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11羽 解毒薬と放たれた火
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村長は息を切らしながら、リーネにローデリス卿との通話の内容について説明をするのだった。
「・・・それで、君が夫人の毒殺を企てたとお怒りのローデリス卿が、私兵を連れて今こちらに向かっているそうだ・・・!
ローデリス邸からだと馬で丸一日あればついてしまう・・・。」
リーネはとても信じられないといった様子で青ざめ、首を左右に振った。
「嘘・・・私、納品前に自分で試したわ!
そのときは何ともなかったのに・・・
どうして・・・!?」
ショックのあまり倒れそうになるリーネをライキが支えた。
「リーネ・・・・・!」
ライキはそんなリーネを見ているだけで辛くなり、眉に深く皺を寄せるとぎゅっと彼女を支える手に力を込めた。
「もちろん君はそんなことをする子じゃ無いとわしは信じておる。
だから何かの手違いか、別の要因じゃないかと思って、君はライキとつがいだから、教会ならそれを証明してくれるのでは?と提案したが、ローデリス卿は女神フェリシア様を信仰していないからと聞く耳を持ってくれなかったよ・・・。」
「・・・・・。」
二人はそれを聞いて黙って俯いた。
「・・・早く逃げたほうがいい!
兵がこの村に着くまでにそう時間がない・・・!
これを持って、早く・・・!
出来るだけ遠くへ逃げるんだよ・・・!!」
村長はそう言って紙幣の入った封筒をリーネに持たせた。
ライキも村長の言うように、リーネを連れて遠くに逃げることを考えていた。
しかし、リーネは首を横に振ってその封筒を村長に返した。
「・・・私、逃げるわけにはいかないわ・・・!」
震えながらもしっかりとした口調でリーネが言った。
「「リーネ!」」
ライキと村長は驚き同時に声を上げた。
「夫人はまだ生きているんだもの・・・何とかして助けないと・・・解毒薬を作れれば・・・でも、それには毒の特定が出来ないと・・・・・。」
リーネはブツブツと呟くように思考を口にした。
「毒の特定か・・・。」
ライキはヨハナがリーネの家から走り去って行った時のことを思い出す。
「・・・薬が出来た朝、薬屋から立ち去るヨハナを見かけた・・・。
何か知っているかもしれない。」
「そんな!
いくら私を恨んでいても、そこまでする子じゃ・・・!」
リーネが声を荒らげた。
「違ったら謝ればいい。
村長さん、ヨハナをここに連れてきて貰えますか?」
「よし、わかった!
だが、今から解毒薬を作っても村からローデリス邸に到着するまでに丸一日かかってしまうぞ?
それまで夫人が持つかどうか・・・。」
「それは・・・大丈夫だよね?」
とライキを見るリーネ。
「うん。」
ライキは力強く頷いた。
ライキはローデリス卿の邸宅が、父や兄と共に何度か行ったことのあるフランの町の近くから見えることを思い返した。
(フランまで飛んで後は走ればいい。)
「??」
村長はライキの自信のある様子を不思議に思い首を傾げていたが、今はそれよりも行動すべきと思い直したのか、眉をキリッと上げると言った。
「よし、ともかくわしはヨハナを連れてくるからの!
待っていろ!!」
村長はまた息を切らして丘を下って行った。
その場に残されたライキとリーネは抱き合ったまま沈黙していたが、やがてリーネが顔を上げ、涙で瞳を滲ませると震える声で言った。
「どうしよう・・・ライキ・・・。
もし毒が特定出来ても、おばあちゃんのレシピにもない解毒薬を、私に作れるかわからない・・・。
作れても間に合うかどうか・・・怖いよ・・・凄く怖いよ・・・。」
「リーネ・・・!」
ライキはリーネをぎゅっと強く抱きしめてからその顔を真っ直ぐに見つめ、言った。
「・・・大丈夫だよ。
リーネは凄腕の薬師だったばあちゃんが、知っていることの全てを叩き込んで、そこに更に努力を重ねてきた凄い薬師なんだから。
だから大丈夫。」
「・・・うん。
ライキ・・・私、やれるだけのことをやってみる。
・・・今日は・・・ずっと側に・・・いて・・・?」
「もちろん。
でも今日だけじゃないだろ?
解毒薬が出来たら一緒にローデリス邸に飛ぶんだし、それにはリーネの協力が必要だしな?」
意味深にニッと笑うライキ。
「ライキのエッチ・・・。」
リーネは頬を染めてはにかみながらそう答えた。
「・・・ずっと側にいる。
俺に手伝えることは精一杯手伝うから。」
「うん、ありがとう・・・!」
「うん・・・!」
カランカラン─
そこへルウナとユデイがやってきた。
「さっき村長さんと会って事情を聞いて飛んで来たの!
リーネ!!」
ルウナがリーネに駆け寄り、抱きしめる。
「親友のつがいのピンチだもんな!
手伝える事があったら何でも言ってくれ!」
「ルウナ、ユデイ、ありがとう・・・!」
リーネの表情が軽くなる。
そこへ村長に連れられてヨハナがやってきた。
ヨハナは酷く青ざめて震えていた。
「・・・ヨハナ、何故ここに呼ばれたかわかるか?」
とライキが言った。
「・・・う、ううん・・・!」
懸命に首を横に振るヨハナ。
「・・・俺、見てたんだ。
薬ができた日の朝、ヨハナがここから走り去っていく所を。
何か知っているよな?」
「・・・!」
自分の問いかけに対して更にヨハナが青ざめたのを見て、”彼女がやった”とハッキリと確信したライキは、カッと頭に血がのぼり、バンッ!!と激しく目の前のテーブルを叩いた。
「知っていることを全部話せ!!
