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オリヴィエの覚醒
あれから二人に除塩作業の細かな説明を行い、ウォーターによる真水散布を終え、日が暮れるころ僕たちは揃ってお屋敷に戻ってきていた。
そして海岸組が帰るのを待って、この五日間毎夜繰り広げられている、互いの顔色を窺いながらの消化に悪い食事を済ませ、その後それぞれがそれぞれの自室へと引き籠った。
せっかく同じ組なのにポールと全然話せてない。だけど今夜の僕は残業上等。何人たりとももう僕を止められない!
そうして完徹しながらある資料を作り上げた。
それは…
『湾岸部における農業とその塩害対策』
「オリヴィエ、これはなんだい?」
「見た通りです。この領での有益な土地活用を今後を踏まえまとめてみました」
その朝、バラバラに朝食を終えみんなが出払ったところで、約束通り虎千代さま、カーネル殿下、ベントレー伯爵は僕の話を聞くために残って下さった。
注がれる注目。
苦手だった会社員時代の企画会議を思い出す…。が、これが青年団の寄り合いだと思えばなんてことはない。へっちゃらだ。
そこには海に面した領地特有の課題と今後の方針が示されている。
「冠水による塩の除去作業はこの滞在時にかなり出来たと思います。ですがここは湾岸に面した丘陵地。今後も潮の影響はついてまわります」
「確かに…。津波以前も我が領の収穫高はそれほど多くはない」
これはベントレー伯爵。けど、それほど多くないって言ってもスターリングよりは多いんだから、これ東がいかに土地が悪いかって話だよね。
本題に戻って…
「なので必要なのは耐塩性作物の導入です」
「耐塩性作物…?」
ここからは専門的な話になるので少々割愛させてもらうが、とりあえずおすすめしたのはトマトと玉ねぎ。これらは塩度の高い土壌で甘みが増す野菜である。ほら、トマトやスイカにお塩ふって食べたりするでしょ?
あとは日本では馴染みの薄いビート。塩対応だと発育が良くなるツンデレな野菜だ。
「またこれらはミネラルを豊富に含む特別な野菜〝ベントレーブランド”として売り出すことも視野に入れています」
「ミネラル…とは何であろうか」
ミネラル、それは体内で合成できない栄養素。カルシウム、鉄分などを中心とした、身体の生理機能をコントロールする、美と健康に欠かせない重要な無機質である。
それをお話しすると、ベントレー伯爵だけでなく二人の殿下も強く関心を示された。
「詳しいのだねオリヴィエは…」
「君はどこかで科学を学んだのだろうか…」
「単純に土は僕の友だちですから。ですがこれらは言うなれば対処療法。抜本的な農業改革として僕は水耕栽培をお勧めします」
「水耕栽培…それは一体…」
水耕栽培、それは土を使わない栽培方法。昨今のイチゴ農園を思い出していただけると分かりやすいだろうか。
「ハウスと水耕栽培。これで湾岸部の冠水や風の影響は最小限になり領の生産性は安定します。尚、将来的に塩害対策、農地拡大を見据え海上農業にまで着手できればいいな…とも考えています」
一見難しそうだが科学の遅れは魔法で補える。それがこの世界の良いところ。知恵と優秀な魔法使いを集めれば不可能じゃないはずだ!
そこまで聞いて椅子から思い切り立ち上がったのはベントレー伯爵。
ガタ「す、素晴らしい!君はなんと博識なのだ…」
…農業限定だけど…ね。
「…この審査の趣旨と外れていたらすみません」
「いや。この審査に決まりはない。これはここまで残った候補者の思考、行動、人格、品位等々を総合的に確認し適正を見極めるためのものだ」
審査の内容はこの際どうでもいいんだけど。王様が僕に興味さえ示してくれれば。
そのために「水耕栽培」とか「海上農業」とか、王様が初めて聞くであろう現代ワードをちりばめたんだから。
さて、プレゼンを終えれば時刻はもうお昼、軽食を済ませた虎千代さまは僕と一緒に除塩作業地へ行くようだ。
カーネル殿下はベネディクト殿下の待つ場へ戻られた。きっと今から僕のプレゼン内容を報告するんだろう。
ベネディクト殿下は興味を持ってくださるだろうか…。まずここを突破しないと王様にはたどり着けない。
「農民と共に土にまみれていると言っていたが…オリヴィエは農作業が好きなのか?」
「大好きです。落ち着きます」
ふかふかの土は僕の心の栄養剤。シンとした山は僕の心の安定剤。なくてはならないものだ。
「そうか…」
「どうかしました?」
「いや」
物憂げな顔。変な虎千代さま。
「おーいオリヴィエさまー!こっちこっちー!」
「あ、ジョンさん」
僕の姿を見つけて大声で呼び寄せる農作業の人たち。
その様子に虎千代さまは呆れている。
「まるで友人かのように…彼らは君の身分を知っているのか?気安いものだ」
「仲良くしてくださってありがたいです」
自領の皆さんともこんな感じだし、僕はこのほうが居心地いいんだよね。
「じゃあ虎千代さまは汚れないようそこで見ててください」
「ああ」
場所を移動しながらの掘り起こし作業。少なくともこの一帯だけは最終日までにすべて済ませるって僕は最初から決めていた。一部そのまま…とか気持ち悪いしね。
残る農耕地はあと少し。
ガッ!
