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整備への着手
さて、二次関門が終わったところで次に手を付けるのは領内整備だ。
畜魔法石を売って得た資金だが、領の運営資金としては決して潤沢ではない。が、ゲームの初期資金を思えば御の字と言ったところか。なにしろあれは本当のゼロからはじめなければならないのだから。
山野を開拓して家屋を建てるところから始まる『ノベリティ・ロード』。デフォルトで用意されているのはたった五家族の入植者。その入植者とともに家屋をはじめとした衣食住を整え、一定の幸福度レベルに到達すると人口増加枠が開放され新たな入植者を迎えられるというのがゲームの仕組み。
(余談だが、屋敷の規模が上がると所持できる部隊(魔法騎士)の規模も大きくなる。)
つまりランクアップのためには常に示された条件をクリアーしていく必要があるのだ。
ここまでを見た俺の予想では、恐らくこの世界においても領の繁栄には暗黙の条件があるんじゃないだろうか。それを無視しても領の運営は立ちいかない。それが今のスタンホープ子爵領だ。
だがゲームと違いリアルに生きるこの世界で当主たちは皆、手探りで領の運営をしているわけだ。となれば、無自覚に条件をクリアーしてより高みを目指せる者も居れば、途中で足踏みをする者だって当然居る。
俺の知るゲーム内の条件が現実にリンクするものなら…
少なくとも俺には勝利の方程式が分かる。もっともその方程式を解くための知識、必要なパーツがなければ無意味とも言えるが。
なんにせよこの優位性がある限り、〝マップ1・スターリング”の改良は不可能じゃないと考えている。
すでに子爵領として形を成しているこの場合、初期に行うべき行動がすべてスキップできるのは儲けものだ。何しろ初期開拓が一番面倒なのだから。
ゲームの始まりには仮のキャンプを設置して必要なものを作っていかなければならない。
拠点(後の領主館)、五家族分の生活区域(後の村々)、建築資材及び燃料となる木材の伐採場、悪天候や盗人によって資源を台無しにしないためには倉庫だって必要だ。
それらすべてがスルー出来るだけでもどれほど楽か。
都市レベルはキャンプを拠点とする初期をレベル1とし、レベル2へのレベルアップには五つの生活区画を作成するのが必要条件になる。
そして2から3へのレベルアップにはレベル2の生活区画が二つ必要。
3から4にはレベル3の生活区画が二つ…と言った風に都市は発展していく。
それに照らし合わせてみると…
「スターリングは現在レベル1か…。先は長いがやりがいはある」
そんなスターリング領に戻ってこの二~三日。外はあいにくの雨が続いていた。
領内を見てまわることも出来ず、俺とオリーはその日領の今後について、今までのような大枠でなく実用的な仔細を話し合っていた。
「何から手を付けるか…少なくともここには既に200人の領民が居る」
「うん」
「領を繁栄させるにはもっと領民が必要だが、これを増やすには幸福度をあげなきゃならない」
「どうすればいい?」
「衣類や雑貨、食料品の手に入る露天市場と教会は最低限必要だな」
「教会はあるよ。でも市場は無いね」
「ああ。だがそれは後回しにしよう。このゲームは生活区画の充実だけでなく収穫指数も幸福度には大きく関わる。今は農地改良が先だ」
幸福度を競うこのゲームにおいて、幸福レベルが上がれば上がるほど出来ることがどんどん増えていく。幸福度に直結する項目は最優先事項だ。
「お父様は川幅をかなり広げて下さったよ。これから遊水池も増やすって。これで大雨は大丈夫かな?」
「今までよりはな」
おりしも今日は雨。子爵は下働きのサムをお供代わりに引き連れ川の増水具合を確認に出向いている。
オリーの父親だけあってマルチタスクには向かない人だが、やるべきことを絞り明確にしてやりさえすれば十二分に満足な働きを見せる。これは思いがけない収穫だ。
「それよりオリー。前世は農家だろ?お前も農業詳しいの?」
「それほどでも。うちは農家っていっても兼業だったし…」
彼の両親は農業の縮小を考えていたらしい。そのため彼は高校も両親の勧めで普通科に進んだという。彼の親は都会での就職を望んでいたんだろう。もっともオリーの肌には合わなかったようだが。
「手伝い程度のことしか知らないよ、でも普通の子よりは詳しいかな」
「連作障害とか休耕地とか…わかるか?」
「それぐらいはさすがに…」
「なら十分だ」
ゲーム内では適度なエンタメ性を持たせるために、何事も一筋縄ではいかせないための障害がある。
それがこの〝収穫”の場合、天候不順であったり穀倉を狙う盗人であったりするのだが、その最たるものが連作障害による農地の衰弱だ。
ゲーム内でならその対処法はコマンドを選ぶだけでいい。
だがここにコマンドは無い。代わりにオリーが居る。
「この領の不作は連作が原因だ」
「え?」
「対策はしてあるのか?」
「お父様が以前輪作を指示したらしいけど改善してないよ?」
「子爵がか…」
「う、うん。だって当主だし…」
原因は連作障害じゃないのか?…いや。子爵は土地を貸す地主であって農業の知識があるわけじゃない。ましてやオリーの知る現代とこの世界では農業レベルが雲泥の差だ。
「オリー、お前の目でもう一度確認するんだ。農民から直接話を聞いて、そのうえで輪作が駄目なら他の方法は…」
「有機肥料で土を改良したり…天地返しとか、あと接ぎ木苗?」
「さすがだな。じゃあその辺の指導は任せていいか?」
「わ、分かった!任せて」パァァァ
弾けんばかりの輝く笑顔。
「どうした?嬉しそうだな」
「だって僕でも役に立てそうだと思って…なんか嬉しいな…」
可愛い奴。だが聞き捨てならないワードがひとつ。
「僕でもとか言うな」ピシッ
「イタッ!」サスサス「だって本当だもの」
自分を卑下している訳ではなさそうだが…オリーは自分自身の過小評価が過ぎる!
