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テンプレなんて信じない
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ラブコメなんて空想、現実的に考えるとありえない。ニセ○イとか俺○イルとか、実際に考えたらありえない設定だろう。超可愛い女の子二人から好かれてる人が実際にいたら引くし、ホントに好きだった人の告白断るとかどうかしてると思うぜ。後は振られたのにまた告白しようとする人な。どんなに頑張っても答えは変わらんし、最悪ストーカー扱いだぞ。「こんなに思っててくれたんだ(キュン)」とかないから。真摯に現実を受け止めようぜ。
「__…朝か…」
誰に伝える訳でもないラブコメへの偏見を考えているうちに朝になっていた。ま、結局のところマンガやアニメのラブコメってのは現実的にはありえないことであり、それを期待する人は哀れだと思っている。
「さて、準備しないとな」
もはやいつもの事だからと受け入れて登校の準備をしていると母が朝食が出来てると叫んでいる。…これもいつもの事なので特に誰も気にしてない。
場所は変わって学校にて。春は出会いと別れの季節とはよく言うが、あんま別れの季節って感じはしない。というのも、この高校は俺が通ってた中学から近い上にそこまで頭がいい訳でもない。俺でも簡単に行けるレベルだったし、割と人気があるらしい。知り合いが多い理由がよくわかるなこれ。
昇降口を抜け、自分の在籍するクラスに向かっていると女子生徒二人が映えるだの可愛いだのとスマホを見ながら笑っている。最近流行ってるインスタとか言うやつか…とりあえずもふもふしてる動物上げたら人気なんじゃねぇの?ちがうのか…?なんて女子相手に言えるわけでもなくただ浅い知識の元考えながら教室に入る。俺は早くも遅くもない丁度いい時間に登校しているのでクラスメイトがボチボチいる。
「よっ、アキバ。相変わらず面白くねえ顔だな」
「おっす…っつか、面白い顔ってなんだよ」
席につき、少しのんびりしているとクラスメイトの大葉夏樹に声をかけれた。人の顔に面白いとかあるんだろうかというツッコミは今更手遅れだ。
「あ、アキバいるじゃん。またお勧めのアニメ教えてよー!」
そんな話をしていたら青宮楓に声をかけられた。夏樹と楓と俺は小中高と全部同じクラスというラノベよろしくレベルの腐れ縁だ。だから知っていることもあるしどの距離で接すればいいかも知ってる。
「そういえば楓、大会はどうだったんだ?」
「んぇ?当然優勝よ!」
楓は中学から水泳を始め、今では全国行けるレベルになっているらしい。全く強そうには見えないが、下手すると俺より強いと思う。
ふふんと胸を張る楓に対して少し疲れた顔をする夏樹。あぁ…昨日もかなり練習に付き合ったのか……。
「…お疲れ、夏樹」
「なんで大会終わった後にまで練習すんだよ…」
…ま、俺の部活も休みだしいいんだけどな。と苦笑いしながらも楽しそうに楓を見る夏樹。その二人を見てふと思い出す。そういえばこいつらお互いのこと好きなんだよなぁ……
最初に聞かされたのは夏樹からだった。昔からの馴染みのせいなのか、ふと気付いたら楓を気にし始めていたと俺に相談していた。アイツは意外と優良物件だから早くしないと盗られるかもよとだけ言っていた。
その数時間後、今度は楓に呼ばれて夏樹が好きだと言われた。中学の頃から練習に付き合ってもらっていたらしく、だんだんときにしはじめたらしい。全くもってテンプレみたいな話だと思う。砕けてしまえ。
俺は両想いだということを伏せ、夏樹は夏樹で優良物件だから気をつけろよーとだけ伝えた。おかげで今は少し楽しい関係になっている。
「…だって俺だけ溢れるの嫌だしな。苦労しやがれってんだ。」
「ん?アキバなんか言ったか?」
「なんでもねーよ。早く席つけ、先生来たぞ」
二人がくっつけば俺の居場所は減ってしまう。あの二人に限ってそんなことはしないだろうが、なんとなく俺が気まずくなってしまう。だから、素直に応援できないし少し妬ましい。だが、二人の恋が成就したなら…俺は友人として祝福して応援するとしよう。大事な人達の恋だ。邪魔するのも無粋だろうな。
「終わった…みんな暇だろ?マック行こうぜマック。」
「えー、私モスがいいなー」
「俺はどっちでもいいな」
そんなこんなでやってきた放課後。授業とかお昼とかは面白いこともあんまなかったので端折るとしよう。
いつも飽きない会話をしながらくだらない愚痴を言い合って、のほほんと楽しい空間のまま__
「__ほら、俺らと遊ぼうぜお嬢ちゃん」
「やっ、やめてくださいっ!!」
__可憐な少女が男三人に襲われてるのを見た。
「…なぁ、あれ。」
夏樹がイライラしながら俺たちを見る。俺もわかるぞ。多分違う意味だけど。とりあえず助けないといけない。じゃぁすることは決まってる。
