異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

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第4章『猫耳貴族を復興させる事にした』

生命遊戯の本質と撃ち抜く心

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少女は最後、何も言葉を発することなく鉄球をアルカに振り下ろした

だが…振り下ろした鉄球をスグに引き寄せて辺りの警戒を始める
鉄球を見ると血が付着していない、正確には付着してはいるが人を完全に押し潰した…まるでトマトを潰した時のような血の跡が無いという事である


「ハァ…ハァ…危機一髪でした…ユートが助けてくれていなければ…私は死んでいた所ですね…問題はここからです…どうやればあの女の子から逃げられるのでしょうか…」
なるべく物音を立てない様に教会の柱の陰に隠れるアルカは、自らの昂っている呼吸すらも押し殺していた

アルカが鎖の音に耳を澄ませていたその時、急に鎖の音が消えて当たりが無音の世界へと豹変した
アルカの心音がまるで流れる滝のように激しく、荒々しく鼓動をし始める

次の瞬間、右の方から本当に小さく鎖の擦れる音が聞こえてきた
アルカは咄嗟にその場に伏せると…教会の柱をへし折りながら鉄球がアルカの僅か数mmの所で擦れていった

アルカはここにいては死ぬと直感し走ってその場から離れる
すると、頭上から少女が身体の周りで鉄球を乱回転させながら落ちてきた

アルカは何とか姿勢を崩しながらも後方に転がるように避けるが…少女の攻撃の手は緩める事を知らず、少女は着地した瞬間に体勢が不安定な状態のままアルカに向かって鉄球を飛ばし、アルカの事を教会の壁に叩きつける

壁に叩き付けられたアルカは内蔵や骨が酷く損傷してしまい、口から血を吐き出してしまう…手足ももう指先を動かすのがやっとであり、とてもでは無いがもう歩く事すら不可能であろう

そんなアルカに躊躇などしないのがこのゲームの残酷な所であり、アルカという生命の死を意味する
この『生命遊戯リヘロゲーム』の名の通り…このゲームに参加した時点で選手の生命はまるで羽虫が如く『軽い命リヘロ』となるのだ


少女は今度こそアルカに確実にトドメを刺す為に狙いを定める
そして、少女は無慈悲に冷血に鉄球を振り下ろす

アルカは全身の力を抜いて『死』という不条理を受け止める
瞼を閉じてゆっくりと深い深い意識の底に堕ちていった


手応えはあった、確かにグシャリと潰した
だが…、潰れた筈が

少女は困惑していた、困惑せざるを得なかった
何故なら…目の前で死んでいたのは見ず知らずの人であったからだ

少女は探す、殺す為に探す、アルカを完璧に殺す為に探す
アルカは探す、探す為に殺す、少女を完璧に殺す為に探す
ならば何故探す、少女は自らを殺す為にアルカを探すのか…少女はアルカを殺す為に探すのか…

少女の脳内で文字列が動く、ウゴメき回る
少女は遂に脳がショートしてしまい、鼻血を出して倒れてしまった



二十数分が経った頃、アルカが目を覚ました
いつの間にか全身の折れた骨や破れた内蔵が全て治っており立ち上がる事が出来たが…流石に立った瞬間は目眩が襲いふらついてしまう

アルカは辺りを見渡すと…目の前で少女が倒れているのを見つけた
今なら容易に逃げられるであろう…そう思ったアルカは早速逃げようと出口に向かって走り出すが…途中で止まり少女を教会の椅子に座らせた

すると、少女が目覚めてスグにアルカを殺そうとかするが…自分の身体の無事なのがわかると攻撃を中断してアルカを見入る

「あの…大丈夫ですか?」
アルカは少女に話し掛ける、少女はしばらく黙り込んだ後に返答する

Jaヤー(大丈夫ですが、なぜ助けたのですか…私はアナタを殺そうとした…なのに何故助けましたか?情けですか?無用なものです早く殺してください)」
少女がそう伝えた次の瞬間、教会の中にパチンと音が響き渡る

「命を粗末にしないでください!」 
少女は何が起きたのか分からず困惑する、自分の頬がヒリヒリと痛くなっていくのを感じてようやく把握する
自分は今…叩かれたのだと…

Neinナイン(何を言っている、私等所詮替えがきく代用品だ…アナタにどう言われようが知った事ではないし言われる筋合いもありません)」
少女がそう言って下を向いて俯いていると…アルカは少女の頬をつまんで顔をあげて目線を合わせる

「アナタは物では無いんです!一人の人なんです!」
「生きてください!生きてて欲しいんです!」
単純にして明快なその言葉は少女の胸を強く撃ち抜いた

「…………」
少女は言葉が出なかった…今までにここまで目線を合わせて…素直な気持ちをぶつけられた事など無かった…だからこそ…それだけで少女は救われた気がした


「…ありが…と…う」
少女の声が聞こえてくる、とても優しく…暖かい気持ちになる声であった
少女は立ち上がり、教会を出ていこうとする

「お願い…私をクロウディアさんの所に連れて行ってくれる?」
アルカはそう言って頭を下げて少女に頼み込む

「…Jaヤー(早く着いてきて、ここ爆破するから)」
少女がそう言うと同時に教会の床の全面に魔法陣が展開される
アルカは一目散に出口に向かって走っていった

少女がアルカが出た事を確認すると…魔法陣を発動させて教会を吹き飛ばす


『手伝った方が良いか?』
少女の脳内にソンブラの声が聞こえてくる

Neinナイン(余計なお世話だ)」
少女はそう言って速攻でソンブラとの会話を終わらせるとクロウディアを閉じ込めている所にアルカを案内し始めた
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