憧れの副操縦士は、許嫁でした~社長の隠し子CAは、パイロットから一途に溺愛される~

桜城恋詠

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許嫁と過ごす日々

※初夜で愛を交わし合い 2

「ま、待たせたわね……」
「……あぁ……」

 純粋な返答か、残念そうにも聞こえる声は、はっきりしなくてどう反応すればいいかわからなかったけれど――妻が突然バスタオル一枚の姿で出て来たら、夫が驚くのも無理はないでしょうね。

 私は前者の反応だと認識し、彼に身を清めるよう促した。

「入ってきたら?」
「薄着の妻を一人残して、露天風呂を楽しむのはどうかと思うのだが……」
「……ちょっと。突っ込みを入れないで。私だって、恥ずかしいのよ……」

 潤んだ瞳で彼を見上げたのが悪かったのだろう。

 少し距離があったけれど、彼はつかつかと早歩きでこちらにやってくる。
 その勢いはがっつき過ぎて、恐怖を感じた。
 後退りして逃げようとしたけれど、航晴がこちらへ歩み寄ってくるほうが早い。

「千晴……」
「ひゃ……っ!?」

 抱き上げられた私はキングサイズの天蓋つきベッドまで連行され、ふかふかのベッドに横たえられる。
 航晴が身体から手を離す際に、ドサクサに紛れて胸元で止めていたタオルを剥ぎ取ったのが見えた。

「ちょ……っ!」

 彼の前に一糸まとわぬ姿が晒されはしなかったが……。
 悪趣味なセクシーランジェリーを晒す羽目になった私は、顔を真っ赤にしながらもじもじと身体を動かした。

「誘っているのか……?」
「こ、これは……っ。お母さんに、騙されて!」

 悪趣味としかいいようのない、派手な蝶の下着に身を包んだこちらの姿を目にして、彼が茫然と問いかけたのが印象的だった。

 こちらの反論など、耳に入らないのだろう。
 生唾を飲み込むと、色っぽい声で苦しそうに吐き出す。
 
「……すまない。今日は、我慢できそうにない……」
「え……っ!?」

 ちょ、ちょっと待った。私との約束は!?

 大慌てで覆いかぶさってきた彼の胸元を押して拒んだけれど、びくともしない。
 航晴がその気になるとは思わなくて、あっという間に私はパニックに陥った。

「千晴と思いを通わせた、初めての夜だからな。特別なものにしたい……」

 忘れられない思い出にするって、そういうこと!?

 私の口からは、声にならない悲鳴しか出てこなかった。

 最初はバタバタ足を動かして、必死に抵抗していたけれど――黙れと命じる時間すら惜しいのでしょうね。

「んん!」

 噛みつくように唇を奪われたら、こちらも抵抗する気を奪われてしまう。

「ねぇ……っ! ちょっと、待って……!」
「もう、待てない」

 息継ぎの際に唇を離した瞬間を狙い、やめてもらえないかと交渉してみたが……。
 今日は本気で、最後まで肌を重ね合うつもりのようだ。
 彼は再び口を塞ぐと、口内を下で舐め回し味わい尽くした。

「ん……っ! んんぅ……!」

 こうした時は確か、ムードを最優先に考え、目を閉じて与えられる感覚に酔い痴れるのがマナーのはずだけれど……。

 私の痴態だけを航晴に見せ続けているのは、面白くない。
 普段と異なる彼の余裕がない表情を楽しむためだけに目を見開き、航晴の姿を堪能していた。


「随分、余裕だな……」
「がっつきすぎなのよ」
「仕方ないだろう。ずっとこの日を、待ち望んでいた」
「……っ!?」

 責めるような視線を向ければ、熱を帯びた瞳に触発されるように彼が私の身体に指を這わせる。

「ぁ……っ!」

 二度の愛撫を受けた身体は、彼が触れるたびに快楽を求めて火照り、航晴と一つになる時を待ち望んでいた。

 私だって、誰にも言えなかったけれど。
 彼と、同じ気持ちだったのだから……。

 結婚式も終わったし、誰かに遠慮する必要もない。
 今こそ心の奥底に留めていた気持ちを、解放する時だ。

「航晴しか、考えられなくして……!」
「君は、どうしてそう……」

 苦笑いをしながら頭を抑えた彼は目を閉じると、ゆっくりと開く。
 その瞳はギラギラと私を見つめ、絶対に逃さないと雄弁に語っていた。

「煽った責任は、取ってもらうぞ」

 そんなつもりなど、なかったのに。
 彼はいつもより激しく私の身体へ指を這わせると、的確に快感を与えてくる。

「ひゃ、ぁ……っ!?」

 お母さんからプレゼントしてもらった、セクシーランジェリーの効果は抜群だ。
 いつもよりも荒い息を吐き出して余裕のなさそうな彼は、胸元を覆い隠すブラジャーを剥ぎ取った。

 思わずビクリと身体を震わせ逃げようとすれば、露わになった胸の頂に唇を寄せて吸いついてくる。

「んぅ……っ!」

 舌で転がすように刺激されたかと思えば、歯を立てて噛みつく。
 激しい責め苦に、身を捩って逃れたくなるほどの快楽を得てしまう。

「ゃあ……っ。それ……っ。恥ずかしぃ、から……っ!」
「恥じらう千晴も、かわいらしい……」
「か、かわいくないから……!」
「照れてるのか」
「ん……っ! 全部……っ。航晴が、悪いのよ……っ!」

 なぜ自分が悪者になっているのだろう。そんなきょとんとした顔で私を見つめた航晴は、今まで見たこともない表情をしていてキュンと来てしまった。

 よかった。秘所の胎内に、指が挿入されていなくて。
 もしも差し込まれていれば……。
 きっと、締めつけていただろうから。
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