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第4章『猫耳貴族を復興させる事にした』

生命遊戯とリヘロゲーム

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生命遊戯リヘロゲーム
それは一年に一度、世界各地の王族や貴族達が己の知力と権力と財力の限りを尽くして競い合うニュクスの古くからあるゲーム
このゲームを勝ち抜けばニュクスが用意した奴隷や多額の金を得る事が出来る…年によってはそれ以上の景品が付くことも…
 
このゲームによって亡国寸前の国が巨万の富を獲得して復興した事も…逆にその国の名を全土に広げる程の権力を持つ国が一夜にして滅亡した事も…
これまでに滅亡した国は数知れず…と言われるこのゲームでは国の存亡が掛かる程の多額の金が賭けられるのだ

そのゲーム内容は毎年変わっていて対策のしようがないのだ
それ故に星の数程あるゲームの中から予測を立てて白星目指してしのぎを削るのだ


そして今から八年前にとある国の貴族がこの生命遊戯リヘロゲームに参加した…その貴族の家名は《ルーズベルト家》その国の中では獣人でありながらも多額の金と領土を得ていた

だが…生命遊戯リヘロゲームではそんな事は関係なく万物に平等に死を与える…《ルーズベルト家》は一夜にして没落し…家族全員が奴隷になってしまう危機に陥った

ルーズベルト家の家長ラニオス・ルーズベルトには一人の娘がいた…その娘の名は『アルカナ・ルーズベルト』である
まだ五歳であったアルカナを奴隷にする訳にはいかないと思ったラニオスはアルカナをユースティアに送られる物資の中に潜ませてニュクスから脱出させたのだ

そして…その際にアルカナに自らの事や生命遊戯リヘロゲームに関わる事の全てを『忘却魔法』によって記憶の一切を消したのであった 




「つまり…アルカの両親は現在もニュクスで労働させられてるって訳か…」
ユートとアルカは一通りの説明を受けてアルカがオウミの事を知らなかった理由はわかった…
だが、ユートは一つ突っかかる事があった

生命遊戯リヘロゲームについては大体わかった…」
「だが…その話の内容でアルカをニュクスに連れ戻す理由がわからないな、アルカを態々奴隷にする為にニュクスに連れ戻すのか?バカ言うな、そんな事を俺が許すとでも思ったか?」
ユートはそう言ってオウミに詰め寄るとオウミはまた口を開く

「ラニオス様と母上様のリーディア様が…今回の生命遊戯リヘロゲームの景品の一つに選ばれたのでござる…」

アルカはそれを聞いた途端に背中に冷や汗が伝わり呼吸が荒くなる…確かに両親の事など毛頭覚えていないが…自分の両親が奴隷になっていて尚且つゲームの景品になると言われたのだ…冷静でいる方がおかしいのだろう

ユートは生命遊戯リヘロゲームが開催されるのはいつか尋ねると
「半年後…エントリー期間が四ヶ月後でござるが…そこから二ヶ月の間はニュクスにて生活するのがルールとなってるでござる…理由としては一旦エントリーした後に対戦相手の強さに応じて選手を交換しないようにということでござる」

ユートは頭を悩ませる…
その理由が開催が半年後…それはつまりこの森を立派な街に開発しなければならない期間と被ってしまっている…
さらに言えばラスト二ヶ月もここから離れなければならないと言うのだ…

「アルカを連れていくのならば俺も行く…御両親に挨拶もしてなかったからな…だが時期が…どうすれば良いんだ…」
ユートは椅子に座り込み茶を啜る…少しでも頭の回転を早めるためだ…だが一向に妙案が出てこない…

そもそもゲームに参加するにしてもそんな金もないしユートにはまだそれ相応の地位が無い…知り合いの貴族や王族と言っても気軽に頼めるわけが無い…存亡がかかる程の無茶を頼み込める知り合いがいる訳が…
そう思っていると脳内に電流が走った

「いた…大量の金を持っていて尚且つ既に亡んでいるが王族の奴が…」
ユートは立ち上がりオウミにこう告げる

「わかった、そのゲームにアルカを参加させよう…その際のメンツは俺が揃えるが構わないよな?」
ユートがそう言うとアルカは文句を言いたそうに口を開こうとするがユートはアルカの唇を抑えて声を出させない

「了解でござる…それでは四ヶ月後にまたここに来るでござる…アルカ様の為に粉骨砕身、死力を尽くすでござる」
オウミはそう言って窓から館を出ていった…その後にアルカが窓から顔を覗かせるが…既にオウミの姿はどこにもなかった

「ユート!なんで勝手に参加するなんて…そもそもこんなゲームに参加してくれる知り合いって誰なんですか?」
アルカはそう言ってユートに詰め寄るがユートは適当にはぐらかす

「まぁ俺を信じろアルカ、大丈夫だ…ちゃんと後で言うさ」
ユートはそう言って客室を出ていった


「…何だか嫌な予感がする、でもユートなら大丈夫ですよね?」
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