何故リーネを追い詰めるようなことをした!?」
ヨハナは怯えたようにビクッと身を震わせ涙を滲ませた。
「ライキ!
・・・この子、ライキのことを好きなんだよ?
好きな人にそんな態度をされたら・・・・・いたたまれないよ・・・。」
と、悲しそうに目を伏せるリーネ。
「でもリーネ!」
「ライキ、話せる話も話せなくなってしまうわ。
・・・気持ちはわかるけど、お願い・・・堪えて。」
ルウナがそう言いヨハナに寄り添った。
「・・・私たちが話してみる。」
リーネがルウナと頷き合い、ヨハナに椅子を勧め、自分達も座った。
「ここに来てくれたっていうことは、あなたは今私に起こっていることが気になったからよね?
それについてはお礼を言うわ。
・・・ありがとう。」
とリーネが切り出した。
「・・・ローデリス夫人の薬に毒を入れたのは貴女なの?」
とルウナ。
「・・・ち、違うの!
人を殺せる毒だなんて知らなかったの!
私はただ、あのババア醜くなってしまえばいいと思ったから・・・。」
(誰かさんと同じこと言ってる・・・。)
とリーネはマールの顔を思い浮かべた。
「何故?」
「・・・私の両親は祝福を受けていないの。
うちのお父さんはかっこいいからモテるけど、今まで浮気もなかったし、夫婦仲も良かったのに。
なのに、あの女がうちに泊まりに来ているときにお父さんを誘惑して・・・。
お父さん、お母さんを裏切ることをしたの・・・!
それでお母さんが傷ついて、私の家庭は今滅茶苦茶なの!
それもこれも全部あのババアのせいだって思っていたら・・・。
頭の中に、
”いい方法がある。
あるキノコの毒を使えばいい。”
って男の人の声が聞こえて・・・。」
「「・・・男の人の声?」」
リーネとルウナが同時に聞き返した。
「信じてもらえるかわからないけど・・・・・知らない男の人の声だったわ・・・。
”そのキノコを口にすれば、肌がただれ、どんな美女だろうと醜くなってしまう。
何、死ぬことはない。
ただ醜くなってしまうだけの毒だ。”
・・・って。」
「最初は、何て恐ろしい事を言っているんだろうって思ったわ・・・。
でも、その声を聴いているうちになんだか不思議な気分になって、その毒を使えばあの女に復讐が出来て、お母さんから離れてしまったお父さんの愛情を取り戻せるんじゃないかと思って・・・。
でも私がやったってバレたら怖いから出来ないって首を振ったらその声が、
”その夫人、丘の薬屋に美容薬を依頼していたぞ?
その薬にこっそり混ぜてしまえば誰もお前がやったと気が付かない。”
って・・・。
そして、
”薬屋の娘、お前の好きな男を奪ったんだろう?
そう・・・お前は少なからず憎く思っている筈・・・。
薬師として悪評が広まればその娘を村から追い出すことができる。
そうすれば、お前にチャンスが巡ってくるかもしれないぞ?”
って囁かれたわ・・・。
私・・・そう言われて、ライキはもうリーネ以外の人とつがいにはなれないけれど、それでも・・・つがいじゃなくても、もしかしたらリーネがいなくなりさえすれば、私・・・いつかライキと恋人にはなれるんじゃないかって・・・思って・・・しまって・・・・・。
それで、貴女が薬から目を離した隙にキノコを煎じたものを入れたの・・・。
でもまさかこんな人を殺せる毒だったなんて・・・!」
「・・・ヨハナ、貴女はその声に唆されて、人を殺せる毒だと知らずにやったというのね?」
とリーネ。
「・・・そうよ・・・。
リーネが薬師としての信頼を失くしてこの村を出ていけばいいって思ったのは認める・・・。
でも人殺しの罪を着せるつもりまではなかったわ・・・!
お願い・・・信じて・・・!!」
リーネは少しため息をついてから言った。
「その頭の中で聞こえた声についての貴女の話を信じるかは置いておいて・・・。
貴女の家庭に複雑な事情があったことには同情する。
でも、私に罪を着せようとしたことはやっぱり・・・許せない・・・。」
リーネは眉を顰めて俯いた。
「リーネ・・・。」
リーネを心配そうに見るルウナ。
「・・・ヨハナ。
自分の罪から目を背けたくて、
"頭の中で声がした"
って嘘をついている・・・なんてことはない?」
とルウナ。
「私の知らない毒キノコのことを知っていたのよ!
嘘じゃないわ!!」
「・・・今の話、ローデリス卿に説明できるか?」
ライキがヨハナに訊いた。
「!!」
ヨハナはハッとして更に青ざめると首を横に振った。
「ご、ごめんなさいそれは・・・。
リーネに酷い罪を着せておいて、こんなこと言うのは間違っているけれど・・・。
領主様だなんて、そんな権力のある人を怒らせたなら、うちの宿屋は終わりだわ!
もうこの村にもいられなくなる・・・。
私のせいで、両親にも迷惑がかかるわ・・・!
ごめんなさい・・・それは・・・それは・・・出来ない・・・!!」
両手で顔を覆い泣き崩れるヨハナ。
ライキはそんなヨハナに対して強い怒りが沸き上がり、相手が女の子であっても構わずに殴ろうと拳に力を込めた。
だが、先にユデイがヨハナの胸ぐらを掴んでいたため、衝動を抑えられた。
「は!?
出来ないってか!?
泣いて謝って済むわけないだろ!!
