿」
「シュバルツ…、どうしたの?」

「いや、ここは我々が聞いていたのとかなり様相が違うようだ…。驚いてしまってね」
「開拓したんだ。最初はひどいもんだったよ」

今でも思い出す。だだっ広い荒野にポツン…と建った豪華な屋敷、あの違和感。
そしてだだっ広い荒野にこれまたポツン…と建った納屋と…芋…と…トマト。

あれはシュールな絵面だったな…

と、とにかくここまで来たんだ。彼らにもこれからはウエストエンドの一部になってもらおう。


用意できた家屋は40戸ほど。その代わりけっこうしっかりした造りの家だ。
入居が間に合わなかった人たちは宿舎、もしくは一旦シェアで我慢してもらう事にして、あとは各地区のリーダー、開発地区はアーニーの、農業地区は領主代理であるウィルとコリンの、山間部はキングの、商業地区は暫定でクマのテッドさんにお任せする。
因みにドンキーさんは大喜びのサル獣人、ディーディーたちが有無を言わさず引っ張っていった…

「ちょっとー!話があるから返してー!」

それより僕は事情の説明をヴォルフに丸投げして元貴族家の三人を屋敷へと連れて行くことにした。こうしておけば誰も睨みを利かすヴォルフには深く突っ込めまい!ナイスアイデアだ。


さて、シュバルツ氏は元侯爵家のご当主。そして小隊長の二人、フィッシャー改めフィッツ氏とハイネル改めハイネン氏はともに男爵家の三男、二男だったのだとか。
彼らは貴重な役人候補だ。読み書き管理が出来ると言うのは訳あり領民しか居ないこのウエストエンドでは本当ーーーに貴重なのだ。


「そんな訳でね、3人には一旦この屋敷に滞在してもらって役人として働いて欲しい」
「我々を役人に引き立てて頂けるのですか?戦争捕虜でしかなかった他国の我らを…」

「ここは移民?の集まりだもの。問題ないよ。ああそうだ、僕の封印はナバテアの封印みたいにちゃちじゃないから安心してね。ここは何処よりも安全だって、元部下にもそう言っといてくれる?」

「安全なのは見ればわかりますとも」
「皆には伝えておきましょう」

身体を清めて衣類を変えて、さすが元貴族。整えると三人とも見違えるように立派なものだ。
晩餐の席でもテーブルマナーは完璧。そつのない会話もお手の物。
あ、村へ行った彼らも今ごろ宴会中だよ。共同食堂で外にまで広がってそりゃ盛大に。その光景はまるで野フェスだね。明日は屍かな?

食事中の歓談かねて彼らの今までを探ったりなんかしてたんだけどね。
ここでビッグウェーブ!教師キター!

なな、なんと!フィッツ氏は母国で教師だったのだとか!

もちろん国が違えば歴史も地理も違うだろうが、万国共通の教養なんていくらだってあるじゃないか。
ましてや、教えるって事の定石さえ押さえてあれば、教本次第で他国の科目だって教えられるはずだ。現に前世では中学も高校も、英語の教師は英語を話せなかったしパソコンの講師はファンクションキーだって使えなかった。

フィッツさんは問答無用で学校長に決定!そしてハイネン氏には町役場の所長さんを引き受けてもらう事にした。

実はこれも前々から考えていたこと。
領民の増えた今のウエストエンドで窓口がいつまでもお屋敷では不都合も多い。普通に考えて一市民が年金の相談くらいで県庁へ、とはならないだろう。そういう事だ。

各地区のリーダーは決まっているが、領民の福祉や支援、困りごとなんかはこれから町役場が窓口となる。実にいい感じだ。

そして真打、シュバルツ氏だが、彼は母国で法務官だったのだとか。
それで恨みを買ったとかなんとか彼は顔を曇らせたが、その辺りの詳しい話は人払いをして聞くのが良いだろう。

ともかくある意味彼がここに来たのは僥倖だったのかもしれない…

だって…、ただの学生だった僕に法律の事はあまりわからなかったりする。残念ながら。
だからってこの規模になってきた以上、いつまでもその部分をいい加減にはしておけない。どのみちいずれは外の人も招き入れることになるんだから。
つまり秩序を守るには一定の法規を作成する必要があるだろう。

漠然とクラウスに…、とか考えてたけど、団長は言うなれば警察庁長官だ。自衛隊のエライ人と言っても良いだろう。法の番人とは似ているようで畑が違う。
法務に慣れた人物がいるならそれに越したことは無い。

僕はシュバルツに法規のたたき台を作成するようお願いした。もちろん最終チェックと決定権は僕である。
とってもワガママだとは思うけど…、だってこれは僕のための街造りなんだからしょうがないよね?


てんやわんやの一日が過ぎ、ようやくヴォルフと過ごす憩いの時間。流石に今日はダンジョンへ行く気になれやしない…。

「ヴォルフ~!」モフッ「あ~癒される~」
「おい、いい加減にしろ!さすがの俺も疲れた…。今日は人型で寝る。早く離れろ」
「は~い。ところでマッチョたちはどうしたの?」

「獣人はすでに現キングのレオがまとめている。だが山中は前キングのドンキーの方が良いだろうという話になった」
「あー、ゴリラは森の王って言うしね」

「山中と山麓はドンキーが引き受けた。山麓に数件家が欲しい。ルーとバイソンは広い所が良いんだとさ。山のふもとで羊や山羊を飼うんだと」

「ルーって誰、あ、カンガルーか…。バイソンが羊飼い…親子みたい。いいけどね。ゾウさんは?」

「ババールか。奴はでかいが気は優しい。村で人間と住みたいらしい」
「じゃぁさ、消防団のリーダーお願いしちゃおうかな」

「消防団…?」
「火消しだよ。イメージ的に。なんとなく」

「そうか………」

「あっ!ちょっとヴォルフ、そこで寝ないで!小屋に戻っ…もう!いつも自由なんだから…」

人型であっても尻尾は変わらない…。
自分からここで寝た以上ベッドの主である僕が尻尾をモフって何が悪い。

僕は尻尾を抱き枕にして…5秒で落ち…た…zzz…




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