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158 断罪の裏取り
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「ロアン…の呪いを当時王家と社交界は本気で信じてたんですね」
「ですが先ほどの話で当時の王が箝口令、特に次代への口止めを徹底した理由が分かりました」
「…理由?」
今僕とロイドはプリチャードの屋敷へ戻る馬車に同乗している。ブラッドがロイドをお泊りに誘ったからだ。いや、正確には強引に誘わせた…といったほうが良いのか…、とにかく三人で馬車にいた。
それで辺境伯との会話をブラッドに聞かせていたのだが、そこで飛び出したのが冒頭の会話だ。
ロイドが言うには、普通いくら箝口令を敷いたって家族間ではコッソリ語られるものだ。ましてや王家のスキャンダルなら、子孫への忠告等々の意味も含めて残すもの。
それがここまで語り継がれていないのは余程強固な勅命が発布されているためだ。
「この醜聞が次代に漏れればどの世代も優秀な正妃を娶るのが難しくなる。事実回避できなかったケイレブ王太子は思うように正妃を選べなかった。ケイレブ王の正妃様は、人格者だが決して人より秀でていると言う訳ではない、父が以前そう申していました」
よく出来た妃…そういう意味か…
「それはいずれ王家の衰退につながるかもしれない。マーグ王はそうお考えになったのでしょう。だから呪いに乗じて各家門に徹底させた。全て忘れよと…」
「ふー…、乱暴な話ですね」
「マーグ王より以前は国もまだ小さかった。今ほど宮廷に力はなく王の命は絶対だったと歴史書にも記されています」
そういえば国が大きくなって行き届かなくなったから大臣制度が進んだんだっけ。一個思い出した。
「それからもうひとつ」
「なんですか?」
「閣下は二十の侯爵家と言われた。シャノン様もご存じでしょう?このルテティアにおいて侯爵家は過去から今に至るまで十九家で変動していません」
「あ」
「閣下は無意識に己の知る数を口にされたのでしょうね」
これで爵位もハッキリした。王太子妃の候補になるくらいだから高位貴族だとは思ってたけど。
着々と明らかになる過去の影。その影が姿を現す時、そこには何が起こるんだろう…
「最後の問答ですが…」
「あ、うん。なにかこう、引っかかってて…」
「閣下は私たちがこれほど真相に近づいているとは知らず口にされたのでしょうが…シャノン様が以前仰ったこと覚えておいでですか?」
「ん?何のこと?」
「枯れかけた茶色の群生林に赤い光を当て紅葉に見せかけると」
「そーいえば言いましたね」
「私はあの時にもやけに暗示的だと考えていました」
そう言えば「覚えておく」とか何とか言ってたな…
「産婆は暗い部屋で産まれた赤子の赤茶の髪が蝋燭の灯りで真っ赤に見えて陛下の落としだねだと思った」
ん?
「そして陛下はアーロンの髪が篝火の炎で真っ赤に透けるのを見て王家の守り神、神子だと思った」
んん?
「ロアンの令嬢は赤い髪を持つマーグ王太子の婚約者で…そして不貞を働いた相手、子供の父親はマルーンの髪を持っている」
「え、ちょちょ、それってつまり…」
「不貞とは普通夜行うもの。暗い闇…赤い灯…」
「ゆ、歪む真実…」
「想像でしかありませんが」
ロイドはその男がマーグ王太子に成りすましたって言いたいのか!
…そんなことが可能なのか?…わからん!
ああ…こんな時シェイナが居たなら夜通し話せるんだけどな…(で、そのあとナニーに叱られる)
シェイナは元気にしてるだろうか?ジェロームと何してんだろ?会いたいな…二人に。
ちょっと淋しい今日この頃…センチメンタルな気分のまま、僕はその日『神託』の役目を完了した。
さて、翌朝忙しいお父様はすでに領地への帰宅準備を進めている。
僕にとってはここ王都邸がホームだが、実は領地こそが領地貴族の本拠地なのだよ。デカさも広さも倍以上違うらしいし。
「そういえばシャノンや。昨夜カサンドラの従兄と昔話に花を咲かせたのだがね…」
つまりシャノンのおばあさんの兄弟の子か。会ったこと無いけど。
「カサンドラと七つ違いの従兄であるホランド伯はカサンドラが生まれた時の父と叔母の会話をよく覚えておいでだったよ」
えーややこしいけど、自分のお父さんとシャノンのおばあさんの会話ってことだね。
二人はこう話していたそうだ。王妹である彼らの母親は高貴なる王家を取り戻さねばと常々口にし、そのためカサンドラ様の母親に早く子を生すよう急かしていたのだとか。
高貴なる王家…、ならその時王妹エレクトラ様は王家が高貴じゃなくなった、って思ってたってことだよね?