「…お前は何だって出来るやつだよ。知識もある。けどその使いみちを知らないだけだ」
「使い道があるとも思わなかった雑学ばかりだよ」
「俺が教えてやる。これからは何でも言うよにしろよ」
照れくさそうなオリーは聞こえない程ちいさく、過去を振り返り「アンディが上司だったら良かったな…」そう呟いている。
「期待してるオリー。ここはお前の独壇場だろ」
「えへへ、田舎だもんね」
「スローライフには俺より詳しいもんな」
「スロー…、そんなかっこいいものじゃないよ」
治水は子爵に、農地はオリーに、産業を含む領整備は俺が。これで現段階でのすべきことは決められたように思う。
「そうだオリー。雨が上がったら…三次の前に星空を観に行こう」
「行こうね!二人で!」
「王都への道中みたいにテントでも張るか?」
「うん!今度はアンディ。い、一緒に寝ようね」
「ああ。そうしよう」
とりたてて取るものもないスターリングの領内に賊は出ない。二人で雑魚寝、それもまた楽しそうだ。
「オリーはここが好きなんだな」
「大好き」
一瞬の間。
「…ア、アン…が居…から…」
続いた言葉は雨の音に掻き消された。
畜魔法石を売って得た資金だが、領の運営資金としては決して潤沢ではない。が、ゲームの初期資金を思えば御の字と言ったところか。なにしろあれは本当のゼロからはじめなければならないのだから。
山野を開拓して家屋を建てるところから始まる『ノベリティ・ロード』。デフォルトで用意されているのはたった五家族の入植者。その入植者とともに家屋をはじめとした衣食住を整え、一定の幸福度レベルに到達すると人口増加枠が開放され新たな入植者を迎えられるというのがゲームの仕組み。
(余談だが、屋敷の規模が上がると所持できる部隊(魔法騎士)の規模も大きくなる。)
つまりランクアップのためには常に示された条件をクリアーしていく必要があるのだ。
ここまでを見た俺の予想では、恐らくこの世界においても領の繁栄には暗黙の条件があるんじゃないだろうか。それを無視しても領の運営は立ちいかない。それが今のスタンホープ子爵領だ。
だがゲームと違いリアルに生きるこの世界で当主たちは皆、手探りで領の運営をしているわけだ。となれば、無自覚に条件をクリアーしてより高みを目指せる者も居れば、途中で足踏みをする者だって当然居る。
俺の知るゲーム内の条件が現実にリンクするものなら…
少なくとも俺には勝利の方程式が分かる。もっともその方程式を解くための知識、必要なパーツがなければ無意味とも言えるが。
なんにせよこの優位性がある限り、〝マップ1・スターリング”の改良は不可能じゃないと考えている。
すでに子爵領として形を成しているこの場合、初期に行うべき行動がすべてスキップできるのは儲けものだ。何しろ初期開拓が一番面倒なのだから。
ゲームの始まりには仮のキャンプを設置して必要なものを作っていかなければならない。
拠点(後の領主館)、五家族分の生活区域(後の村々)、建築資材及び燃料となる木材の伐採場、悪天候や盗人によって資源を台無しにしないためには倉庫だって必要だ。
それらすべてがスルー出来るだけでもどれほど楽か。
都市レベルはキャンプを拠点とする初期をレベル1とし、レベル2へのレベルアップには五つの生活区画を作成するのが必要条件になる。
そして2から3へのレベルアップにはレベル2の生活区画が二つ必要。
3から4にはレベル3の生活区画が二つ…と言った風に都市は発展していく。
それに照らし合わせてみると…
「スターリングは現在レベル1か…。先は長いがやりがいはある」
そんなスターリング領に戻ってこの二~三日。外はあいにくの雨が続いていた。
領内を見てまわることも出来ず、俺とオリーはその日領の今後について、今までのような大枠でなく実用的な仔細を話し合っていた。
「何から手を付けるか…少なくともここには既に200人の領民が居る」
「うん」
「領を繁栄させるにはもっと領民が必要だが、これを増やすには幸福度をあげなきゃならない」
「どうすればいい?」
「衣類や雑貨、食料品の手に入る露天市場と教会は最低限必要だな」
「教会はあるよ。でも市場は無いね」
