涙袋 ~現代居酒屋千夜一夜物語~

与四季団地

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第3章・風雲竜虎編

   第216夜・『幼女ホイホイ』

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 まあ、どんなお店も噂を流されるもので、うちの店も、手作りのアランチーニ(ライスコロッケ)について「出来合いを買ってきてる」などと言われたものだ^^;

 また、「お店の2階は『連れ込み部屋』になっている」とも噂された。
 いや、そういう噂を流すのはツン氏であるのだが・・・。
 その話を聞いた方は、「仮に、マスターが、女を連れ込んでいたとしても、2階はお店でなく、マスターは住んではいないけど、基本 住居だし、あなた、当事者じゃないから関係ないじゃないですか」と言ったそうだ。
 すると、ツン氏、「そうはいきませんよ、そうはいきませんよ(大事だから2回言う)。私は常連として、それを確かめる権利があるのです。そのうち、あの店の2階を検分しようと思っているのです」と言ったとのこと^^;

 ・・・、・・・いや、そもそも、今でこそ、読んだマンガや食材がいっぱい置かれているけど、うちの店の2階は、昔は冷凍庫がポツンと置かれているだけで、いまだにエアコンさえない空間なのである。

 だが!
 先日、多数の女の子たちが、親との食事に間がもたず、2階に遊びに行った。
 すると、しばらくして、「うぎゃー、なんでベタベタしたものがあるんだぁ!」と逃げて降りてきた。
 私は、「くそっ! 逃したか!」と思う。
 2階には、「ネズミ捕り」と言う名の<幼女ホイホイ>が仕掛けてあるからだ。
 本来なら、ベタベタに捕らわれて、生涯を、うちの店の二階で過ごさなくてはならないハズなのだッ!
 が、引っかかった二人の女の子は、「靴下を脱皮する」という技で、罠から逃げてきたのだった。
 ・・・もう、その靴下は「ネズミ捕り」にべったりと付いて剥がれない。
     

 最近のお母さんは、子供におしゃれな服を着せ、靴下も例外でない。
 デザインのハートマークやオラフの絵が悲しい。

 ・・・この靴下二組は、設置された「ネズミ捕り」が廃棄される、その日まで、そのままの状態となる。

                                        (2016/01/27)
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