「大おばあさまはお兄さんのマーグ王と仲悪かったんでしょうか?」
「いいや、至って良好だったと聞いている。だが放蕩な兄の行いに王妹たちはそろって苦言を呈していたようだがね」
「放蕩…」
「なにしろ学生時代だけならまだしも、立太子してからも身分を隠し歓楽街に出向いていたぐらいだからね」
「お父様もご存じなんですか?時代が違うでしょう?」
「これも酒の席で語り継がれる武勇伝の一つだよ」
「酒の席…」
男ってやつはこれだから!歓楽街に出没する赤髪って、目立つんじゃないのそれ?
「とにかく王家の品格を取り戻したいと願っていらしたエレクトラ様は、カサンドラの誕生を大層喜ばれたそうだ」
「お兄さんとの約束が叶うからですか?」
「そうだろうな」
「でも結局一代ずれたんですよね?」
「ケイレブ王の意向だそうだ。血の濃さはもちろんだが…謁見に来た入学前のカサンドラを見てケイレブ王はこの子には無理だろうと判断したのだとか。それも付き添いで共に謁見したホランド伯は覚えていたよ」
…確かに…。ローグ王があの程度のやんちゃで済んでいるのはアドリアナ様の強さあってかもしれない。
アドリアナ様は側妃方、あれだけ王が入り浸る第三側妃にでさえ、目障りだとは思ってそうだがあれはヤキモチではない気がする。
王が地方で男の愛人を囲って遊び惚けていることも、まるで〝亭主元気で留守がいい”を地で行くように、給料さえ家計に入れていれば気にしていない。むしろ帰って来なくていい、とさえ思っているフシがある。
もし…もしもだよ?アドリアナ様が婚約者時代に王太子の不実を嘆き悲しみ咎めるタイプだったなら事態はどうなっただろう?もしかしたらそこには新たな断罪が仕組まれたかもしれない…
ってことは…ナイスだケイレブ王!
「だがカサンドラの心情はどうだっただろうね。彼女は生まれた時から母親からも祖母からも王太子妃となることを期待され育ったのだ。さぞ無念だっただろう」
「王妃様は支え励ましてもらった…って言ってましたけど」
「どれ程辛くともそれが出来る人だったのだよ、カサンドラは。アーロンを許したお前と同じだ。だからこそ私はそんな強く優しく美しい彼女に惹かれ、永遠の愛を誓、…ゴホン、さあもう行かねば」
「ごちそうさまです」ホンワカ…
いやー、親の惚気って恥ずかしいけどいいもんだよね。
「ですが先ほどの話で当時の王が箝口令、特に次代への口止めを徹底した理由が分かりました」
「…理由?」
今僕とロイドはプリチャードの屋敷へ戻る馬車に同乗している。ブラッドがロイドをお泊りに誘ったからだ。いや、正確には強引に誘わせた…といったほうが良いのか…、とにかく三人で馬車にいた。
それで辺境伯との会話をブラッドに聞かせていたのだが、そこで飛び出したのが冒頭の会話だ。
ロイドが言うには、普通いくら箝口令を敷いたって家族間ではコッソリ語られるものだ。ましてや王家のスキャンダルなら、子孫への忠告等々の意味も含めて残すもの。
それがここまで語り継がれていないのは余程強固な勅命が発布されているためだ。
「この醜聞が次代に漏れればどの世代も優秀な正妃を娶るのが難しくなる。事実回避できなかったケイレブ王太子は思うように正妃を選べなかった。ケイレブ王の正妃様は、人格者だが決して人より秀でていると言う訳ではない、父が以前そう申していました」
よく出来た妃…そういう意味か…
「それはいずれ王家の衰退につながるかもしれない。マーグ王はそうお考えになったのでしょう。だから呪いに乗じて各家門に徹底させた。全て忘れよと…」
「ふー…、乱暴な話ですね」
「マーグ王より以前は国もまだ小さかった。今ほど宮廷に力はなく王の命は絶対だったと歴史書にも記されています」
そういえば国が大きくなって行き届かなくなったから大臣制度が進んだんだっけ。一個思い出した。
「それからもうひとつ」
「なんですか?」
「閣下は二十の侯爵家と言われた。シャノン様もご存じでしょう?このルテティアにおいて侯爵家は過去から今に至るまで十九家で変動していません」
「あ」
「閣下は無意識に己の知る数を口にされたのでしょうね」
これで爵位もハッキリした。王太子妃の候補になるくらいだから高位貴族だとは思ってたけど。
着々と明らかになる過去の影。その影が姿を現す時、そこには何が起こるんだろう…
「最後の問答ですが…」
「あ、うん。なにかこう、引っかかってて…」
「閣下は私たちがこれほど真相に近づいているとは知らず口にされたのでしょうが…シャノン様が以前仰ったこと覚えておいでですか?」
「ん?何のこと?」
「枯れかけた茶色の群生林に赤い光を当て紅葉に見せかけると」
「そーいえば言いましたね」
「私はあの時にもやけに暗示的だと考えていました」
そう言えば「覚えておく」とか何とか言ってたな…
「産婆は暗い部屋で産まれた赤子の赤茶の髪が蝋燭の灯りで真っ赤に見えて陛下の落としだねだと思った」
ん?
