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卒業後
175 お礼参り
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「こっちこっち、僕がシュー様に会ったのこっちだよ」
「ああ、君がプランクモンキーに身ぐるみはがされた場所だね」
「ムカッ!身ぐるみなんか剥がされてない!おやつを全部奪われただけで、」
僕をベレンまで運んでくれたシュー様。
そのお礼参りに僕はレグを連れて学院にある演習の森へとやって来た。お礼参りと言っても怖い意味じゃないよ。本物ね。
あの時プランクモンキーに連れてこられた森の奥。
そこは改めて見ると、あのゾンビウルフの封じられた祠の近く。
だけどここにはもうヤバイ封印の祠はない。放たれたゾンビウルフはあの時アリエスが全て浄化させたから。
そうして去年の演習の後、僕がシュー様に出会ったことを知った学院長は、ここにずいぶん立派なシュー様の鳥箱、間違えた、新しい祠を設置した。
翼をもつシュー様はいつもここに居る訳じゃないけど、時にはその羽を休められるように…って。
「今日はたくさんおやつもってきたの。マジックバックってホントに便利だよね」
「ふふ、今もお菓子作りは趣味なのかい?」
「うん。今はご飯も作るんだよ。薬膳のお店に向けて特訓しなくちゃ」
「医食同源…か。素敵なお店が開けると良いね。下町に出すんだろう?じゃぁジローにも頑張ってもらって、商業ギルドの技術特許制度を改善してもらわなくてはね。」
「そうなの。 プレッチェルのお店出してもらわなくちゃ」
レグは僕がジローを好きだったこと、ちっとも気にしてないみたいだ。
それがなんだか不満で、「妬いたりしないの?」って、少しぶーたれて聞いてみたら、「勝者は妬いたりしないんだ」って。
でもその後、「今の君があるのは彼のおかげでもあるんだろう?妬かない訳では無いが、感謝のほうが勝っているよ」いつもの笑顔でそう言った。
「テオ、気を付けて。ほら、そんな藪に顔を突き入れるから草と土で汚れてしまったよ。」
「レグこそ大丈夫?僕は全然平気だよ。ぼく森の湿った草木の匂いって大好き。土の匂いも。どくだみの匂いだってルトガー君は臭い臭いっていうけど嫌いじゃない。だけどお日様の匂いも好き。バスティト様のモフモフは、いつだってお日様の匂いがするの。きっと誰もいないところで日向ぼっこしてるんだよ」
「テオは本当に草木と動物が好きなんだね。自然を愛するテオだから神獣の加護を得られるのかな?」
心の中でそっと思う。自然が大好きだったのは…前世の家族みんなだって。
一緒に住んでたおばあちゃんは園芸に熱心で庭でいろんな花やハーブを育ててた。
お父さんはアウトドアが大好きで、休みのたびに山や川でキャンプしたり、他にもいろんなとこ連れて行ってくれた。
田舎のほうのおじいちゃんとおばあちゃんは畑でいろんな物作ってて、いつも水やりや収穫手伝わせてくれた。
ついでにお母さんはお菓子作りが大好きで、いつもいろんな物作ってくれたし、変わったお料理にもいつもチャレンジして時々失敗してた。
それから僕に〝みら学”を教えてくれたお姉ちゃんの思い出は、スチルと同じ場面を見るたびいつだって簡単に思い出せた。
僕には前世の楽しい思い出がいっぱいあったから、だからここでだって楽しかったよ。
「どうしたの?テオ。」
「ううん。今度はレグとおじいちゃんになるまで一緒に居たいなって思って…」
「ふふ、私もだ。」
木々を掻き分け森の奥へと進んでいく。夏は雑草なんかも成長が早くてどこが道だか分からない。
そして木立の間から開けた場所に出ると、そこは、動物の森。小型で危険の少ない魔獣がいっぱい。
「危害を加えてこない小型魔獣とは言え、…いつの間にこれほど増えたんだい?私の在学中これほどは…」
