勇者を狩る者 ブレイブスレイヤーに目覚めた俺は勇者を殺すために最強を目指す

海翔

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アイアンウルフ戦

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「きゃ~!」
「蒼花!『ウィンドカッター』 きゃっ!」

俺の背から蒼花と朱音の悲鳴が聞こえてくる。
声で判断する限り、蒼花が複数の敵に対応出来ず、朱音がフォローしたところを別の個体に狙われたというところだろう。
俺は『火炎剣』を発動して、アイアンウルフを牽制しながら後方の二人を確認すべく振り返った。
朱音と蒼花はそれぞれアイアンウルフに襲いかかられて、のしかかられていたが二人とも辛うじて剣で攻撃を凌いでいた。
もう一匹襲い掛かられれば、耐えられないかもしれない。
一瞬、このまま放置すれば俺が手を下さなくても勇者二人を亡き者に出来るかとも思ったが、身体が勝手に動いていた。
前方に向かって『アイスジャベリン』を放ち、後方の蒼花にのしかかっているアイアンウルフに向かって火炎剣を振るい、そのまま更に踏み込んで返す刃で朱音を襲っているアイアンウルフの首を刎ねる。

「二人共、寝ている暇は無いぞ、すぐに次が来る。立ち上がって戦え!」
「はい、ありがとうございます」
「リュートさん助かったのです」

今この二人に、いなくなられると残りのアイアンウルフを俺一人で相手をする事になる。
それは得策とは言えない。
俺は冷静に判断しただけだ。
ただそれだけだ。礼を言われる筋合いは無い。
二人も状況は分かっているのですぐに立ち上がり、次のアイアンウルフの攻撃に備える。
アイアンウルフ達は先程のやり取りを見て俺がリーダーだとでも判断したのだろう。明らかに先程迄よりも俺に対する攻撃が厳しくなって来た。
攻撃をかけてくる個体の数が一気に倍増した感じだ。
俺はそれに対応する為に出し惜しみ無しで『火炎剣』と『アイスジャベリン』を連発して対応する。
休み無くスキルを発動することはそれなりに負担が大きく、体力と精神力が徐々に削られて行くのを感じる。

「リュートさんありがとうございます」

どうしても朱音と蒼花は手数が不足しがちになり、俺よりも相手にする数は少ないものの、何度か危ないシーンがあり、俺がサポートする回数も増えて来ている。

「それにしても数が多いな……」

一体どれだけの数がいるんだ? 既に相当数のアイアンウルフの死体が横たわっている。死体の数が多すぎる為に戦闘の邪魔にならないよう徐々に移動しながら戦っている。
個々の力はそれほどでも無いが、スピードと鋭い牙での攻撃には注意が必要で、二匹以上を同時に相手にするにはある程度の経験と技術が必要となる。

「うっう……」

声が聞こえて蒼花を見ると腕から血を流しているが、ここで止まってしまえば一気に飲まれる可能性もあるので

「蒼花! そのぐらいかすり傷だ。止まるな腕を動かせ。勇者の力を見せてみろ」
と声をかける。
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