「なんだこりゃぁ!」
「こいつぁ困った!」
そこに湧き上がったざわめき。
「どうしたんですかサムさん、ダグさん」
「この奥に津波で流されてきた石塊が埋まってやがる!」
「えぇー!大きいのですか?」
「まあまあデカい」
重機も無いし困ったなぁ…。放置したら水はけとか根っこの成長とかいろいろ問題出るじゃないか。
「オリヴィエ」
思案する僕にかけられたのは聞き慣れた頼りがいのある声。
「虎千代さま…」
「良ければ私が手を貸そう。それを除ければいいのかい?」
「え?」
風魔法の使い手虎千代さま。彼ならどうという事もなくどかせるだろう。これが通常だったらありがたい申し出なんだけど…
「いけません虎千代さま。これは厳正なる審査。人の目が無いからって手は借りられません」
「だが皆が困るのだろう?それならば」
「いいえ。これは候補者たちがどうするかまで見極める審査です。そのままお見守りください」
今の僕はたとえ王子妃じゃなくともれっきとした審査対象者。えこひいきは許されない。
「皆さん板切れをお持ちください。長い棒でもいいです!力を合わせて掘り出しますよ!」
「ヨイショ!ヨイショ!」
「おお動いたぞ!」
「ウンショ!ウンショ!」
「よしもう少しだ!」
「そーれ!」
ドッスーン!
湧きたつ一同。そうそう。こういうので連帯感って生まれるんだよね~。
気がつけばみんな土だらけで汗だらけ。けど心地よい達成感。
フワ…
「あ…虎千代さま…」
「クリーンだ。この程度であれば審査には関係ないだろう?そのままでは屋敷に戻れまい」
「あ、ありがとうございます」
「君はクリーンが使えないと言っていたからね」
覚えててくださったのか…
「おーいオリヴィエさまー、石灰撒き終わったぜー!」
「早いとこ頼むー!」
「わかりましたー。いきますよー、ウォーター!」
一斉に散布されるウォーター。それをシャワー代わりにしようとみんな集まってくる。その表情には笑顔が溢れてて…
「いい光景だ」
虎千代さまはポツリとそう呟かれた。
そして海岸組が帰るのを待って、この五日間毎夜繰り広げられている、互いの顔色を窺いながらの消化に悪い食事を済ませ、その後それぞれがそれぞれの自室へと引き籠った。
せっかく同じ組なのにポールと全然話せてない。だけど今夜の僕は残業上等。何人たりとももう僕を止められない!
そうして完徹しながらある資料を作り上げた。
それは…
『湾岸部における農業とその塩害対策』
「オリヴィエ、これはなんだい?」
「見た通りです。この領での有益な土地活用を今後を踏まえまとめてみました」
その朝、バラバラに朝食を終えみんなが出払ったところで、約束通り虎千代さま、カーネル殿下、ベントレー伯爵は僕の話を聞くために残って下さった。
注がれる注目。
苦手だった会社員時代の企画会議を思い出す…。が、これが青年団の寄り合いだと思えばなんてことはない。へっちゃらだ。
そこには海に面した領地特有の課題と今後の方針が示されている。
「冠水による塩の除去作業はこの滞在時にかなり出来たと思います。ですがここは湾岸に面した丘陵地。今後も潮の影響はついてまわります」
「確かに…。津波以前も我が領の収穫高はそれほど多くはない」
これはベントレー伯爵。けど、それほど多くないって言ってもスターリングよりは多いんだから、これ東がいかに土地が悪いかって話だよね。
本題に戻って…
「なので必要なのは耐塩性作物の導入です」
「耐塩性作物…?」
ここからは専門的な話になるので少々割愛させてもらうが、とりあえずおすすめしたのはトマトと玉ねぎ。これらは塩度の高い土壌で甘みが増す野菜である。ほら、トマトやスイカにお塩ふって食べたりするでしょ?