「えと、多分僕が時々餌やりしてたから。」
「テオ…、撒き餌をしちゃいけないと言われなかったかい?」
「あっ、あっ、シュー様居る?おサルさん、シュー様どこかな?お昼間はいないかな?」
バサリ…
金の羽毛のシュー様が姿を現してくれた。今日は普通のハヤブササイズ。これはこれで超カッコいい。
「シュー様!あれ?ワンちゃん!あの時のワンちゃんだ!遊びに来てくれたの?えぇー、よく来たね。おいでワンちゃん。今日はたくさん良いもの持ってるんだよ。ワンちゃんもおいでおいで」
「ワンちゃん…?」
「ほら、ジャーキーとにんじんクッキーだよ。あっ!バスティト様の鶏肉のチ〇ールもちょっとだけ…。美味しいよ。」
「ねぇテオ、その…」
「わっ、舐めないで、ちょ、待って、待って、うぶぶぶ…」
「テオ…君こそ待って」
「ステイ!ステイだよラブちゃん。シュー様と仲良く食べるんだよ。ラブちゃんも覚えてるでしょ?この間も一緒にジャーキー食べたもんね」
「参ったな…。テオ、彼はわんちゃん、犬ではないよ。旅の守り神、アヌブス様だ。」
「え…、え、えぇー⁉アヌブス様⁉うそぉ!」
「本当だ。そうか、テオの空旅、シュー様だけでなくアヌブス様にも守られていたんだね。」
「ワンちゃん…僕を守ってくれてたの?ありがとう…、すごく嬉しい…」
ワシワシワシワシッ
ベロンベロンベロン…
「全く…、妬けてしまうな。だが…、神獣アヌブス、神獣シュー。私のテオを守ってくれたこと心から感謝する。そして私の元へ運んでくれたこと決して忘れない。感謝の証として、この青い空、緑の木々を私の命ある限り守り続けるとここに誓おう。」
「じゃぁ僕も。いつでも美味しいご飯運んでくるって誓うからね。守ってくれてありがとう。ホントにありがとうございました。」
シュー様はそのくちばしでアヌブス様を毛づくろいしてる。仲良しなんだな。僕とアリエスみたい。
二人にもう一度お礼をして僕とレグはその場をそぉっと立ち去ることにした。
演習の森の帰り道。草を踏む音以外物音ひとつしない。季節は夏だけど…ここは木陰になってとても涼しい。
夏休みだから周りには誰も居なくて…、僕とレグルス、二人きり。
手を繋いで歩くその林道は、ゲームのどのルートにも出てこなかったスチルに無い場所。僕とレグルス、二人で作る新たな思い出。
「昨日のバスティト様、完全にレグの事スルーしてたね。」
「愛し子に無茶をさせた張本人だからね、私は。そのうえ君をベレンに1か月も引き留めて、嫌われてしまったかな」
「困ったバスティト様。でもシャーもしなかったし、アリエスが見た目ほど怒ってないって言ってたよ。レグはネコ科だし大目に見てくれたって。僕はハンモックと蹴りぐるみ要求されたけどね…」
目を細めてレグが笑う。いつもの…、見慣れた笑顔。でも今は、その笑顔に隠された人間臭いレグを僕は知ってる。
「…、レグ、腕組んでい~い?」
「えっ?あ、ああ。もちろんいいとも」
そっと腕をかけてみたけど、なんだか物足りなくって…もう、腕を組むって言うより腕にしがみつくみたいにぎゅぅってしてもレグは嫌がらずに笑ってくれる。
「君の言う〝ときめき”、ベレンで君と別れたとき、どういう意味かやっと分かったよ。」
「やっと分かった?」
「ああ。あの時間違いなく、私は君にときめいた。」
「ねぇ、僕がいなくなったらどうする?」
「考えるだけで胸が締め付けられる。生きていける気がしないよ」
前は「悲しみはいつか癒える」とか言ってたのに…。
僕を失ってレグが泣くのは嫌だけど、でも、生きていける気がしないだなんて…嬉しい…
「ねぇテオ、もうあれはしてくれないの?」
「…あれって?」
近づく顔は、僕の唇に触れて、そして離れていく。
もしかして次は僕からしろって言ってるの?もうっ!あの時とは状況が違うでしょ!