じゃあリーネはどうなるんだよ!?」
それをルウナが制する。
「ユデイ、やめてあげて。」
「・・・けどさ・・・。」
仕方なしにヨハナを開放するユデイ。
ライキはユデイのお陰で少し落ち着きを取り戻し、深呼吸をすると、再び口を開いた。
「ヨハナが言わないのなら俺がお前のしたことをローデリス卿に話す。
そしたらそっちにも兵が行くぞ?
どのみちただでは済まなくなる。」
「!そ、それは!!」
ライキがヨハナを脅すように鋭く睨みつけながら一歩踏み寄ると、リーネがヨハナを庇うように立ち、ライキを制するように首を横に振った。
そして静かに口を開いた。
「・・・わかった。
ローデリス卿には何も言わないでいてあげる。」
「「「リーネ!!」」」
ライキ、ルウナ、ユデイが同時に声を上げた。
「・・・大丈夫よ。
解毒薬を間に合わせればいい。
そしたら誰も人殺しにはならないでしょ?
だから、ヨハナも協力してね?」
と吹っ切れたように言った。
「リーネ・・・!
ありがとう・・・!!」
ヨハナは泣きながらリーネの胸に飛び込んだ。
ライキもルウナもユデイも、リーネがそう言うのならと、もうそれ以上何も言えなくなってしまった。
「まずは何のキノコをどう煎じて、どれだけの分量をどっちの薬に混ぜたのか、詳しく教えてくれる?」
リーネはヨハナに植物図鑑を渡してその茸を探すよう頼むと、解毒薬を作るのに参考になりそうな書物を探すため書斎に入った。
ライキは険しい顔のままリーネの側に来ると言った。
「・・・リーネ、わかっているのか?
夫人が助かってもあのローデリス卿が殺人の疑いのあるリーネをただ帰してくれるかわからないんだぞ?
ここで薬師をやっていけなくなるかもしれないのに。
俺はリーネを守りたいんだよ!
・・・だから、ヨハナを脅してでもローデリス卿に白状させるべきだと思った。
なのにそれを許すだなんて・・・。」
ライキは眉間に深く皺を寄せ、深くため息をついた。
「誰も許すだなんて言ってないわよ?」
リーネはケロっとした顔で返し、続けた。
「でも力で脅したら、きっと毒のことを聞き出せなくなるわ。
まずは解毒薬を作ることが優先よ。
その後・・・白状させる薬でも作ればいいんじゃない?」
と、いつぞや見た黒ーい笑顔で笑うのだった。
ライキは(ブラックリーネ降臨・・・!)と心の中で叫んだ。
「・・・それにそんなもの、きっと必要なくなると思うの。
ほら・・・見て?」
リーネはルウナ、ユデイと一緒に作業しながら打ち解け、少し笑顔を見せるヨハナを指差した。
「・・・そうかもな。」
ライキはさっきまで不安に震えていたとは思えない、今の吹っ切れた仕事モードのリーネに頼もしさと誇らしさを感じ、
(俺のつがい、やっぱ最高にいい女だ・・・!)
と彼女を見つめ、柔らかく微笑むのだった。
安心したところで、ライキはこの事をまだ自分の家に知らせてなかったことを思い出した。
ライキが急いで知らせに行こうとしたら村長が引き止めた。
「わしが行くよ。
さっきからわしこの村の長で年長者なのに何の役にも立てとらんし、せめてそのくらいはさせておくれ。」
と言って、また息を切らしながら丘を下って行った。
ライキが頭を下げて村長を見送っていると、リーネが声をかけた。
「それならライキは治験で使う魔獣を生きたまま捕獲してきてくれる?
なるべくローデリス夫人と体重が近そうなのをお願い!」
「いいけど、側にいなくて平気か?」
ライキが確認する。
「うん、ルウナ達がいてくれてるから大丈夫!
それに、これはライキにしか頼めない大事なお仕事なの・・・お願い!」
「うん、わかった!」
ライキはリーネに手を振ると武器を持って西の森へ消えていった。
リーネは茸の特定が出来たヨハナに対し、すぐに同じ茸を沢山取ってきて欲しいと頼み、ルウナにはリーネの手伝いを、ユデイには診療所まで薬品を分けてもらいに遣いを頼み、テキパキと指示を出し仕事を進めたのだった。
ライキが角イノシシを生け捕りにして戻って来ると、村長から話を聞いたサアラが夕飯を持って薬屋に来ていた。
サアラはライキにゲイルとハイドがローデリス卿の私兵が来たらいち早く教えられるよう、フランの町へと続く東の森の街道付近にて見張りについていることを知らせてから、「私も手伝うわ!」とリーネに声をかけた。
それから交代で鍋を見ながらサアラの差し入れを食べ、仮眠をとったりした。
ライキが捕獲してきた角イノシシを使った治験も完了して効き目があることを確かめたリーネは、更に安全性を確かめるために自分も毒を飲もうとするが、それはヨハナが自ら引き受けた。
そうして明け方───。
みんなで作った解毒薬は無事完成したのだった。
みんなで解毒薬の完成を喜んでいると、街道付近で見張りについていたハイドがローデリス卿の私兵が村近くまで来ていることを知らせに走って来た。
「ライキ、急いでリーネを連れてけ!
親父が足止めに残ったけど、もうあんまり時間がねぇ・・・!」
リーネはライキ以外の人にお礼を言って、家に帰るよう伝えた。
みんなと別れを告げた二人は、完成した解毒薬を手に、森の狩猟小屋へと走るのだった。
「狩猟小屋なら俺とリーネしか知らない!