「ああ。だがそれは後回しにしよう。このゲームは生活区画の充実だけでなく収穫指数も幸福度には大きく関わる。今は農地改良が先だ」
幸福度を競うこのゲームにおいて、幸福レベルが上がれば上がるほど出来ることがどんどん増えていく。幸福度に直結する項目は最優先事項だ。
「お父様は川幅をかなり広げて下さったよ。これから遊水池も増やすって。これで大雨は大丈夫かな?」
「今までよりはな」
おりしも今日は雨。子爵は下働きのサムをお供代わりに引き連れ川の増水具合を確認に出向いている。
オリーの父親だけあってマルチタスクには向かない人だが、やるべきことを絞り明確にしてやりさえすれば十二分に満足な働きを見せる。これは思いがけない収穫だ。
「それよりオリー。前世は農家だろ?お前も農業詳しいの?」
「それほどでも。うちは農家っていっても兼業だったし…」
彼の両親は農業の縮小を考えていたらしい。そのため彼は高校も両親の勧めで普通科に進んだという。彼の親は都会での就職を望んでいたんだろう。もっともオリーの肌には合わなかったようだが。
「手伝い程度のことしか知らないよ、でも普通の子よりは詳しいかな」
「連作障害とか休耕地とか…わかるか?」
「それぐらいはさすがに…」
「なら十分だ」
ゲーム内では適度なエンタメ性を持たせるために、何事も一筋縄ではいかせないための障害がある。
それがこの〝収穫”の場合、天候不順であったり穀倉を狙う盗人であったりするのだが、その最たるものが連作障害による農地の衰弱だ。
ゲーム内でならその対処法はコマンドを選ぶだけでいい。
だがここにコマンドは無い。代わりにオリーが居る。
「この領の不作は連作が原因だ」
「え?」
「対策はしてあるのか?」
「お父様が以前輪作を指示したらしいけど改善してないよ?」
「子爵がか…」
「う、うん。だって当主だし…」
原因は連作障害じゃないのか?…いや。子爵は土地を貸す地主であって農業の知識があるわけじゃない。ましてやオリーの知る現代とこの世界では農業レベルが雲泥の差だ。
「オリー、お前の目でもう一度確認するんだ。農民から直接話を聞いて、そのうえで輪作が駄目なら他の方法は…」
「有機肥料で土を改良したり…天地返しとか、あと接ぎ木苗?」
「さすがだな。じゃあその辺の指導は任せていいか?」
「わ、分かった!任せて」パァァァ
弾けんばかりの輝く笑顔。
「どうした?嬉しそうだな」
「だって僕でも役に立てそうだと思って…なんか嬉しいな…」
可愛い奴。だが聞き捨てならないワードがひとつ。
「僕でもとか言うな」ピシッ
「イタッ!」サスサス「だって本当だもの」
自分を卑下している訳ではなさそうだが…オリーは自分自身の過小評価が過ぎる!
「…お前は何だって出来るやつだよ。知識もある。けどその使いみちを知らないだけだ」
「使い道があるとも思わなかった雑学ばかりだよ」
「俺が教えてやる。これからは何でも言うよにしろよ」
照れくさそうなオリーは聞こえない程ちいさく、過去を振り返り「アンディが上司だったら良かったな…」そう呟いている。
「期待してるオリー。ここはお前の独壇場だろ」
「えへへ、田舎だもんね」
「スローライフには俺より詳しいもんな」
「スロー…、そんなかっこいいものじゃないよ」
治水は子爵に、農地はオリーに、産業を含む領整備は俺が。これで現段階でのすべきことは決められたように思う。
「そうだオリー。雨が上がったら…三次の前に星空を観に行こう」
「行こうね!二人で!」
「王都への道中みたいにテントでも張るか?」
「うん!今度はアンディ。い、一緒に寝ようね」
「ああ。そうしよう」
とりたてて取るものもないスターリングの領内に賊は出ない。二人で雑魚寝、それもまた楽しそうだ。
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~お知らせ~
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※第5話を少し修正しました。
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