…でも、こんな風に見つめられたらイヤだなんて言えないよね。
「レグ…、届かないよ…」
ちょっとだけしゃがんだレグは、それでも背伸びしないと届かなかった…
「ああ、君がプランクモンキーに身ぐるみはがされた場所だね」
「ムカッ!身ぐるみなんか剥がされてない!おやつを全部奪われただけで、」
僕をベレンまで運んでくれたシュー様。
そのお礼参りに僕はレグを連れて学院にある演習の森へとやって来た。お礼参りと言っても怖い意味じゃないよ。本物ね。
あの時プランクモンキーに連れてこられた森の奥。
そこは改めて見ると、あのゾンビウルフの封じられた祠の近く。
だけどここにはもうヤバイ封印の祠はない。放たれたゾンビウルフはあの時アリエスが全て浄化させたから。
そうして去年の演習の後、僕がシュー様に出会ったことを知った学院長は、ここにずいぶん立派なシュー様の鳥箱、間違えた、新しい祠を設置した。
翼をもつシュー様はいつもここに居る訳じゃないけど、時にはその羽を休められるように…って。
「今日はたくさんおやつもってきたの。マジックバックってホントに便利だよね」
「ふふ、今もお菓子作りは趣味なのかい?」
「うん。今はご飯も作るんだよ。薬膳のお店に向けて特訓しなくちゃ」
「医食同源…か。素敵なお店が開けると良いね。下町に出すんだろう?じゃぁジローにも頑張ってもらって、商業ギルドの技術特許制度を改善してもらわなくてはね。」
「そうなの。 プレッチェルのお店出してもらわなくちゃ」
レグは僕がジローを好きだったこと、ちっとも気にしてないみたいだ。
それがなんだか不満で、「妬いたりしないの?」って、少しぶーたれて聞いてみたら、「勝者は妬いたりしないんだ」って。
でもその後、「今の君があるのは彼のおかげでもあるんだろう?妬かない訳では無いが、感謝のほうが勝っているよ」いつもの笑顔でそう言った。
「テオ、気を付けて。ほら、そんな藪に顔を突き入れるから草と土で汚れてしまったよ。」
「レグこそ大丈夫?僕は全然平気だよ。ぼく森の湿った草木の匂いって大好き。土の匂いも。どくだみの匂いだってルトガー君は臭い臭いっていうけど嫌いじゃない。だけどお日様の匂いも好き。バスティト様のモフモフは、いつだってお日様の匂いがするの。きっと誰もいないところで日向ぼっこしてるんだよ」
「テオは本当に草木と動物が好きなんだね。自然を愛するテオだから神獣の加護を得られるのかな?」
心の中でそっと思う。自然が大好きだったのは…前世の家族みんなだって。
一緒に住んでたおばあちゃんは園芸に熱心で庭でいろんな花やハーブを育ててた。
お父さんはアウトドアが大好きで、休みのたびに山や川でキャンプしたり、他にもいろんなとこ連れて行ってくれた。
田舎のほうのおじいちゃんとおばあちゃんは畑でいろんな物作ってて、いつも水やりや収穫手伝わせてくれた。
ついでにお母さんはお菓子作りが大好きで、いつもいろんな物作ってくれたし、変わったお料理にもいつもチャレンジして時々失敗してた。
それから僕に〝みら学”を教えてくれたお姉ちゃんの思い出は、スチルと同じ場面を見るたびいつだって簡単に思い出せた。
僕には前世の楽しい思い出がいっぱいあったから、だからここでだって楽しかったよ。
「どうしたの?テオ。」
「ううん。今度はレグとおじいちゃんになるまで一緒に居たいなって思って…」
「ふふ、私もだ。」
木々を掻き分け森の奥へと進んでいく。夏は雑草なんかも成長が早くてどこが道だか分からない。
そして木立の間から開けた場所に出ると、そこは、動物の森。小型で危険の少ない魔獣がいっぱい。
「危害を加えてこない小型魔獣とは言え、…いつの間にこれほど増えたんだい?私の在学中これほどは…」
「えと、多分僕が時々餌やりしてたから。」
