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二章 カタナの学園生活一年目

2年後 カタナ学園に入学 後編

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 バスの中でカタナはマシロ達と会話をしていた。

「良い、カタ君。学園には通ったら何が起こるか分からないの。カタ君は特にね。もしも何かあったら私に言いなさい」

「はい!」

 健気(けなげ)に返事をするカタナにマシロ達はほのぼのした気持ちになっていた。

 ちなみに、マシロとハルは可愛いと言ってカタナを抱き締めていた。

 バスから降りると、学園は直ぐの所にある。

校門はヒーロー学園アルカナよりも大きくはないとは言え、それでも立派な造りだ。

「ふむ。〈ヒーローエナジー〉64%か…次の新入生は…」

 校門を過ぎた先に居る先生が、端末を見ながら呟いていた。

「先生は何してるの?」

「あれはね、〈ヒーローエナジー〉を測ってるのよ」

「見ていてあげるから行きなさい。何かあったら私が何とかするから!」

 そんな事に後押しされてカタナは、校門を潜り抜けた。

「君が噂のカタナ君か。まあ、いろいろ大変な事になるだろうが頑張りなさい!」

 先生はその言葉だけ言って、それ以後は特に何もしなかった。

 会場の体育館では、既に半分の生徒がいた。カタナは席を探してキョロキョロと当たりを見渡して居ると、後ろから声を掛けられた。

「おーい、カタナじゃん。久しぶり」

「陽炎君久しぶり。お母さん達はどうしたの?」

「母さん達なら客席に行ったよ!」

「僕の家族と同じだね!」

 2人で盛り上がりながら席に着いた。

 席に座ってから30分後、教頭先生が出てきて、開会式を宣言した。

 この後はカタナは良く覚えていない。

 と言うのも、これより来賓挨拶から、カタナの意識は殆ど働いていないからだ。理由は簡単で、挨拶が長くカタナの意識が半分飛んでいたのだ。

「あー。話し長くない。怠い(だるい)」

 とか陽炎や周りの新入生は言っていたがいつの間にか寝ていたりしていた。

「私達の所より長くない?」

「そうね…眠くなるわ!」

 マシロとハルは眠そうに言った。

「これで入学式は終わりです!」

 入学式が終わり真っ先にカタナはマシロ達の元にダッシュした。

「あら、どうしたの?」

「眠い💤」

「ほらここで寝ないの。もう仕方ないわね!」

 ハルがカタナを背負ってカタナ達は家に帰るのだった。

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 カタナ達家族と陽炎一家以外の視点。

 俺達はカタナの家族に釘付けだった。

「な…何でここにSS級の【ヒーロー】がいるんだ?」

「あの子達は、今ちょっとした話題のマシロさんとハルさんよ。あの2人アルカナの学年で1番強いんだって!」

「この前怪人を倒したらしいぞ!」

「あそこの家族美男美女だから羨ましいなー!」

「カスミ様の子、今日入学なんだな!」

「じゃあ、サトシ様とシズエ様の子供は…」

 2人の近くを探すと1人小さな男の子がマシロとハルに守られる様にして居た。

「皆来ないの?」

「そんな目で見ないの。男の子でしょ?」

「うん…」

「俺達は少し離れた所に居るから平気だ。な?」

「分かった!」

 そんなやり取りを見て、((反応が可愛い)) 何て思ってしまった。

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