変人と言われてもいい。迷惑だと思われてもいい。誰になんと言われようと笑われようと構わない。ただ、これだけは言わせてくれ。
「__どんなラブコメなんだよおおおぉぉぉぉぉぉ!」
絶叫とともに一人の男の頭に飛び蹴りをくらわせる。とりあえず言わせてくれ。これで良かったよな、ラブコメの神様よ。
「__…朝か…」
誰に伝える訳でもないラブコメへの偏見を考えているうちに朝になっていた。ま、結局のところマンガやアニメのラブコメってのは現実的にはありえないことであり、それを期待する人は哀れだと思っている。
「さて、準備しないとな」
もはやいつもの事だからと受け入れて登校の準備をしていると母が朝食が出来てると叫んでいる。…これもいつもの事なので特に誰も気にしてない。
場所は変わって学校にて。春は出会いと別れの季節とはよく言うが、あんま別れの季節って感じはしない。というのも、この高校は俺が通ってた中学から近い上にそこまで頭がいい訳でもない。俺でも簡単に行けるレベルだったし、割と人気があるらしい。知り合いが多い理由がよくわかるなこれ。
昇降口を抜け、自分の在籍するクラスに向かっていると女子生徒二人が映えるだの可愛いだのとスマホを見ながら笑っている。最近流行ってるインスタとか言うやつか…とりあえずもふもふしてる動物上げたら人気なんじゃねぇの?ちがうのか…?なんて女子相手に言えるわけでもなくただ浅い知識の元考えながら教室に入る。俺は早くも遅くもない丁度いい時間に登校しているのでクラスメイトがボチボチいる。
「よっ、アキバ。相変わらず面白くねえ顔だな」
「おっす…っつか、面白い顔ってなんだよ」
席につき、少しのんびりしているとクラスメイトの大葉夏樹に声をかけれた。人の顔に面白いとかあるんだろうかというツッコミは今更手遅れだ。
「あ、アキバいるじゃん。またお勧めのアニメ教えてよー!」
そんな話をしていたら青宮楓に声をかけられた。夏樹と楓と俺は小中高と全部同じクラスというラノベよろしくレベルの腐れ縁だ。だから知っていることもあるしどの距離で接すればいいかも知ってる。
「そういえば楓、大会はどうだったんだ?」
「んぇ?当然優勝よ!」
楓は中学から水泳を始め、今では全国行けるレベルになっているらしい。全く強そうには見えないが、下手すると俺より強いと思う。
ふふんと胸を張る楓に対して少し疲れた顔をする夏樹。あぁ…昨日もかなり練習に付き合ったのか……。
「…お疲れ、夏樹」
「なんで大会終わった後にまで練習すんだよ…」
…ま、俺の部活も休みだしいいんだけどな。と苦笑いしながらも楽しそうに楓を見る夏樹。その二人を見てふと思い出す。そういえばこいつらお互いのこと好きなんだよなぁ……
最初に聞かされたのは夏樹からだった。昔からの馴染みのせいなのか、ふと気付いたら楓を気にし始めていたと俺に相談していた。アイツは意外と優良物件だから早くしないと盗られるかもよとだけ言っていた。
その数時間後、今度は楓に呼ばれて夏樹が好きだと言われた。中学の頃から練習に付き合ってもらっていたらしく、だんだんときにしはじめたらしい。全くもってテンプレみたいな話だと思う。砕けてしまえ。
俺は両想いだということを伏せ、夏樹は夏樹で優良物件だから気をつけろよーとだけ伝えた。おかげで今は少し楽しい関係になっている。
「…だって俺だけ溢れるの嫌だしな。苦労しやがれってんだ。」
「ん?アキバなんか言ったか?」
「なんでもねーよ。早く席つけ、先生来たぞ」
二人がくっつけば俺の居場所は減ってしまう。あの二人に限ってそんなことはしないだろうが、なんとなく俺が気まずくなってしまう。だから、素直に応援できないし少し妬ましい。だが、二人の恋が成就したなら…俺は友人として祝福して応援するとしよう。大事な人達の恋だ。邪魔するのも無粋だろうな。
「終わった…みんな暇だろ?マック行こうぜマック。」
「えー、私モスがいいなー」
「俺はどっちでもいいな」
そんなこんなでやってきた放課後。授業とかお昼とかは面白いこともあんまなかったので端折るとしよう。
いつも飽きない会話をしながらくだらない愚痴を言い合って、のほほんと楽しい空間のまま__
「__ほら、俺らと遊ぼうぜお嬢ちゃん」
「やっ、やめてくださいっ!!」
__可憐な少女が男三人に襲われてるのを見た。
「…なぁ、あれ。」
夏樹がイライラしながら俺たちを見る。俺もわかるぞ。多分違う意味だけど。とりあえず助けないといけない。じゃぁすることは決まってる。
変人と言われてもいい。迷惑だと思われてもいい。誰になんと言われようと笑われようと構わない。ただ、これだけは言わせてくれ。
「__どんなラブコメなんだよおおおぉぉぉぉぉぉ!」
絶叫とともに一人の男の頭に飛び蹴りをくらわせる。とりあえず言わせてくれ。これで良かったよな、ラブコメの神様よ。
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