勇者を狩る者 ブレイブスレイヤーに目覚めた俺は勇者を殺すために最強を目指す

海翔

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「リュートさ~ん」
蒼花が俺の腕にしがみついてきた。
「蒼花ちゃんダメです。私だって……」
今度は朱音まで腕にしがみついてきてしまった。
一体この状況はなんだ?
俺だって年頃の男だ。若い女性二人にしがみつかれて何も感じないわけではない。
「お、おい、あたってるぞ」
「あててるんです~」
「なっ……」
「私はあててる訳では無いですけど……」
「それはそうと魔石だ。魔石の回収をするぞ!」
「え~もう少しいいじゃないですか」
「蒼花が全部やってくれるならいいぞ」
「……無理です。リュートさんお願いします」
そう言うと蒼花はすぐに俺から離れて距離を取った。
「ちょっとは手伝えよ。朱音は手伝ってくれるんだよな」
「……少しは」
そう言うと朱音も手を離して俺からす~っと距離を取った。
結局アイアンウルフが三十七匹とシルバーウルフとグレーウルフの魔石が取れたが、結局ほとんど俺一人で取り出す事になり、蒼花は一切手伝わず、朱音も一匹だけ手伝って後は全て俺がやる事となった。
アイアンウルフの魔石もそれなりの大きさをしているが、シルバーウルフとグレーウルフの魔核は格別に大きく色も濃い。
それだけこの二匹は強かったと言う事なのだろう。
三等分したとしても一人当たり一ヶ月以上生活出来るお金が入って来そうだ。
装備を増強したい俺にはありがたい。

「それじゃあ、戻るか。それと魔石は三等分でいいか」
「リュートさん、私に三分の一は多すぎませんか?」
「いや、三人じゃないと危なかったから三等分がいいだろう。ただ魔石を取り出す手間賃として半端になった分だけは俺がもらうぞ」
「リュートさん、実はいい人なのですね」
「リュートさんは前からいい人ですよ」
「どうでもいいが、この量の魔石を俺が一度に換金すると変に思われるから、勇者であるお前らで頼む」
「わかりました」

俺達はそのまま戻り、魔石を買い取ってもらってから別れたが、二人があまりに何度も次回の予定を聞いてくるので一応タイミングが合えば一緒にモンスター狩りに行くと言う事で納得してもらった。
家に帰ってからステータスを確認してみたが各数値が十程度上がっていた。
これはモンスター戦では最大の上昇幅だったが、それだけ今回の群れは強敵ったという事だろう。
ただこれを繰り返せばかなりのステータスアップが望めるのは間違いない。
やはり俺のやっている事は間違いじゃない。
これを続けて絶対に勇者を凌ぐステータスを手に入れてみせる。
それから更に一ヶ月間休まずモンスター退治を続けたが、シルバーウルフに匹敵するモンスターに出会う事は無く、ステータス値の伸びは十に届かなかった。
そして朱音と蒼花とも四度ほど一緒にモンスター狩りに同行したが、蒼花の戦い方が一ヶ月の間にどんどん洗練されていくのを目の当たりにする事となった。
ただ、同行するたびにやたらとくっついてくるので、精神的に消耗してしまい、ソロでの狩りの数倍は疲労してしまった。
ただ、この二人と同行するうちに、男の勇者と違い女性の勇者は、悪ではないのかもと思い始めていた。
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