イケメン大好きドルオタは異世界でも推し活する

kozzy

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新たな家族編

アデルの望み

ついに、ついに、ついにグラナダ様からアベニアと二人でカマーフィールド行きの許可がおりたよ!

ずっとずっと行きたかったカマーフィールド。何故かすごくグラナダ様が渋るので2年近くも行けなかった。

長距離転移魔法陣の複製に成功したのでカマーフィールドに設置に行くんだよ。
とりあえず、ここと、カマーフィールドと王宮は行き来できるように設置するんだって。
そうしたらもういつでもみんなに会える。グラナダ様も政務のお手伝いがし易くなる。お父様が少し楽になるかな?

とんでもなく手間とお金と魔力がかかるのでまだ2セットしか出来てないけどグラナダ様は他領よりもカマーフィールドを優先してくれた。優しい。大好き♡


アベニアは6か月になり少し体がしっかりしてきた。あんまりグラグラしなくなってお座りできるようになってる。

どうしてもお母様とお兄様にもアベニアを会わせたかったから、帰りは王都にも寄りたいってわがまま言っちゃった。
何故ならひと月以上遅れていたお兄様のご出産がそろそろみたいだから。

心労が多い王宮での妊娠…お兄様は生誕珠に魔力が行き渡らなくて成長不良になっちゃってたみたい。
でもようやくその時が…。
すごくすごく楽しみ!

出産を見届けたら王都に設置した転移陣の試運転も兼ねて一瞬で戻ってくるよ。だから、旅行気分は行き道だけなんだ。

アベニアの為に雇った乳母はバーガンディの先住民。だからグラナダ様の信奉者。なーんにも心配いらないよ。
そうだ!小間使い代わりにラフが付いてくることになったよ。アベニアの従者としての意識を持たせるんだって。
道中もジョッシュさんから稽古つけてもらうんだって言ってたけど本人はとても嬉しそう。
やりたいことがやれるってステキだよね。


今回はカマーフィールドへ向かうから、王都へ行った時とは反対方向の街道をすすむ。

「そっか、ここに来た時通った道なんだ…」

あの時の自分を思い出す…まだなんにも解らなくて…不安で…怖くて…寂しくて……

「どうしましたかアデルさま?」
「ラフ…ううん、何でもないよ」

過去は振り返らない…それが僕の良いとこなんだから。
けど妙にあの時のこと思い出しちゃうのは…あの時の景色を見ているせいなのかも?

お店もない田舎道。だから昼食は大自然の中で。
でもここへ来る時とは違って食事はシェフが持たせてくれたマフィン。とても美味しい。

カサリ…

「あ…持ってきちゃった」

マフィンをかじりながら布紙を眺める。

…膨大な魔力…四属性の魔力…水面を全反射させ全身を魔力に変換し元素化されたものを取り込み時空間へ流す…

魔力に変換とか元素化とかもうすごすぎて何が何だか…僕は…僕は…文系だから。



「アデル様、ポロポロこぼしてますよ。ラフの前で恥ずかしい」
「う、うるさいな…」

今日も元気にマカフィーさんは僕の扱いがぞんざいだ。

気がつけばマカフィーさんとジョッシュさん、ラフの三人は湖に石投げして遊んでる。
だから僕も石をおはじきにして遊んでいた。気分転換って大事。
そのときふと古紙が目に入り、なんとなくおはじきにしてた平たい小石に、一文字づつ書き入れてみた。

秘湯に血が足りない…

うーん…秘湯にこだわるからいけないのか?火と雨とか?非と有?血…知…地…うーん…

「アデルさま。それ何ですか?ぼくもやってみたいです」
「いいよ。ラフ、僕アビーにミルクあげてくるから少し遊んでてね」




「ラフ~。アビーが遊んでほしそうだよ~」
「はい、ぼくがんばります」

従者修行の一環で、ラフにはアベニアのたわいもない御用を何かといい付けることになっている。かわいいな、やる気満々で。

そうしてさっきまでラフが遊んでいたおはじきに目をやった僕は、驚きに目を見開く。

…あ…頭をげんこつで殴られた気分…


〝ちが う ひ とに な りた い”



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