街を作っていた僕は気付いたらハーレムを作っていた⁉

kozzy

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74 16歳 Lots of places クラレンス

後の報告による各所の活躍はこうだ。

聖騎士団が乗り込んだ酒場〝快楽の夜”ではちょっとしたボヤ騒ぎが起きたようだ。

奴らは有事の際全ての証拠を葬るため、拠点にはちょっとした爆薬を仕込んでいた。
最も聖騎士たちの水魔法によりあっという間に鎮火したが、肝心の証拠が…

なーんてね。
そんなこともあろうかと、ヴォルフから帳簿の隠し場所を聞いた時、僕はそれら証拠品にプロテクトの魔法を先んじてかけておいたのだよ。残念だったね悪人共。

ただ残念なことに…倉庫の売人と同じく酒場の仲間どもも、逃げられないと分かるや否やすかさず毒を呷ったのだとか。服従のフィンガーリング…。闇組織とはかくも恐ろしい…

同じく毒を飲もうとしたナラの木に身を隠した見張りの二人。だけどシャリムからタイムリーに『闇伝達』を受けていたヴォルフの間一髪により、こちらはどうにか一人食い止めることが出来た。ふー、やれやれ…


十分とは言えないが闇組織へと通じる証人二人を手に入れた聖騎士団。
さて、ここから一体どこまで情報を引き出せるか。こればかりは公安院で待つブラッドリー氏の腕次第である。

おっと。もう一つビックニュースだよ!

新月の晩に突入することを知っていたオスカー、そしてローランドはセザールを囮として、なんと!タイミングを合わせてパーカーを揺さぶったらしい。
その結果…


なんとパーカーはエバの部屋からこっそり持ち出した『クーザ』に安価なハーブを混ぜ水増しして、粗悪なハッピードラックとして学生に売りさばいていたのだとか!
古今東西、そういう依存性の強いブツを調達する者にパーティーピーポーはすり寄るものだ。ホント、悪のサラブレッドだよ、パーカーお前は…

ただ幸いだったのは混ぜ物の量が多すぎてドラッグの効果が大幅に減少していたことと、さらに頭の良くないパーカーはハーブの効果効能も知らず、混ぜたハーブが解毒系のものだったことで、え?爆笑なんだけど…
とにかく学生たちの脳に大きなダメージは残らなかったということだ。

良かった、未来ある若者がダメにならなくて…。けど、一時の快楽に流された無軌道な息子には両親からしっかりお灸をすえてもらわなくては。

とにかく、パーカーは以前からセザールに目をつけていたようで、彼にもっと上物を融通するからウルグレイスの社交界に渡りをつけてくれ、と要求したみたいだ。
販路を広げるつもりだったのか?それともいざとなった時の逃亡先?目の付け所が恐ろしい。

ゲームの中、手に入れた国家機密をゲスマンに売り自分だけ命ごいをした極悪令息の面目躍如だ。
常に自分の利益しか考えないパーカーもこれで終わりだろう。

水増ししたドラッグでパーカーの求刑がどれだけになるか。
できたら極刑とは言わなくともギリギリまで長く閉じ込めておいて欲しい。じゃないと何をしでかすか分からない。それがゲームにおけるパーカーという存在なのだから。


エバたちが王都に到着するまであと数日。貴族専用の拘置塔で顔を合わせた親子はそこで一体何を思うのか。

…ま、知ったこっちゃないけど。


それよりも問題は父の容態である。

エバから相当の長期に渡って、それも『クーザ』だけでなく未知の魔鉱石をいくつも盛られていた父は、僕の『キュア』を以てしても意識を取り戻すことは出来なかった。
何種類もの魔鉱石がケミストリーを起し父の体内で混乱しているのだ。嘘だろあいつ…何してくれてんの?

僕の『キュア』は中級とは言え、その驚異的な魔力量によってほとんどの病気なら治せる優れものなのに…!
この僕の『キュア』でだめなら後はもう聖女だけが持つ最上級の『スーペリオンキュア』しか無いじゃないかっ…!
ああっ!どうすればいいんだこんなの!この世界に聖女は居ないのにっ!