「そして陛下はアーロンの髪が篝火の炎で真っ赤に透けるのを見て王家の守り神、神子だと思った」
んん?
「ロアンの令嬢は赤い髪を持つマーグ王太子の婚約者で…そして不貞を働いた相手、子供の父親はマルーンの髪を持っている」
「え、ちょちょ、それってつまり…」
「不貞とは普通夜行うもの。暗い闇…赤い灯…」
「ゆ、歪む真実…」
「想像でしかありませんが」
ロイドはその男がマーグ王太子に成りすましたって言いたいのか!
…そんなことが可能なのか?…わからん!
ああ…こんな時シェイナが居たなら夜通し話せるんだけどな…(で、そのあとナニーに叱られる)
シェイナは元気にしてるだろうか?ジェロームと何してんだろ?会いたいな…二人に。
ちょっと淋しい今日この頃…センチメンタルな気分のまま、僕はその日『神託』の役目を完了した。
さて、翌朝忙しいお父様はすでに領地への帰宅準備を進めている。
僕にとってはここ王都邸がホームだが、実は領地こそが領地貴族の本拠地なのだよ。デカさも広さも倍以上違うらしいし。
「そういえばシャノンや。昨夜カサンドラの従兄と昔話に花を咲かせたのだがね…」
つまりシャノンのおばあさんの兄弟の子か。会ったこと無いけど。
「カサンドラと七つ違いの従兄であるホランド伯はカサンドラが生まれた時の父と叔母の会話をよく覚えておいでだったよ」
えーややこしいけど、自分のお父さんとシャノンのおばあさんの会話ってことだね。
二人はこう話していたそうだ。王妹である彼らの母親は高貴なる王家を取り戻さねばと常々口にし、そのためカサンドラ様の母親に早く子を生すよう急かしていたのだとか。
高貴なる王家…、ならその時王妹エレクトラ様は王家が高貴じゃなくなった、って思ってたってことだよね?
「大おばあさまはお兄さんのマーグ王と仲悪かったんでしょうか?」
「いいや、至って良好だったと聞いている。だが放蕩な兄の行いに王妹たちはそろって苦言を呈していたようだがね」
「放蕩…」
「なにしろ学生時代だけならまだしも、立太子してからも身分を隠し歓楽街に出向いていたぐらいだからね」
「お父様もご存じなんですか?時代が違うでしょう?」
「これも酒の席で語り継がれる武勇伝の一つだよ」
「酒の席…」
男ってやつはこれだから!歓楽街に出没する赤髪って、目立つんじゃないのそれ?
「とにかく王家の品格を取り戻したいと願っていらしたエレクトラ様は、カサンドラの誕生を大層喜ばれたそうだ」
「お兄さんとの約束が叶うからですか?」
「そうだろうな」
「でも結局一代ずれたんですよね?」
「ケイレブ王の意向だそうだ。血の濃さはもちろんだが…謁見に来た入学前のカサンドラを見てケイレブ王はこの子には無理だろうと判断したのだとか。それも付き添いで共に謁見したホランド伯は覚えていたよ」
…確かに…。ローグ王があの程度のやんちゃで済んでいるのはアドリアナ様の強さあってかもしれない。
アドリアナ様は側妃方、あれだけ王が入り浸る第三側妃にでさえ、目障りだとは思ってそうだがあれはヤキモチではない気がする。
王が地方で男の愛人を囲って遊び惚けていることも、まるで〝亭主元気で留守がいい”を地で行くように、給料さえ家計に入れていれば気にしていない。むしろ帰って来なくていい、とさえ思っているフシがある。
もし…もしもだよ?アドリアナ様が婚約者時代に王太子の不実を嘆き悲しみ咎めるタイプだったなら事態はどうなっただろう?もしかしたらそこには新たな断罪が仕組まれたかもしれない…
ってことは…ナイスだケイレブ王!
「だがカサンドラの心情はどうだっただろうね。彼女は生まれた時から母親からも祖母からも王太子妃となることを期待され育ったのだ。さぞ無念だっただろう」
「王妃様は支え励ましてもらった…って言ってましたけど」
「どれ程辛くともそれが出来る人だったのだよ、カサンドラは。アーロンを許したお前と同じだ。だからこそ私はそんな強く優しく美しい彼女に惹かれ、永遠の愛を誓、…ゴホン、さあもう行かねば」
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