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22 悪の顛末
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図らずも素早い到着となった傭兵たちは手際よく退避を先導したうえ一人の怪我人を出すことなく夜明け前には消火を終えた。
幸い火の手は歓楽街はおろか、敷地内でも人気のある本館に燃え広がることは無く、外の土蔵を発火元として、幾つかの倉庫や厩舎を燃やすに留めた。
そして娼館には私の報告を受け、王城から騎士団までもが駆け付ける次第となった。
今から本館内に足を踏み入れようとしたまさにその時だ、車輪の音を軋ませながら娼館主が駆け込んできたのは…。こうなると出かけた先もどこなのやら知れたものではない。
「これは一体…、騎士様!これは一体何事であられるか!」
娼館主には昨夜の出来事が館の手のものによって既に知らされているはずだ。だからこそ慌てふためき戻って来たのだろうに何をぬけぬけと…白々しい…。
ルーイの両脇は私とメルビンによって固められている。時折両足を浮かせ宙に浮いているのが微笑ましい…。
もう二度とこの平和を奪われるものか!私は娼館主とルーイの間に立ちはだかった。
そして一連の騒動の中で得た情報により娼館主に館内捜索の令状が提示される。
これは私の陳情を信じてくださった王からの勅命。娼館主がどれほどの大物貴族を背後につけていようが決して逆らえぬものだ。
「おっと館主よ。在籍名簿も見せてもらおうか。ここには悪い噂があるんでね。違法な手で集めた娼妓が居ないか確認させてもらう」
ルーイからひと時たりとも目を離せない私に代わりメルビンが最も重要な件を切り出す。騎士たちの目的は隣国の武器。獣人娼妓たちのことなど念頭にはないだろう。なにしろ表向きは合法的に買い入れた公娼を扱う店、ということになっているのだから。
「王からの勅命であれば仕方あるまい…。名簿も差し出そう。だが何も出なかった時にはこの捜索を進言したレンフィールド男爵!あなたに責任を取って頂こう!よいか!」
強気な娼館主。つまりすでに対策済みという事か…。だが火事の騒動もあり、娼館付近の人の移動は堰き止めてある。出も入りもだ。
つまりどこに隠そうがこの敷地よりも外には出ていない、という事だ。
そう高をくくった私の考えに反し一向に見つからぬ点火爆弾。気が焦る私。イライラとし始める騎士団…。それを見てほくそ笑む娼館主。
「だから言ったではないかレンフィールド男爵。たかが獣人の戯言を真に受け王城の騎士団まで動かすとは…、いかにも社交界のつまはじき者が考えそうなことだ!お父上であるオールドリッチ侯爵に対し申し訳ないとは思いませぬか!」
何故ここに父の名が出る!そうか分かった。父も顧客なのだな…。なんと情けない…。
私の焦燥を知ってか知らずか、その緊張を破るのはのんきそうなルーイの声。
「ねーねーグレアムさん。いつまでも何してるの。僕もうお腹空いて死んじゃいそう…」クルルルル…
「ルーイちゃんは育ちざかりだもんな…」
名簿と娼妓や少年少女たちを確認し終えたメルビン。こちらも空振り…と顔に書いてある…。
「…ルーイが見つけたという黒いリンゴを探しているのだ。あれが見つからねばこの捜索を終えられない」
「終わらない…黒いリンゴが見つからないとマカナイを食べに行けないってこと!? ソーセージは?そんなの困る…」グゥゥ…グーキュルル…「僕探す!」グイッ!
「ルーイ待て!」
私や騎士殿たちを置いて壁を登り始めるルーイ。なんて素早い…。
クンクン…「こっち!」
クンクン…「あっち!」
ふ、と見ればほくそ笑んだままの娼館主ではあるが、ルーイがある部屋へたどり着くとその額に汗が一滴…。これは…。だがその部屋は一脚の椅子と小さなコンソールが置かれただけの何もない部屋。一目で全てを見渡せるような小さな部屋だ。
「ここから臭う」
「ルーイ…しかし…」
「子供よ、ここには何もないではないか!」
「騎士様、子供のたわごとなど信じてはなりませぬぞ!獣人の子供!いい加減な事を言って大人を困らせてはならぬ!」
「困らない。絶対ここ」
そうだ!ルーイはあの王城で私の居場所を見つけてみせたではないか!
「ルーイ。私はお前を信じる。お待ちください騎士殿!」
クンクン…「ここ!この壁の向こう!」
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ
「ま、待てこの不届きな獣人!壁から離れよ!」
これ程焦るとは…間違いない!恐らく壁の向こうに何かが…!然らば!