暫く時間が稼げる筈!」
「うん!」
リーネの足は相変わらず早くてライキは追いつけなかったが、狩猟小屋が見えてくる頃には持久力のあるライキが追いついたのだった。
──まだ暗い狩猟小屋で、二人の吐息がはぁ、はぁ、と重なっていた。
ライキは壁にもたれかかって座り、リーネの胸を弄っていた。
「あっ・・・あっ・・・んっ・・・」
リーネは胸をはだけて小さく喘ぎながら、ライキの性器を手で愛撫していた。
ライキはリーネに興奮して勃起はしているのだが、状況が状況だけになかなか達することが出来なかった。
森の中に兵が入ってきたのか遠くのほうが騒がしい。
ますます焦るライキ。
それを悟ったリーネは髪を耳にかけると、ライキの性器に手を添え、そっと口に含んだ・・・!
「うっ・・・リーネ・・・!」
それはライキが心の奥で望んでいた欲望だった。
歯止めが利かなくなりそうだったから、まだいいよ、と言っていたけれど。
それをリーネ自らがしてくれている、それだけで堪らなくなった。
ライキはリーネの髪を優しく触りながらリーネの動きに集中する。
リーネはヒルデから教えて貰ったように、ライキのものを咥えて歯を当てないようにそっと上下に動かした。
ライキのものは大きくて全てを口の中に含むことは出来なかったので、足りない所は唾液を絡ませた指で扱いた。
「はっ・・・あっ・・・くっ・・・リーネ!・・・はっ・・・はあっ・・・」
ライキが堪らず喘ぎを漏らす。
ヒルデからライキが一番感じるであろう箇所を教わっていたリーネは、上下に口を動かしながらそこを中心的に狙い、舌を這わせた。
「うっ・・・くっ・・・はっ、はっ、はあっ・・・」
ライキの喘ぎとじゅぷっじゅぷっじゅぷっといやらしい水音が重なり、静かな森にやけに響いた。
耳まで赤く染めたリーネが時折ちゃんと気持ちいいかな?とチラッと見上げてくる。
ライキはそんな彼女の姿にゾクゾクして堪らなくなり、リーネの髪をもみくちゃにしながら彼女が与えてくれる快楽に身を委ねた。
「リーネ・・・リーネ・・・もっ、う・・・出そう・・・!」
リーネはそれを聞いて口の動きを更に早めた。
彼女も興奮しているのか声が漏れる。
「んっ♥・・・ふっ♥・・・んんっ・・・♥」
「はっ・・・うっ・・・くっ・・・リーネ・・・リーネ・・・
はっ、はっ、はあっ・・・うっ、くっ、あっ、ああっ・・・リーネ!リーネ・・・!!
・・・・・ッ・・・くっ・・・出るっ・・・!!」
そのまま口の中に射精して、リーネと共に空へと昇った──。
「はあっ、はあっ、はあっ・・・
リーネ・・・大丈夫か・・・?」
ライキは荒い息をつきながら、リーネの顔を心配そうに覗き込んだ。
リーネは口の中に放たれた大量の精液に対処しきれずとても困った顔をしていたが、目をギュッと閉じるとゴックン・・・!とそれらすべてを飲み込んだ。
「・・・ゔえっ・・・変な味!
いっぱい出たの全部飲んじゃった・・・。」
ライキはそんな彼女が堪らなく愛おしくなり、強く抱きしめた。
「・・・ありがとう・・・口でしてくれて・・・。
すげー気持ちよくてびっくりした・・・。
しかも俺、昨日から風呂入ってなかったのに・・・ごめん・・・。」
「・・・ううん。
そんなの全然平気だよ?
それにね、ライキはまだいいよって言ってくれてたけど、本当は私もしてあげたいって思ってたから・・・。」
「なんか初めてなのにすげー上手かった・・・。」
「あっ・・・あれはね・・・その・・・アイスで練習したの・・・。」
「あー・・・そ、そうか・・・あれか・・・・・。」
前に見たリーネがエロい感じでアイスを食べている様子を思い出すライキ。
───しかし。
ふと視界の端が赤く光っているのを感じた二人は、光の正体を確かめようとそっと視線を移した。
そこで見た光景のあまりの衝撃に、二人は固まった。
なんと、空駒鳥の薬屋が炎に包まれていたのだった・・・!
「・・・あれ・・・リーネの家だよな・・・?」
「・・・そ・・・んな・・・。
おばあちゃんの思い出のいっぱいある家が、燃えて・・・何も、そこまでしなくても・・・!」
リーネの大きな瞳から涙がポロポロと零れ落ちた。
「・・・リーネ、戻ろうか?」
ライキは眉を潜め、心配そうに彼女に尋ねた。
彼女は迷わず首を横に振った。
「・・・ううん、行くわ!ローデリス邸に。
今は夫人を助けなきゃ・・・!」
リーネは覚悟を決め、キッ!と力強くフランのほうを見つめるのだった。
「わかった・・・行こう!」
ライキはフランの町に目的を定め、二人は手を繋いで明け方の空を翔けて行った───。
その様子を兵を率いるローデリス卿が見上げていた。
その瞳は炎のように赤く光を放っていた。
「・・・火を放たれても尚引き返さなないか・・・。
今度の駒鳥はなかなか手を焼きそうだ・・・。」
そして、そのままライキのほうに視線を移す。
「わが花嫁につく虫め・・・!
フェリシアの邪魔がなければ今すぐ殺してやれるものを・・・。」
ギリッと歯を食いしばる。
「時間切れか・・・いずれ必ず・・・!」
フッとローデリス卿から何かが抜けて、瞳の色が元に戻った。
そして、彼は我に返ったように辺りを見渡した。
「私は一体何をしていたんだ・・・?」
「・・・それで、君が夫人の毒殺を企てたとお怒りのローデリス卿が、私兵を連れて今こちらに向かっているそうだ・・・!
