不幸で運無し苦労人が異世界転生で「運レベル999」を貰い最強を目指す!

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第一章『幼少期』

第4話『真夜中のコソ練』

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 「8007年6月」

 転生してから更に1年が経ち、俺こと「アラン」は2歳になり立って歩けるようになり、言葉も上手く話せるようになった。
 赤ん坊の俺は暇なので、ずっと兄たちの稽古けいこを見て知識を積んだお陰か見よう見真似で兄たちが使用していた「ファイア」と呼ばれる炎属性の初級魔法しょきゅうまほうを1人で使用できるようになった。 独学で学んだ知識では、「自身の体に存在する魔力を体の一点に集めて近距離の目標物に対して魔法のイメージを思い浮かべながら魔法と唱えると、体から力が抜ける感覚が発生すると共に魔法が発現する」という事を知った。 とにかく「イメージ(妄想)」が大事で、魔法の「コツ」を知った後、ファイアをもっと練習したいと思うようになったが屋敷の中で使用すると火事になりかねないので、アランは夜中に屋敷を抜け出し隠れて魔法の練習をするようになった。
 親が寝静まった事を見計らって屋敷を抜け出す行為に、俺は前世で「親が寝た後ゲームをするために隠れてゲーム機を取りに行った」前世を思い出して苦笑した。 ――それにしてもリネレー村の夜は6月なのに寒いな…..。
 この世界の地図上ではリネレー村は南西なんせい方向にあり半分程山に囲まれた地域の為、やや寒冷な地域みたいだったが早く魔法を上達させたい俺は、寒さは気にせず火事にならない岩場で毎日隠れて練習していた。
  それにしても前世は持病で何度も入院し毎日頭痛で大変だったのだが、今は赤ん坊で動きにくいが頭痛や持病も無く健康なのは凄く有難いし快適だな… と心の中でしみじみと感じた。

 そんな隠れて魔法の練習をする日々を過ごしていたとある日の夜中、俺はいつものように親が寝た後屋敷を抜けだした。
 「今日も月が綺麗だな」 と赤ん坊が月を眺めながらつぶやく姿は異様である。
 俺はいつもの岩場に着くと前世で言う「座禅ざぜん」を組んで精神統一せいしんとういつをする。
 一旦頭の中を空っぽにしてから魔力を込めると魔力の循環じゅんかんが良くなっている気がしているのでいつも精神統一を行っている。 因みに俺は精神統一が好きだ。
 理由は魔力が体にあふれれでて魔法が上達してる感覚がある事と、ただ単に何も考えずスッキリできる時間だからである。
 ――前世は何かしらずっと考えながら生活してたからな… 今はこの時間が凄く心地よい。

 俺は精神統一に集中していると背後から人の気配がし、反射的に振り返った。

 するとそこにはマリーナが小走りで駆け寄って来ていた。

 ――あちゃ~、とうとうバレてしまったか…、今後はもう外出させてもらえないかもな…。 俺はバツの悪そうな表情を浮かべたが実際は2歳児の赤ん坊の顔なので嫌そうな顔しているだけだ。

 「アランっ! 勝手に外出ちゃダメでしょっ! 夜の屋敷の外は魔物が出やすいから絶対に出ちゃダメ! それにどうやって鍵開けて外出たのかしら? ちゃんと言いなさい!」 と言いながら腕を強く掴まれ拘束こうそくされた。

 当たり前だがやはり怒られてしまった。

 「かあさまごめんなさい。 勝手に外出た理由を説明しますので強く掴まないで下さい。」 予想以上に腕を強く掴まれ痛かったので驚いた。

 また俺が敬語を使っているのは、前世で敬語をずっと使い続けていた事による慣れと、敬語の方がこの世界でも上手く立ち回れると感じたので常に敬語を使用してる。 最初の頃は敬語を使用してる俺を見てマリーナは「敬語はいらないわ」と言っていたがそれでも俺は敬語は辞めないので幼いながらも親からは「物凄くできた子」扱いされた。
 ――そりゃそうさ、見た目は子供、中身は大人のその名は…ゲフンゲフン…。