「テオ…、撒き餌をしちゃいけないと言われなかったかい?」
「あっ、あっ、シュー様居る?おサルさん、シュー様どこかな?お昼間はいないかな?」
バサリ…
金の羽毛のシュー様が姿を現してくれた。今日は普通のハヤブササイズ。これはこれで超カッコいい。
「シュー様!あれ?ワンちゃん!あの時のワンちゃんだ!遊びに来てくれたの?えぇー、よく来たね。おいでワンちゃん。今日はたくさん良いもの持ってるんだよ。ワンちゃんもおいでおいで」
「ワンちゃん…?」
「ほら、ジャーキーとにんじんクッキーだよ。あっ!バスティト様の鶏肉のチ〇ールもちょっとだけ…。美味しいよ。」
「ねぇテオ、その…」
「わっ、舐めないで、ちょ、待って、待って、うぶぶぶ…」
「テオ…君こそ待って」
「ステイ!ステイだよラブちゃん。シュー様と仲良く食べるんだよ。ラブちゃんも覚えてるでしょ?この間も一緒にジャーキー食べたもんね」
「参ったな…。テオ、彼はわんちゃん、犬ではないよ。旅の守り神、アヌブス様だ。」
「え…、え、えぇー⁉アヌブス様⁉うそぉ!」
「本当だ。そうか、テオの空旅、シュー様だけでなくアヌブス様にも守られていたんだね。」
「ワンちゃん…僕を守ってくれてたの?ありがとう…、すごく嬉しい…」
ワシワシワシワシッ
ベロンベロンベロン…
「全く…、妬けてしまうな。だが…、神獣アヌブス、神獣シュー。私のテオを守ってくれたこと心から感謝する。そして私の元へ運んでくれたこと決して忘れない。感謝の証として、この青い空、緑の木々を私の命ある限り守り続けるとここに誓おう。」
「じゃぁ僕も。いつでも美味しいご飯運んでくるって誓うからね。守ってくれてありがとう。ホントにありがとうございました。」
シュー様はそのくちばしでアヌブス様を毛づくろいしてる。仲良しなんだな。僕とアリエスみたい。
二人にもう一度お礼をして僕とレグはその場をそぉっと立ち去ることにした。
演習の森の帰り道。草を踏む音以外物音ひとつしない。季節は夏だけど…ここは木陰になってとても涼しい。
夏休みだから周りには誰も居なくて…、僕とレグルス、二人きり。
手を繋いで歩くその林道は、ゲームのどのルートにも出てこなかったスチルに無い場所。僕とレグルス、二人で作る新たな思い出。
「昨日のバスティト様、完全にレグの事スルーしてたね。」
「愛し子に無茶をさせた張本人だからね、私は。そのうえ君をベレンに1か月も引き留めて、嫌われてしまったかな」
「困ったバスティト様。でもシャーもしなかったし、アリエスが見た目ほど怒ってないって言ってたよ。レグはネコ科だし大目に見てくれたって。僕はハンモックと蹴りぐるみ要求されたけどね…」
目を細めてレグが笑う。いつもの…、見慣れた笑顔。でも今は、その笑顔に隠された人間臭いレグを僕は知ってる。
「…、レグ、腕組んでい~い?」
「えっ?あ、ああ。もちろんいいとも」
そっと腕をかけてみたけど、なんだか物足りなくって…もう、腕を組むって言うより腕にしがみつくみたいにぎゅぅってしてもレグは嫌がらずに笑ってくれる。
「君の言う〝ときめき”、ベレンで君と別れたとき、どういう意味かやっと分かったよ。」
「やっと分かった?」
「ああ。あの時間違いなく、私は君にときめいた。」
「ねぇ、僕がいなくなったらどうする?」
「考えるだけで胸が締め付けられる。生きていける気がしないよ」
前は「悲しみはいつか癒える」とか言ってたのに…。
僕を失ってレグが泣くのは嫌だけど、でも、生きていける気がしないだなんて…嬉しい…
「ねぇテオ、もうあれはしてくれないの?」
「…あれって?」
近づく顔は、僕の唇に触れて、そして離れていく。
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