ローデリス邸からだと馬で丸一日あればついてしまう・・・。」
リーネはとても信じられないといった様子で青ざめ、首を左右に振った。
「嘘・・・私、納品前に自分で試したわ!
そのときは何ともなかったのに・・・
どうして・・・!?」
ショックのあまり倒れそうになるリーネをライキが支えた。
「リーネ・・・・・!」
ライキはそんなリーネを見ているだけで辛くなり、眉に深く皺を寄せるとぎゅっと彼女を支える手に力を込めた。
「もちろん君はそんなことをする子じゃ無いとわしは信じておる。
だから何かの手違いか、別の要因じゃないかと思って、君はライキとつがいだから、教会ならそれを証明してくれるのでは?と提案したが、ローデリス卿は女神フェリシア様を信仰していないからと聞く耳を持ってくれなかったよ・・・。」
「・・・・・。」
二人はそれを聞いて黙って俯いた。
「・・・早く逃げたほうがいい!
兵がこの村に着くまでにそう時間がない・・・!
これを持って、早く・・・!
出来るだけ遠くへ逃げるんだよ・・・!!」
村長はそう言って紙幣の入った封筒をリーネに持たせた。
ライキも村長の言うように、リーネを連れて遠くに逃げることを考えていた。
しかし、リーネは首を横に振ってその封筒を村長に返した。
「・・・私、逃げるわけにはいかないわ・・・!」
震えながらもしっかりとした口調でリーネが言った。
「「リーネ!」」
ライキと村長は驚き同時に声を上げた。
「夫人はまだ生きているんだもの・・・何とかして助けないと・・・解毒薬を作れれば・・・でも、それには毒の特定が出来ないと・・・・・。」
リーネはブツブツと呟くように思考を口にした。
「毒の特定か・・・。」
ライキはヨハナがリーネの家から走り去って行った時のことを思い出す。
「・・・薬が出来た朝、薬屋から立ち去るヨハナを見かけた・・・。
何か知っているかもしれない。」
「そんな!
いくら私を恨んでいても、そこまでする子じゃ・・・!」
リーネが声を荒らげた。
「違ったら謝ればいい。
村長さん、ヨハナをここに連れてきて貰えますか?」
「よし、わかった!
だが、今から解毒薬を作っても村からローデリス邸に到着するまでに丸一日かかってしまうぞ?
それまで夫人が持つかどうか・・・。」
「それは・・・大丈夫だよね?」
とライキを見るリーネ。
「うん。」
ライキは力強く頷いた。
ライキはローデリス卿の邸宅が、父や兄と共に何度か行ったことのあるフランの町の近くから見えることを思い返した。
(フランまで飛んで後は走ればいい。)
「??」
村長はライキの自信のある様子を不思議に思い首を傾げていたが、今はそれよりも行動すべきと思い直したのか、眉をキリッと上げると言った。
「よし、ともかくわしはヨハナを連れてくるからの!
待っていろ!!」
村長はまた息を切らして丘を下って行った。
その場に残されたライキとリーネは抱き合ったまま沈黙していたが、やがてリーネが顔を上げ、涙で瞳を滲ませると震える声で言った。
「どうしよう・・・ライキ・・・。
もし毒が特定出来ても、おばあちゃんのレシピにもない解毒薬を、私に作れるかわからない・・・。
作れても間に合うかどうか・・・怖いよ・・・凄く怖いよ・・・。」
「リーネ・・・!」
ライキはリーネをぎゅっと強く抱きしめてからその顔を真っ直ぐに見つめ、言った。
「・・・大丈夫だよ。
リーネは凄腕の薬師だったばあちゃんが、知っていることの全てを叩き込んで、そこに更に努力を重ねてきた凄い薬師なんだから。
だから大丈夫。」
「・・・うん。
ライキ・・・私、やれるだけのことをやってみる。
・・・今日は・・・ずっと側に・・・いて・・・?」
「もちろん。
でも今日だけじゃないだろ?
解毒薬が出来たら一緒にローデリス邸に飛ぶんだし、それにはリーネの協力が必要だしな?」
意味深にニッと笑うライキ。
「ライキのエッチ・・・。」
リーネは頬を染めてはにかみながらそう答えた。
「・・・ずっと側にいる。
俺に手伝えることは精一杯手伝うから。」
「うん、ありがとう・・・!」
「うん・・・!」
カランカラン─
そこへルウナとユデイがやってきた。
「さっき村長さんと会って事情を聞いて飛んで来たの!
リーネ!!」
ルウナがリーネに駆け寄り、抱きしめる。
「親友のつがいのピンチだもんな!
手伝える事があったら何でも言ってくれ!」
「ルウナ、ユデイ、ありがとう・・・!」
リーネの表情が軽くなる。
そこへ村長に連れられてヨハナがやってきた。
ヨハナは酷く青ざめて震えていた。
「・・・ヨハナ、何故ここに呼ばれたかわかるか?」
とライキが言った。
「・・・う、ううん・・・!」
懸命に首を横に振るヨハナ。
「・・・俺、見てたんだ。
薬ができた日の朝、ヨハナがここから走り去っていく所を。
何か知っているよな?」
「・・・!」
自分の問いかけに対して更にヨハナが青ざめたのを見て、”彼女がやった”とハッキリと確信したライキは、カッと頭に血がのぼり、バンッ!!と激しく目の前のテーブルを叩いた。
「知っていることを全部話せ!!