「責任は私がとる!『ファイあ」
「ひっ!ひぇぇぇl!お待ちくだされ男爵様ーーーー!!!!」
「待てグレアム!爆弾があるならファイアーは不味いだろうが!全員あの世行きだ!」
…いわれて見ればその通りだ。少しばかり平静を欠いていたようだ。冷静なメルビンが居て本当に良かった……。
が、今の平常心を失った叫びに騎士たちも確信を持ったようだ。
『ストーンバレット‼』
『クラッシュ‼』
『エアーカッター!』
騎士たちが各々の戦闘用魔法を壁にぶち当てていく。もちろん細心の注意を払い、加減をしながら…。
ガコッ!ガラガラガラ…
現れた隠し空間…。ルーイの嗅覚は正確に真実を暴き出した。
その二重壁によって外からは完全に分からぬよう隠蔽されたその細く狭い隠し部屋には…点火爆弾以外にもいくつかの隣国武器、そして…
痩せ細った獣人の子供が隠されていた…。
直ちに捕縛され連行されていく娼館主。これは戦争中の隣国と通じる…反逆罪であり国家転覆罪であり問答無用で極刑となる重罪である。どこの誰が口をきいても覆されぬ罪。むしろ余計な手を貸せば共犯として罪を問われよう。味方にも裏切られる汚らわしい悪魔に似合いの最期。
これでこの娼館は国に接収されることが決まったようなものだ。
🐹🐹
今目の前にはその功労者であるルーイが王城の一室、来賓の間でメルビンと一緒に朝食をとっているところだ。
ルーイのリクエストによりたっぷりソーセージののった朝食を。
「これ美味しーね」
「そうだねぇルーイちゃん。ほら、これもお食べ」
「わーい!」
あの娼館主からは隣国の情報を逆に引き出すことができるだろうと、王と長官が褒美として入城をご許可くださったのだ。
メルビンは救い出された獣人の子から証言を得て、同じような仕掛けの中から他にも子供たちを見つけ出した。その数は合計で15人にも及び、彼らは今後親元へと帰される。が、中には心に傷を負って帰郷を望まぬものも居るという…。その子供は私の住む村に連れて行く予定だ。あそこは獣人が多く…そして素朴な田舎。都に居るよりも安らげるであろう。
そして本館に居た人間の少年少女、娼婦たちだが、娼館のお取り潰しが決まり彼らの借用書は混乱に乗じたメルビンにより破棄された。だが幾人かの娼婦は他の娼館へと移っていった。他に生きる術を持たぬのだろう。だが年若い少年少女はメルビンが商会長であるお父上に話しをつけ、彼が今から立ち上げる予定の新店舗で働くことが決まったようだ。
メルビンは一見軽いが良い男だ。きっと彼らの未来は良いものとなるだろう。
「ふいぃー!お腹いっぱい。ねーねーグレアムさんもうお仕事終わった?帰れる?」
「ああ帰ろう。私とルーイの愛の巣へ」
思いがけずルーイに纏わりつく不穏の影が一掃される事となった今回の登城。
さて、残る問題は…
幸い火の手は歓楽街はおろか、敷地内でも人気のある本館に燃え広がることは無く、外の土蔵を発火元として、幾つかの倉庫や厩舎を燃やすに留めた。
そして娼館には私の報告を受け、王城から騎士団までもが駆け付ける次第となった。
今から本館内に足を踏み入れようとしたまさにその時だ、車輪の音を軋ませながら娼館主が駆け込んできたのは…。こうなると出かけた先もどこなのやら知れたものではない。
「これは一体…、騎士様!これは一体何事であられるか!」
娼館主には昨夜の出来事が館の手のものによって既に知らされているはずだ。だからこそ慌てふためき戻って来たのだろうに何をぬけぬけと…白々しい…。
ルーイの両脇は私とメルビンによって固められている。時折両足を浮かせ宙に浮いているのが微笑ましい…。
もう二度とこの平和を奪われるものか!私は娼館主とルーイの間に立ちはだかった。
そして一連の騒動の中で得た情報により娼館主に館内捜索の令状が提示される。
これは私の陳情を信じてくださった王からの勅命。娼館主がどれほどの大物貴族を背後につけていようが決して逆らえぬものだ。
「おっと館主よ。在籍名簿も見せてもらおうか。ここには悪い噂があるんでね。違法な手で集めた娼妓が居ないか確認させてもらう」
ルーイからひと時たりとも目を離せない私に代わりメルビンが最も重要な件を切り出す。騎士たちの目的は隣国の武器。獣人娼妓たちのことなど念頭にはないだろう。なにしろ表向きは合法的に買い入れた公娼を扱う店、ということになっているのだから。
「王からの勅命であれば仕方あるまい…。名簿も差し出そう。だが何も出なかった時にはこの捜索を進言したレンフィールド男爵!あなたに責任を取って頂こう!よいか!」
強気な娼館主。つまりすでに対策済みという事か…。だが火事の騒動もあり、娼館付近の人の移動は堰き止めてある。出も入りもだ。
つまりどこに隠そうがこの敷地よりも外には出ていない、という事だ。
そう高をくくった私の考えに反し一向に見つからぬ点火爆弾。気が焦る私。イライラとし始める騎士団…。それを見てほくそ笑む娼館主。
「だから言ったではないかレンフィールド男爵。たかが獣人の戯言を真に受け王城の騎士団まで動かすとは…、いかにも社交界のつまはじき者が考えそうなことだ!お父上であるオールドリッチ侯爵に対し申し訳ないとは思いませぬか!」
何故ここに父の名が出る!そうか分かった。父も顧客なのだな…。なんと情けない…。
私の焦燥を知ってか知らずか、その緊張を破るのはのんきそうなルーイの声。
「ねーねーグレアムさん。いつまでも何してるの。僕もうお腹空いて死んじゃいそう…」クルルルル…
「ルーイちゃんは育ちざかりだもんな…」
名簿と娼妓や少年少女たちを確認し終えたメルビン。こちらも空振り…と顔に書いてある…。
「…ルーイが見つけたという黒いリンゴを探しているのだ。あれが見つからねばこの捜索を終えられない」
「終わらない…黒いリンゴが見つからないとマカナイを食べに行けないってこと!? ソーセージは?そんなの困る…」グゥゥ…グーキュルル…「僕探す!」グイッ!