 「アラン、ごめんなさい痛かったわよね。」 と言うと母は掴んでいた手を離し、掴んでいた腕に回復呪文である「ヒール」を唱えてくれた。

 「母さま、僕にも魔法を教えてください。 僕がここにいる理由はどんなにお願いしても魔法を教えて貰えないので独学で学び、人目の付かない夜中に屋敷の外に出てこの場所で魔法の練習をしていたのです。現在は「ファイア」を使用できます。」 
 俺の発言に母親は物凄く驚いていた。

 「アラン…それは本当の事なのかしら? 2歳でちゃんと会話ができマナーも良く、歩きまわれるだけでも人並外れた凄い事なのに魔法まで使えるの?」

 「はいかあさま、今からお見せします。」
 俺は近場に落ちていた木の枝を3つほど拾い岩の上に載せ、3メートル程離れてから手を目標に掲げ魔力を込めた。

 「ファイアっ! ファイア! ファイア~!」 アランが連続で唱えると、岩の上に載せた3本の木の枝が発火し一瞬で燃え尽くし灰になっていた。  ――あれっ? いつもなら火が燃え続けるハズなのにおかしいな…。

 元々「ファイア」は『生活魔法せいかつまほう』かつ低位ていいの『攻撃魔法こうげきまほう』でもあり、基本的には蝋燭ろうそくまきに火を付け生活を支える初級魔法である。 なのにアランが唱えた「ファイア」は何故か一瞬で対象物を燃やし尽くしていた。

 その光景を見た母マリーナは驚いたのか口を開けたまま硬直していた。

 ――ちゃんと燃え続けてなかったしやっぱり失敗だったよね…。 生活魔法なのにこれじゃあ生活で使用出来ない…。
 このままでは「アランには魔法はまだ早い。」とか言われそうで心配だった為、もう一度再チャレンジしようと木の枝を拾いに行こうとした所で母が声を上げた。

 「アラン凄いわ! いや凄すぎるわ!! 魔法を連続で3発も成功させたのも凄かったけど、「ファイア」の威力はおかしすぎるわ! アラン、あなたいつから修行していつから魔法を使用できるようになったのかしら!?」 マリーナは大興奮状態だった。

 「1年ほど前から兄たちの稽古を見て、見よう見真似で練習してました。 魔力のコツを掴んでからファイアが使用できるようになったのは半年ほど前です。」

 「ええ? 半年前から魔法使えたの? 何でママに言ってくれなかったの!」 マリーナは驚き過ぎて興奮しながらも年齢に合わない可愛い顔を膨らませてアランに詰め寄ってきた。 ――ちょっ、顔ちかっ 顔近すぎィィ。

 「僕はかあさまに何度も頼みましたが、かあさまは「まだ魔法は早い」と言い教えてくれませんでした。 なので魔法を使用出来る事を知ったら魔法の使用を禁止されてしまうと思ったので、かあさまから魔法を教われる様になってから報告しようと思ってました。」

 俺の言葉を聞いたマリーナは 「アランごめんなさい、私が間違っていたわ。 優秀な子だとは思っていたけどここまでとは思っていなかったの。 魔法は凄く危険だから兄たちの歳になるまでは教えるつもりなかったの。 でもアランの魔法を見て考えが変わったわ、やっぱりアランは天才よ! この歳で魔法を使える人なんて過去の歴史の中にもいなかったわ! 分かったわ!私がアランに必ず魔法を教えてあげる! だけど実践よりまずは魔法の知識の方が大切だから実践はもう少し待っててね? 後でフィリップに【真眼の水晶】を用意させるわ、無理にでも直ぐに買わさせてやるんだから!」 とまるで子供のようにその場で
ぴょんぴょん跳ねながら興奮していた…。 ――かあさま可愛すぎるぜ…。

 「それにしても凄い魔力だったわ、どんな練習をしていたの?」 とマリーナに質問された。

 「兄たちの稽古を観察して、魔法は集中力が大事だという事が分かったので心を空にし魔力を体に循環させるイメージをしながら魔力を体の1部分に集中させる訓練をし、コツを掴んでからは魔力の循環速度を上げたり魔力を体の一部ではなく一点に集中させる訓練をしました。」  母親はもう呆れていた。