何故リーネを追い詰めるようなことをした!?」
ヨハナは怯えたようにビクッと身を震わせ涙を滲ませた。
「ライキ!
・・・この子、ライキのことを好きなんだよ?
好きな人にそんな態度をされたら・・・・・いたたまれないよ・・・。」
と、悲しそうに目を伏せるリーネ。
「でもリーネ!」
「ライキ、話せる話も話せなくなってしまうわ。
・・・気持ちはわかるけど、お願い・・・堪えて。」
ルウナがそう言いヨハナに寄り添った。
「・・・私たちが話してみる。」
リーネがルウナと頷き合い、ヨハナに椅子を勧め、自分達も座った。
「ここに来てくれたっていうことは、あなたは今私に起こっていることが気になったからよね?
それについてはお礼を言うわ。
・・・ありがとう。」
とリーネが切り出した。
「・・・ローデリス夫人の薬に毒を入れたのは貴女なの?」
とルウナ。
「・・・ち、違うの!
人を殺せる毒だなんて知らなかったの!
私はただ、あのババア醜くなってしまえばいいと思ったから・・・。」
(誰かさんと同じこと言ってる・・・。)
とリーネはマールの顔を思い浮かべた。
「何故?」
「・・・私の両親は祝福を受けていないの。
うちのお父さんはかっこいいからモテるけど、今まで浮気もなかったし、夫婦仲も良かったのに。
なのに、あの女がうちに泊まりに来ているときにお父さんを誘惑して・・・。
お父さん、お母さんを裏切ることをしたの・・・!
それでお母さんが傷ついて、私の家庭は今滅茶苦茶なの!
それもこれも全部あのババアのせいだって思っていたら・・・。
頭の中に、
”いい方法がある。
あるキノコの毒を使えばいい。”
って男の人の声が聞こえて・・・。」
「「・・・男の人の声?」」
リーネとルウナが同時に聞き返した。
「信じてもらえるかわからないけど・・・・・知らない男の人の声だったわ・・・。
”そのキノコを口にすれば、肌がただれ、どんな美女だろうと醜くなってしまう。
何、死ぬことはない。
ただ醜くなってしまうだけの毒だ。”
・・・って。」
「最初は、何て恐ろしい事を言っているんだろうって思ったわ・・・。
でも、その声を聴いているうちになんだか不思議な気分になって、その毒を使えばあの女に復讐が出来て、お母さんから離れてしまったお父さんの愛情を取り戻せるんじゃないかと思って・・・。
でも私がやったってバレたら怖いから出来ないって首を振ったらその声が、
”その夫人、丘の薬屋に美容薬を依頼していたぞ?
その薬にこっそり混ぜてしまえば誰もお前がやったと気が付かない。”
って・・・。
そして、
”薬屋の娘、お前の好きな男を奪ったんだろう?
そう・・・お前は少なからず憎く思っている筈・・・。
薬師として悪評が広まればその娘を村から追い出すことができる。
そうすれば、お前にチャンスが巡ってくるかもしれないぞ?”
って囁かれたわ・・・。
私・・・そう言われて、ライキはもうリーネ以外の人とつがいにはなれないけれど、それでも・・・つがいじゃなくても、もしかしたらリーネがいなくなりさえすれば、私・・・いつかライキと恋人にはなれるんじゃないかって・・・思って・・・しまって・・・・・。
それで、貴女が薬から目を離した隙にキノコを煎じたものを入れたの・・・。
でもまさかこんな人を殺せる毒だったなんて・・・!」
「・・・ヨハナ、貴女はその声に唆されて、人を殺せる毒だと知らずにやったというのね?」
とリーネ。
「・・・そうよ・・・。
リーネが薬師としての信頼を失くしてこの村を出ていけばいいって思ったのは認める・・・。
でも人殺しの罪を着せるつもりまではなかったわ・・・!
お願い・・・信じて・・・!!」
リーネは少しため息をついてから言った。
「その頭の中で聞こえた声についての貴女の話を信じるかは置いておいて・・・。
貴女の家庭に複雑な事情があったことには同情する。
でも、私に罪を着せようとしたことはやっぱり・・・許せない・・・。」
リーネは眉を顰めて俯いた。
「リーネ・・・。」
リーネを心配そうに見るルウナ。
「・・・ヨハナ。
自分の罪から目を背けたくて、
"頭の中で声がした"
って嘘をついている・・・なんてことはない?」
とルウナ。
「私の知らない毒キノコのことを知っていたのよ!
嘘じゃないわ!!」
「・・・今の話、ローデリス卿に説明できるか?」
ライキがヨハナに訊いた。
「!!」
ヨハナはハッとして更に青ざめると首を横に振った。
「ご、ごめんなさいそれは・・・。
リーネに酷い罪を着せておいて、こんなこと言うのは間違っているけれど・・・。
領主様だなんて、そんな権力のある人を怒らせたなら、うちの宿屋は終わりだわ!
もうこの村にもいられなくなる・・・。
私のせいで、両親にも迷惑がかかるわ・・・!
ごめんなさい・・・それは・・・それは・・・出来ない・・・!!」
両手で顔を覆い泣き崩れるヨハナ。
ライキはそんなヨハナに対して強い怒りが沸き上がり、相手が女の子であっても構わずに殴ろうと拳に力を込めた。
だが、先にユデイがヨハナの胸ぐらを掴んでいたため、衝動を抑えられた。
「は!?
出来ないってか!?
泣いて謝って済むわけないだろ!!