あとは日本では馴染みの薄いビート。塩対応だと発育が良くなるツンデレな野菜だ。
「またこれらはミネラルを豊富に含む特別な野菜〝ベントレーブランド”として売り出すことも視野に入れています」
「ミネラル…とは何であろうか」
ミネラル、それは体内で合成できない栄養素。カルシウム、鉄分などを中心とした、身体の生理機能をコントロールする、美と健康に欠かせない重要な無機質である。
それをお話しすると、ベントレー伯爵だけでなく二人の殿下も強く関心を示された。
「詳しいのだねオリヴィエは…」
「君はどこかで科学を学んだのだろうか…」
「単純に土は僕の友だちですから。ですがこれらは言うなれば対処療法。抜本的な農業改革として僕は水耕栽培をお勧めします」
「水耕栽培…それは一体…」
水耕栽培、それは土を使わない栽培方法。昨今のイチゴ農園を思い出していただけると分かりやすいだろうか。
「ハウスと水耕栽培。これで湾岸部の冠水や風の影響は最小限になり領の生産性は安定します。尚、将来的に塩害対策、農地拡大を見据え海上農業にまで着手できればいいな…とも考えています」
一見難しそうだが科学の遅れは魔法で補える。それがこの世界の良いところ。知恵と優秀な魔法使いを集めれば不可能じゃないはずだ!
そこまで聞いて椅子から思い切り立ち上がったのはベントレー伯爵。
ガタ「す、素晴らしい!君はなんと博識なのだ…」
…農業限定だけど…ね。
「…この審査の趣旨と外れていたらすみません」
「いや。この審査に決まりはない。これはここまで残った候補者の思考、行動、人格、品位等々を総合的に確認し適正を見極めるためのものだ」
審査の内容はこの際どうでもいいんだけど。王様が僕に興味さえ示してくれれば。
そのために「水耕栽培」とか「海上農業」とか、王様が初めて聞くであろう現代ワードをちりばめたんだから。
さて、プレゼンを終えれば時刻はもうお昼、軽食を済ませた虎千代さまは僕と一緒に除塩作業地へ行くようだ。
カーネル殿下はベネディクト殿下の待つ場へ戻られた。きっと今から僕のプレゼン内容を報告するんだろう。
ベネディクト殿下は興味を持ってくださるだろうか…。まずここを突破しないと王様にはたどり着けない。
「農民と共に土にまみれていると言っていたが…オリヴィエは農作業が好きなのか?」
「大好きです。落ち着きます」
ふかふかの土は僕の心の栄養剤。シンとした山は僕の心の安定剤。なくてはならないものだ。
「そうか…」
「どうかしました?」
「いや」
物憂げな顔。変な虎千代さま。
「おーいオリヴィエさまー!こっちこっちー!」
「あ、ジョンさん」
僕の姿を見つけて大声で呼び寄せる農作業の人たち。
その様子に虎千代さまは呆れている。
「まるで友人かのように…彼らは君の身分を知っているのか?気安いものだ」
「仲良くしてくださってありがたいです」
自領の皆さんともこんな感じだし、僕はこのほうが居心地いいんだよね。
「じゃあ虎千代さまは汚れないようそこで見ててください」
「ああ」
場所を移動しながらの掘り起こし作業。少なくともこの一帯だけは最終日までにすべて済ませるって僕は最初から決めていた。一部そのまま…とか気持ち悪いしね。
残る農耕地はあと少し。
ガッ!
「なんだこりゃぁ!」
「こいつぁ困った!」
そこに湧き上がったざわめき。
「どうしたんですかサムさん、ダグさん」
「この奥に津波で流されてきた石塊が埋まってやがる!」
「えぇー!大きいのですか?」
「まあまあデカい」
重機も無いし困ったなぁ…。放置したら水はけとか根っこの成長とかいろいろ問題出るじゃないか。
「オリヴィエ」
思案する僕にかけられたのは聞き慣れた頼りがいのある声。
「虎千代さま…」
「良ければ私が手を貸そう。それを除ければいいのかい?」
「え?」
風魔法の使い手虎千代さま。彼ならどうという事もなくどかせるだろう。これが通常だったらありがたい申し出なんだけど…
「いけません虎千代さま。これは厳正なる審査。人の目が無いからって手は借りられません」
「だが皆が困るのだろう?それならば」
「いいえ。これは候補者たちがどうするかまで見極める審査です。そのままお見守りください」
今の僕はたとえ王子妃じゃなくともれっきとした審査対象者。えこひいきは許されない。
「皆さん板切れをお持ちください。長い棒でもいいです!力を合わせて掘り出しますよ!」
「ヨイショ!ヨイショ!」
「おお動いたぞ!」
「ウンショ!ウンショ!」
「よしもう少しだ!」
「そーれ!」
ドッスーン!
湧きたつ一同。そうそう。こういうので連帯感って生まれるんだよね~。
気がつけばみんな土だらけで汗だらけ。けど心地よい達成感。
フワ…
「あ…虎千代さま…」
「クリーンだ。この程度であれば審査には関係ないだろう?そのままでは屋敷に戻れまい」
「あ、ありがとうございます」
「君はクリーンが使えないと言っていたからね」
覚えててくださったのか…
「おーいオリヴィエさまー、石灰撒き終わったぜー!」
「早いとこ頼むー!」
「わかりましたー。いきますよー、ウォーター!」
一斉に散布されるウォーター。それをシャワー代わりにしようとみんな集まってくる。その表情には笑顔が溢れてて…
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