って、…あれ?

居るじゃん聖女…。れっきとした腐れ、いや、隠れ聖女(未満)が…。



「ニコー!ニコっ!大事な話があるんだけど!」
「ちょっと!静かに入ってきなさいよ。ここどこだと思ってんの?小さくても神殿よ?」

「あ、ごめん。それより明日の事だけど…」
「成人の儀なら安心して。進行は頭に入ってるから」

「そうじゃなくて…、あのさ、明日夜中にちょっとお出かけしない?」
「どこによ」

「ほら、聖女に覚醒するための例のメイズに…。僕も付いてくからさぁ…」
「聖女にはならないって言ったでしょ?何言ってんの?」

「認定は受けなくていいよ。メイズ攻略して聖女のタイトルこっそり取ってくれるだけでいいから」
「…何かあるのね?どういう事?」

ホントにね…。察しの良い大人って大好きだよ、僕。


ここまでの流れを説明した僕にニコは黙って頷いてくれた。何だかんだで良い奴だよニコは。

「最悪よね、その〝パーカーのお母様”って。まぁそういうことなら引き受けてあげるわ。礼二くんは命の恩人だし」

「仮初だったけどね」
「それは関係ないのよ。でもそうね、悪いと思うなら今度サービスしなさいよね」

「サービス?何を?豪華な食事?ドレスとか?あ、分かった羽根布団だね?羽根布団でしょ?」

ニコリと、その名の通り品よく微笑むニコの欲望をその時の僕は侮っていた。
彼女の腐海がマリアナ海溝より深い事を僕は後日知ることになるのだが、それはまた別の話という事で。


「とりあえず儀式とパーティーが終わった後でいのよね?」
「まあね。アルバートはその名目で訪問してるんだから。何も無しって訳にはいかないよ。今日の昼には叔父様も到着するし」

「ゲストは叔父さんだけ?」
「残念ながら今はそれだけ。僕と懇意にしてる貴族なんかプレオープンにやって来たローランド、オスカー、それからセザールだけだよ」

「でもこれで流れは変わるんじゃない?」
「期待大だね」

実のところ、すでにぼちぼちお問い合わせは入っているのだ。ましてや王太子殿下が祝いの名分で二度目の保養に来たとあっては、ヴィラに泊まらないまでも一目見学、と、列車の予約はとっくにパンパンである。

明日の準備をするというニコの邪魔をしないよう僕は急いで屋敷に引き返した。直に叔父様が到着する頃だろう。表向きは僕の祝福に。本当は状況を確認に。


屋敷に戻ると予想に反し既に叔父様はサロンでくつろいでいた。もしかして父を心配して急いだのだろうか…。

「レジナルド、今回はよくやってくれた」
「叔父様…、いいえ。殿下がお力添えをくださいまして…」
「そのようだね。今も話していたのだよ」

「え…?あ、いらしてたんですねアルバート」


…ちゃっかり屋敷の住人みたいな顔をして奥からやってくるアルバート。まぁね、今回は単身だからヴィラに居たって暇だよね。付き合いますか。

「お帰りレジー。神官ニコに治癒の相談に行っていたのかい?」

あれれ~?いつの間にかレジーになってる~?

「え、ええまぁ…」
「それで彼女はなんと?」

「…明日すべての儀式が終わった後、特別な禊をしたうえで明後日特別な治癒を試してくださるそうです」
「そうか。それは良かった。さして交流の無い義兄とは言えあのままの姿では忍びなくてね…。効くと良いのだが…」

「彼女は歴代最短で試練を克服した過去に類を見ない有能な女神官です。あの彼女にかかれば『クーザ』など風邪みたいなものでしょう、ハミルトン伯」

「それは頼もしい…」


ニコ、アルバートがハードルガン上げしてくれたからね!頑張ろう!僕は応援しか出来ないけど!



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