じゃあリーネはどうなるんだよ!?」
それをルウナが制する。
「ユデイ、やめてあげて。」
「・・・けどさ・・・。」
仕方なしにヨハナを開放するユデイ。
ライキはユデイのお陰で少し落ち着きを取り戻し、深呼吸をすると、再び口を開いた。
「ヨハナが言わないのなら俺がお前のしたことをローデリス卿に話す。
そしたらそっちにも兵が行くぞ?
どのみちただでは済まなくなる。」
「!そ、それは!!」
ライキがヨハナを脅すように鋭く睨みつけながら一歩踏み寄ると、リーネがヨハナを庇うように立ち、ライキを制するように首を横に振った。
そして静かに口を開いた。
「・・・わかった。
ローデリス卿には何も言わないでいてあげる。」
「「「リーネ!!」」」
ライキ、ルウナ、ユデイが同時に声を上げた。
「・・・大丈夫よ。
解毒薬を間に合わせればいい。
そしたら誰も人殺しにはならないでしょ?
だから、ヨハナも協力してね?」
と吹っ切れたように言った。
「リーネ・・・!
ありがとう・・・!!」
ヨハナは泣きながらリーネの胸に飛び込んだ。
ライキもルウナもユデイも、リーネがそう言うのならと、もうそれ以上何も言えなくなってしまった。
「まずは何のキノコをどう煎じて、どれだけの分量をどっちの薬に混ぜたのか、詳しく教えてくれる?」
リーネはヨハナに植物図鑑を渡してその茸を探すよう頼むと、解毒薬を作るのに参考になりそうな書物を探すため書斎に入った。
ライキは険しい顔のままリーネの側に来ると言った。
「・・・リーネ、わかっているのか?
夫人が助かってもあのローデリス卿が殺人の疑いのあるリーネをただ帰してくれるかわからないんだぞ?
ここで薬師をやっていけなくなるかもしれないのに。
俺はリーネを守りたいんだよ!
・・・だから、ヨハナを脅してでもローデリス卿に白状させるべきだと思った。
なのにそれを許すだなんて・・・。」
ライキは眉間に深く皺を寄せ、深くため息をついた。
「誰も許すだなんて言ってないわよ?」
リーネはケロっとした顔で返し、続けた。
「でも力で脅したら、きっと毒のことを聞き出せなくなるわ。
まずは解毒薬を作ることが優先よ。
その後・・・白状させる薬でも作ればいいんじゃない?」
と、いつぞや見た黒ーい笑顔で笑うのだった。
ライキは(ブラックリーネ降臨・・・!)と心の中で叫んだ。
「・・・それにそんなもの、きっと必要なくなると思うの。
ほら・・・見て?」
リーネはルウナ、ユデイと一緒に作業しながら打ち解け、少し笑顔を見せるヨハナを指差した。
「・・・そうかもな。」
ライキはさっきまで不安に震えていたとは思えない、今の吹っ切れた仕事モードのリーネに頼もしさと誇らしさを感じ、
(俺のつがい、やっぱ最高にいい女だ・・・!)
と彼女を見つめ、柔らかく微笑むのだった。
安心したところで、ライキはこの事をまだ自分の家に知らせてなかったことを思い出した。
ライキが急いで知らせに行こうとしたら村長が引き止めた。
「わしが行くよ。
さっきからわしこの村の長で年長者なのに何の役にも立てとらんし、せめてそのくらいはさせておくれ。」
と言って、また息を切らしながら丘を下って行った。
ライキが頭を下げて村長を見送っていると、リーネが声をかけた。
「それならライキは治験で使う魔獣を生きたまま捕獲してきてくれる?
なるべくローデリス夫人と体重が近そうなのをお願い!」
「いいけど、側にいなくて平気か?」
ライキが確認する。
「うん、ルウナ達がいてくれてるから大丈夫!
それに、これはライキにしか頼めない大事なお仕事なの・・・お願い!」
「うん、わかった!」
ライキはリーネに手を振ると武器を持って西の森へ消えていった。
リーネは茸の特定が出来たヨハナに対し、すぐに同じ茸を沢山取ってきて欲しいと頼み、ルウナにはリーネの手伝いを、ユデイには診療所まで薬品を分けてもらいに遣いを頼み、テキパキと指示を出し仕事を進めたのだった。
ライキが角イノシシを生け捕りにして戻って来ると、村長から話を聞いたサアラが夕飯を持って薬屋に来ていた。
サアラはライキにゲイルとハイドがローデリス卿の私兵が来たらいち早く教えられるよう、フランの町へと続く東の森の街道付近にて見張りについていることを知らせてから、「私も手伝うわ!」とリーネに声をかけた。
それから交代で鍋を見ながらサアラの差し入れを食べ、仮眠をとったりした。
ライキが捕獲してきた角イノシシを使った治験も完了して効き目があることを確かめたリーネは、更に安全性を確かめるために自分も毒を飲もうとするが、それはヨハナが自ら引き受けた。
そうして明け方───。
みんなで作った解毒薬は無事完成したのだった。
みんなで解毒薬の完成を喜んでいると、街道付近で見張りについていたハイドがローデリス卿の私兵が村近くまで来ていることを知らせに走って来た。
「ライキ、急いでリーネを連れてけ!
親父が足止めに残ったけど、もうあんまり時間がねぇ・・・!」
リーネはライキ以外の人にお礼を言って、家に帰るよう伝えた。
みんなと別れを告げた二人は、完成した解毒薬を手に、森の狩猟小屋へと走るのだった。
「狩猟小屋なら俺とリーネしか知らない!