 「アラン、その魔力の循環はかなり難しく高度な技術が必要なのよ? 普通は体の一部に魔力を流し、魔法を使用するのだけど魔力の循環は魔力を流すのではなく魔力を体内で練り上げて循環させる事なのだからそれをまだ2歳のアランが出来るなんておかしいのよ?本来であれば上級魔法使いが出来る事でそれが出来ない魔法使いは高度な魔法が使えないの。 しかもちゃんと魔力の性質の理解も出来てるみたいだし本当に勇者みたいだわ! それにアランが使用した「ファイア」だけど魔力の流れを上手く一点に集中させる事が出来たから、一瞬で燃やし尽くせるほどの魔法が使用できたの。 今のアランの魔法は普通の魔法使いの何倍も強い「ファイア」を使用したのよ! それと魔力で炎を生成し目標に向かって撃つ「ファイアーボール」と違って「ファイア」は目標に魔力そのものを目標に当ててから魔力を練って炎を発生させるの。だから至近距離でないと失敗してしまうわ、それを近距離とはいえ3mも離れた場所から炎を生成したのよ? 」

 成程、母の言葉で魔力とその威力について直ぐに理解した。 一瞬で燃え尽きてしまい失敗したと思っていた「ファイア」は威力が強すぎただけだったという事だ。 そういえば前世の世界のとある漫画で、『〇ラを一点に収束させる事で破壊力を上げる』だったり魔力の絶対量によって「メ〇ゾーマ」をも超える「〇ラ」があり勇者パーティーを圧倒する。という場面があったな…。
 なら魔力を調節すればいいだけだな。 魔力の練り方も精神統一という練習で正解みたいだし、魔力を一点に集中させる収束力さえあればある程度離れていても対象に魔力を付与し、練り上げ発火させる事も可能だと理解した。 そういえば「あらあら」とかよく言っていた口癖を一切言ってないが興奮すると言わなくなるのかな?

 俺は母に頼んで後1回だけファイアを使用する許可をもらった。

 手早く木の枝5本を等間隔で程岩の上に載せた後、今度は7メートル程離れてから魔力を集中させた。

 「ファイア!ファイア、ファイア、ファイア~、ファイアーーーー!」 ファイアを連続で詠唱したせいで息継ぎが出来ず苦しいし魔力が枯渇こかつしたのか一気に力が抜ける。  アランが唱えると5本の木の枝が発火しまた一瞬にして燃え尽きた。
 ちゃんと魔法は成功したようだが、また魔力が強すぎてしまったようだ。 ――やっぱり難しいな…でも楽しい。

 5連続ファイアを眺めていたマリーナは目を輝かせていた。

 「今至近距離以外でファイアが難しい事を説明したばかりよね? それなのに更に距離を取ったのはワザとよね?よね?、しかも5発も成功させちゃうなんて…凄すぎるけど家で使って燃やさないでよね!」

 ええそっち? なんかマリーナの思考がおかしな方向に進んでいるぞ…。

 「でも燃やし続ける事が出来ませんでした。 離れた状態で対象物を発火させるのに多くの魔力を使うのでどうしても魔力を強くしてしまって燃やし尽くしちゃうみたいです。」

 「そこまで理解していたの? 十分過ぎるわ! 他の魔法教えたらどうなってしまうのかしら… 賢者も夢ではないかも…。」 もうマリーナは驚いていなかった。 代わりに決意に満ちた表情をしている。 ――その表情も可愛いな…。

 その後はもちろんそのまま魔法の練習はさせて貰えずマリーナに手を繋ぎながら屋敷戻った。
 ――「手を繋がないと怒るからね?」と駄々こねるから仕方ない…そう仕方ないのだ…ニヘラ。

 屋敷に戻った後、事情を知った父フィリップにも怒られたがマリーナが助け舟を出してくれて殆どお咎めなしとなりアランはマリーナとその日一緒に眠りについたのだった。
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