異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

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第4章『猫耳貴族を復興させる事にした』

後攻開始と武舞変幻

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今度はユートとパサルが妨害側である
パサルを妨害役に選んだのは単純にして誰にでもわかる理由である…

「さぁて…どんな事をしてやろうかしら…ゾクゾクするわぁ…」
パサル程今回のルール、及び妨害に向いている人間は存在しないだろう…パサルとは如何にして他人オモチャを弄ぶかを常に考えているのだ

ユートとしては、パサル一人に一任して全て託しきってしまうのが楽だと考えていたが…パサルに全てを任せると言うのは不安要素を無視して行う事であり、危険な賭けでもあるのだ


『それでは~本戦後攻戦…スタ~トォ!』


開始の合図と共に、会場の地面が急激に揺れ始める
ユート達は地震かと思ったが…観客達の様子から察するに、揺れているのはユート達が立っている箇所だけのようである

それはつまり…救出役の攻撃だという事の裏付けである

時間が経つにつれて揺れが徐々に激しくなってきている
ユートは地面に耳を付け音を聞いてみると…『ガガガガ』と岩を削るような音が近付いてきているのを知ると、ユートとパサルは即座にその場から離れる

離れてから数秒が経過した所でユート達が先程立っていた地面に大きな穴が空き、ユート達を地面の中に閉じ込めようとしていたのが確認できた

そして、その穴からバトル・ロワイヤルの時に話し掛けてきたエミが大きな鉤爪を装着して登場する
エミが着地すると、手に付けていた鉤爪の形が変化していき…中性的な女の子になりその場に倒れ込む

「なんやぁ?『武舞変幻ブキモルフォーゼ』一回でへばってちゃこの先大変やよ?ウチは休んでいられへんさかい、ノアはんはあちらで休んでおっても良かよ~」
エミがそう言うと、ノアと呼ばれた女の子は立ち上がり首を激しく横に振り否定の意を示す…どうやら話す事が出来ないようだ

「ほな、目の前にユートはんがいるからなぁ…隣にいるパサルはんはウチのリョーはんで遊んでまう程強いんや…最初から上げていくで~ノアはん」

エミはそう言ってノアの顔を見て手をかざすとノアの身体が変化していき…刃の部分がワイヤーで繋がれ、その刃と刃の間は等間隔に分かれておりムチのように扱うことも出来る『蛇腹剣』と呼ばれる武器に変化した

ユートはその武器を見て少し違和感を覚える
蛇腹剣はとてもロマン溢れる武器であり…ユートも以前、鏡花水月を造ってもらう前にドーラに蛇腹剣を制作してもらったのだが…

ムチとしての運用も兼ねなくてはいけない為、刃の強度が下がりマトモに物を斬ることは出来ないのだ
それだけではなく、ワイヤーに装着している刃はムチとしてしならせている時は…刃が不規則な回転を生んでしまい遠くの敵を斬りつけられるという蛇腹剣の理想がまったく出来ないのだ

その為、蛇腹剣は所詮はロマンを追い求める武器であり…実戦で使う事は不可能という『ロマン武器』の代表格と言っても過言ではない武器なのである


ユートがそんな事を考えていると、エミはユートに向かって蛇腹剣をしならせて攻撃を繰り出してくる…当たらないと高を括っていたが…次の瞬間、ユートの身体に大きな斬り跡が残り血が噴き出してきた

ユートは即座にその場から飛んで逃げる様に離れる
その後、『錬成士アルケミスト』で周りの肌を引き伸ばし傷口を塞ぐ…中にある血管等も応急ではあるが繋いでおいた

そして、ユートは蛇腹剣のフォルムをまた見始める
その理由は…である

仮にエミが持っているノアと呼ばれる女の子が変化した蛇腹剣が、理論上の物とほぼ同格な物であれば…ムチの様にしなり不規則な動きをする斬撃を回避するのはユートであっても困難なのである

「ほな…どんどんいかせて貰いまひょかね」
エミはそう言って、今度は下からも上に挙げる様にムチをしならせてパサルを攻撃する…ユートはいざとなれば自信が身を挺して庇おうと思っていたが…余計なお世話だったようだ

パサルは…と言うよりも蛇というのはピット器官と呼ばれる赤外線を感じる事の出来る器官が存在しており…蛇腹剣と言っても所詮は人間が変化している為、赤外線を発している

ならば…パサルは目の『視覚』、耳の『聴覚』、空気の流れを読み取る『触覚』そして赤外線を感じ取る『ピット器官』の四つと完全に蛇腹剣は見切る体制は整っている

「ふぁ~…ユートちゃんってこんなのに当たったの~」
「ぷ~くすくす!!ユートちゃんも落ちぶれたんじゃないの~」
パサルはそう言ってユートを指差して腹を抱えて笑っている

「…そろそろ頃合いやなぁ…」
エミはそう言って不敵に笑った
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