「ルーイ待て!」
私や騎士殿たちを置いて壁を登り始めるルーイ。なんて素早い…。
クンクン…「こっち!」
クンクン…「あっち!」
ふ、と見ればほくそ笑んだままの娼館主ではあるが、ルーイがある部屋へたどり着くとその額に汗が一滴…。これは…。だがその部屋は一脚の椅子と小さなコンソールが置かれただけの何もない部屋。一目で全てを見渡せるような小さな部屋だ。
「ここから臭う」
「ルーイ…しかし…」
「子供よ、ここには何もないではないか!」
「騎士様、子供のたわごとなど信じてはなりませぬぞ!獣人の子供!いい加減な事を言って大人を困らせてはならぬ!」
「困らない。絶対ここ」
そうだ!ルーイはあの王城で私の居場所を見つけてみせたではないか!
「ルーイ。私はお前を信じる。お待ちください騎士殿!」
クンクン…「ここ!この壁の向こう!」
カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ
「ま、待てこの不届きな獣人!壁から離れよ!」
これ程焦るとは…間違いない!恐らく壁の向こうに何かが…!然らば!
「責任は私がとる!『ファイあ」
「ひっ!ひぇぇぇl!お待ちくだされ男爵様ーーーー!!!!」
「待てグレアム!爆弾があるならファイアーは不味いだろうが!全員あの世行きだ!」
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『ストーンバレット‼』
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騎士たちが各々の戦闘用魔法を壁にぶち当てていく。もちろん細心の注意を払い、加減をしながら…。
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その二重壁によって外からは完全に分からぬよう隠蔽されたその細く狭い隠し部屋には…点火爆弾以外にもいくつかの隣国武器、そして…
痩せ細った獣人の子供が隠されていた…。
直ちに捕縛され連行されていく娼館主。これは戦争中の隣国と通じる…反逆罪であり国家転覆罪であり問答無用で極刑となる重罪である。どこの誰が口をきいても覆されぬ罪。むしろ余計な手を貸せば共犯として罪を問われよう。味方にも裏切られる汚らわしい悪魔に似合いの最期。
これでこの娼館は国に接収されることが決まったようなものだ。
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今目の前にはその功労者であるルーイが王城の一室、来賓の間でメルビンと一緒に朝食をとっているところだ。
ルーイのリクエストによりたっぷりソーセージののった朝食を。
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メルビンは救い出された獣人の子から証言を得て、同じような仕掛けの中から他にも子供たちを見つけ出した。その数は合計で15人にも及び、彼らは今後親元へと帰される。が、中には心に傷を負って帰郷を望まぬものも居るという…。その子供は私の住む村に連れて行く予定だ。あそこは獣人が多く…そして素朴な田舎。都に居るよりも安らげるであろう。
そして本館に居た人間の少年少女、娼婦たちだが、娼館のお取り潰しが決まり彼らの借用書は混乱に乗じたメルビンにより破棄された。だが幾人かの娼婦は他の娼館へと移っていった。他に生きる術を持たぬのだろう。だが年若い少年少女はメルビンが商会長であるお父上に話しをつけ、彼が今から立ち上げる予定の新店舗で働くことが決まったようだ。
メルビンは一見軽いが良い男だ。きっと彼らの未来は良いものとなるだろう。
「ふいぃー!お腹いっぱい。ねーねーグレアムさんもうお仕事終わった?帰れる?」
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