異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

文字の大きさ
151 / 241
第4章『猫耳貴族を復興させる事にした』

ルルブラン商会と獣人族の男

しおりを挟む
二日程経った頃
大体の目安で行った森林の伐採があらかた片付いた為、ユートは現在ルルブラン商会に足を運んでいた

その目的は街づくりには欠かせない資材の調達と国からの人員だけでは物足りないと予想した為、その確保にも来ていた

ルルブラン商会ではありとあらゆる売買や契約の仲介が行われる
国の上層部の人間や人には言えないような闇の組織の者などピンからキリまであらゆる人間がここのルルブラン商会を利用する…

「うわぁ~…広いっすね…」
ドーラは中に入ると同時に視界に入ってくる黄金に目移りする
先程述べた様にここでは貴族なども理由する為見た目には最大限の注意を図っている…天井から床…トイレに至るまで黄金に満ち溢れていて自らの姿が映し出されている

ユート達はそんな中で受付まで行く

「いらっしゃいませ、ルルブラン商会へようこそ」
「冒険者ユート様ですね、シオン会頭を呼んでまいりますので待合所にてお待ちを」
受付嬢に案内されて受付の隣の屏風びょうぶに隠れているふかふかなソファーに座ってシオンを待つ事にした

「うぅ~…緊張するっす…」
ドーラが緊張するのも無理はないのだろう
例えるならば田舎から上京してきた女の子が、煌びやかな街並みに自らのいかにも田舎チックな服装に恥ずかしさを覚えて身構える感覚と似ているだろう

「……ユート君…」
レイカも身構えているがドーラとはまったく異なる理由である

「わかってる…地下だな…」
ユートもレイカが身構えた理由と同じ理由で身構えた
その理由と言うのが地下から感じる異様なオーラと言うべきか…強い怨念を感じるのだ、このオーラの強さは以前であった悪魔『ガミジン』と同じくらいだろう

そんな風にユート達が構えていると受付嬢の悲鳴が聞こえてきた
ユート達は何かと思い屏風の間から覗いてみると…そこには受付嬢に『氷槍アイスレイ』の魔法を発動して突き立てている覆面の男の姿があった

「っ!!早く助けるっす!」
ドーラはハンマーを構えて受付嬢を助けに行こうとする
しかしユートはそんなドーラの襟足を掴んで救出を阻止する

「いたた…ユート様!何するんすか!あのままじゃ受付嬢さんが!」
ドーラはそう言ってユートに対して文句を言うとユートは小さな声で呟く

「そろそろが来るな…」
ユートのその呟きにドーラが首を傾げていると今度は男の悲鳴が聞こえてきた
ドーラがまた覗いてみると…そこには異様な光景が広がっていた

数十本程の『黒い腕』が地面を通り抜けて覆面の男の顔や腕等の全身を掴み地面に引きずり込んだ
ドーラはそれを見て口をポカンと開けていた

「なな…なんなんすか!!!」
ドーラは先程まで男がいた場所を指さしてユートに問い詰める
しかしユートは「さぁ?」と言って一瞬はぐらかす

「闇魔法の一種だな…流石の俺でもに掴まれたら一溜りもなさそうだ」
「だがまぁ安心しな…商会の中で犯行を行わなきゃ出てこねぇから」
ユートはそう言いながらドーラの頭を撫でる

すると手を叩いて笑いながらシオンがやってきた
「あはは…いやぁ神様にそこまで言われるなんて嬉しい限りだよ」
「まぁとりあえず個室に行こうか、今日はなんの御用かな?」



「成程…風の噂程度に聞いていたのだけれどユート君が街を作るってのは本当の話だったのか」
「それで私の商会でその資材の調達をって事かな?」
シオンのネットワークにより既にあの一件は耳に入っていたらしい

「あぁ、工事の間は定期的に必要な資材の配達も頼みたい…それから奴隷も100人程必要だ」
人員は確かに王国から手配されるが…たとえ王命とはいえ得体の知れない冒険者の開拓には手を貸す者は多くない
その為人員は自らで少ない場合は埋めなきゃいけないのだ


「力仕事を任せたいからそう言った事に長けた者を買いたい…性別や種族は問わない…量より質だ」
「無論、『解放』分の値段も払う」
『解放』とは奴隷解放の事である
今回の街開発に万が一の事があれば家族諸共なにがあるか分からない…その為ユートにとって奴隷の購入は苦渋の選択ではあるがこうでもしなければ首が飛ぶかもしれないのだ

だが…せめて自分が買った奴隷達には今後苦しい人生を歩んで欲しくないと思ったユートは買った全ての奴隷を多額の金を支払って解放する事にしたのだった

「それでは自分で見てくるかい?」
「さっきから地下の様子が気になってるみたいだからさ…ユート君もレイカもね」
シオンは含み笑いでユート達にそう提案し、ユートはその提案を受け入れて奴隷の保管庫である地下へと進んだ



保管庫と言ってもとても衛生的であった
誰しもが考える家畜部屋の様な不衛生なわけではなく…それぞれの奴隷に厳重に鍵が掛けられてはいるが一人一部屋与えられ…トイレや風呂も完備していた

「奴隷であっても一人の人間である事には変わらないからね…恐らくユート君達が気になってるのは一昨日やってきた奴隷の事だと思うよ」
シオンにそう言って誘われて奥へと進んでいく

…道中に先程の覆面の男がいたような気がするが気のせいだと思いたい…

「ほら…この人だね」
シオンが立ち止まって指を指す方向には予想打にしていなかった光景が目に飛び込んできた

そこにいたのは『獣人族』の男であった
だが…左腕と右足が無くなっており残った手足の爪も全て剥がれている
全身が火傷しており呼吸器官も多少焼かれたのか呼吸が安定していない

「この人はあの『ニュクス』の街から逃げ出してきたみたいなんだ…所謂『借金奴隷』って奴さ」
ユートはその説明を殆ど聞き流しそっと近づいて部屋の鍵を開ける

獣人族の男は舌がない為喋る事ができなかったが近づいてくるユートに対して睨みつけて威嚇をする
後ろにいるドーラは怯えてレイカの背後に隠れている

「今日からお前の人生は俺が買おう」
「だが安心しな、先に解放してやる…その代わりに俺にお前の力を貸してくれ…」
ユートのその言葉に少しは緊張が揺らいだのか睨むのを辞めてまた床に就く

「残りの99人はレイカ達と一緒に探してくれ」
「サイフはレイカが持ってるから金の事ならレイカに頼むぞ」
ユートはそう言い残すとその獣人族の男と共に転移ワープでどこかへ行ってしまった
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~

深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】 異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...