暫く時間が稼げる筈!」
「うん!」
リーネの足は相変わらず早くてライキは追いつけなかったが、狩猟小屋が見えてくる頃には持久力のあるライキが追いついたのだった。
──まだ暗い狩猟小屋で、二人の吐息がはぁ、はぁ、と重なっていた。
ライキは壁にもたれかかって座り、リーネの胸を弄っていた。
「あっ・・・あっ・・・んっ・・・」
リーネは胸をはだけて小さく喘ぎながら、ライキの性器を手で愛撫していた。
ライキはリーネに興奮して勃起はしているのだが、状況が状況だけになかなか達することが出来なかった。
森の中に兵が入ってきたのか遠くのほうが騒がしい。
ますます焦るライキ。
それを悟ったリーネは髪を耳にかけると、ライキの性器に手を添え、そっと口に含んだ・・・!
「うっ・・・リーネ・・・!」
それはライキが心の奥で望んでいた欲望だった。
歯止めが利かなくなりそうだったから、まだいいよ、と言っていたけれど。
それをリーネ自らがしてくれている、それだけで堪らなくなった。
ライキはリーネの髪を優しく触りながらリーネの動きに集中する。
リーネはヒルデから教えて貰ったように、ライキのものを咥えて歯を当てないようにそっと上下に動かした。
ライキのものは大きくて全てを口の中に含むことは出来なかったので、足りない所は唾液を絡ませた指で扱いた。
「はっ・・・あっ・・・くっ・・・リーネ!・・・はっ・・・はあっ・・・」
ライキが堪らず喘ぎを漏らす。
ヒルデからライキが一番感じるであろう箇所を教わっていたリーネは、上下に口を動かしながらそこを中心的に狙い、舌を這わせた。
「うっ・・・くっ・・・はっ、はっ、はあっ・・・」
ライキの喘ぎとじゅぷっじゅぷっじゅぷっといやらしい水音が重なり、静かな森にやけに響いた。
耳まで赤く染めたリーネが時折ちゃんと気持ちいいかな?とチラッと見上げてくる。
ライキはそんな彼女の姿にゾクゾクして堪らなくなり、リーネの髪をもみくちゃにしながら彼女が与えてくれる快楽に身を委ねた。
「リーネ・・・リーネ・・・もっ、う・・・出そう・・・!」
リーネはそれを聞いて口の動きを更に早めた。
彼女も興奮しているのか声が漏れる。
「んっ♥・・・ふっ♥・・・んんっ・・・♥」
「はっ・・・うっ・・・くっ・・・リーネ・・・リーネ・・・
はっ、はっ、はあっ・・・うっ、くっ、あっ、ああっ・・・リーネ!リーネ・・・!!
・・・・・ッ・・・くっ・・・出るっ・・・!!」
そのまま口の中に射精して、リーネと共に空へと昇った──。
「はあっ、はあっ、はあっ・・・
リーネ・・・大丈夫か・・・?」
ライキは荒い息をつきながら、リーネの顔を心配そうに覗き込んだ。
リーネは口の中に放たれた大量の精液に対処しきれずとても困った顔をしていたが、目をギュッと閉じるとゴックン・・・!とそれらすべてを飲み込んだ。
「・・・ゔえっ・・・変な味!
いっぱい出たの全部飲んじゃった・・・。」
ライキはそんな彼女が堪らなく愛おしくなり、強く抱きしめた。
「・・・ありがとう・・・口でしてくれて・・・。
すげー気持ちよくてびっくりした・・・。
しかも俺、昨日から風呂入ってなかったのに・・・ごめん・・・。」
「・・・ううん。
そんなの全然平気だよ?
それにね、ライキはまだいいよって言ってくれてたけど、本当は私もしてあげたいって思ってたから・・・。」
「なんか初めてなのにすげー上手かった・・・。」
「あっ・・・あれはね・・・その・・・アイスで練習したの・・・。」
「あー・・・そ、そうか・・・あれか・・・・・。」
前に見たリーネがエロい感じでアイスを食べている様子を思い出すライキ。
───しかし。
ふと視界の端が赤く光っているのを感じた二人は、光の正体を確かめようとそっと視線を移した。
そこで見た光景のあまりの衝撃に、二人は固まった。
なんと、空駒鳥の薬屋が炎に包まれていたのだった・・・!
「・・・あれ・・・リーネの家だよな・・・?」
「・・・そ・・・んな・・・。
おばあちゃんの思い出のいっぱいある家が、燃えて・・・何も、そこまでしなくても・・・!」
リーネの大きな瞳から涙がポロポロと零れ落ちた。
「・・・リーネ、戻ろうか?」
ライキは眉を潜め、心配そうに彼女に尋ねた。
彼女は迷わず首を横に振った。
「・・・ううん、行くわ!ローデリス邸に。
今は夫人を助けなきゃ・・・!」
リーネは覚悟を決め、キッ!と力強くフランのほうを見つめるのだった。
「わかった・・・行こう!」
ライキはフランの町に目的を定め、二人は手を繋いで明け方の空を翔けて行った───。
その様子を兵を率いるローデリス卿が見上げていた。
その瞳は炎のように赤く光を放っていた。
「・・・火を放たれても尚引き返さなないか・・・。
今度の駒鳥はなかなか手を焼きそうだ・・・。」
そして、そのままライキのほうに視線を移す。
「わが花嫁につく虫め・・・!
フェリシアの邪魔がなければ今すぐ殺してやれるものを・・・。」
ギリッと歯を食いしばる。
「時間切れか・・・いずれ必ず・・・!」
フッとローデリス卿から何かが抜けて、瞳の色が元に戻った。
そして、彼は我に返ったように辺りを見渡した。
「私は一体何をしていたんだ・・・?」
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