もちもちなふたり。

×本きなこ

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僕ともっちー

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将来は絶対なるはやで結婚して

子供も30歳になるまでには生んで

家族で一軒家に棲んで

休みの日はママに子供の顔見せに行って・・・

ママの言う通り普通の幸せな女の子になるんだ!!

なーんて、もう思えなくなっちゃったし

初恋は女の子だし

一目惚れだったし

そしたら最初は応援するみたいな顔してたくせに

なんかこっそりスマホのエロ画像見られてクッソ怒られて

おっぴろげ~でおったまげーーーーーとか

今となっちゃくだらないギャグ思いつくぐらい呆れてるけど

ちぇ、ちょっと盛んだっただけじゃん・・・

好きだったらそりゃセッ〇スもするっしょ!

そっからずっと監視されるようになって

家嫌いになったし

彼女とも喧嘩別れして、大学受験は落ちて

代わりに専門学校で好きなこと(金になる仕事に繋がるのが必須条件)勉強して

なんかもう煩悩しかなくなって

遊びまくったし

自分クズだなって思うし

彼女と別れてからの家族の態度の変化にもイライラして

やっとのこと東京に出てきた

はい、僕がアキコです。





*




「うわっ、空気悪っ!!耳クソ毎日溜まって困ってるんですけどーーー」

職場を出た直後思わず出た一声がこれ・・・

東京に住み始めてまだ1ヵ月。

友達も少ないし

新しい仕事よくわかんないけど、とにかく使えないって1日100回は言われるし

言ってくる方もすげーわ・・・

もう既に東京辛い・・・

≪ピロロン≫

「あ、もっちーからメッセージ」

『アキたん、今度の土曜日遊べそうなんだけど、どう?』

ふむ・・・

もっちーとは僕が高3の頃に始めたチャットアプリで知り合った友達で

2年ぐらい会う機会がないのにやり取りが続いている貴重な東京の友達だ。

こっちに来てからもしばらく忙しくて遊べないって聞いてたけど、

せっかく会えるならちょっとだけ遊びに行こうかな?

「いいよ!仕事終わりだから、16時以降とかになっちゃうけどいい?」

『おっけー!わーい///』

ま、耳クソは溜まるけど東京に来たのは良かったかもしれんな♪

その日はルンルンで家に帰った。


*


もっちーとは趣味繋がりで知り合った。

お互い中性的なタイプで

服装とか話もあったし

もっちーとやり取りしてると

なんかもっちーが可愛くて永遠に返事しちゃうんだよなぁ・・・

ほっとけなくって気付いたら連絡先交換してずっと何でもない会話してる

正直会ったこともないネットの友達に東京で会うって危ないかもしれないし

会ってみたら大人数の男が・・・とか

呼び出されてドタキャン、待ち合わせ場所が新宿で狩られる・・・とか

もっちーじゃない人がきて襲われる・・・

二人でいたら職質されて夜中まで遊べない・・・

二人丸ごと狩られる・・・

もっちーさらわれる・・・

いや、最悪のパターンに備えてプランは入念に組んだ方が・・・

≪ピロロン≫

「あ」

『水曜日池袋でもいい?学生のころよく行ってたから案内もしてあげられるし!』

んー・・・。

まず池袋がわからない。有名なのか?どこだ・・・

家から近いか?どこなんだ!!

安全か?狩人はいないか?何があるんだ?!

池袋 検索

アニメイト・・・?お?

サンシャインシティ?ゲームの世界具現化でもしてるのか?

街の名前英語なの?何それにっぽん???

こんわぁぁぁぁぁぁああああっっっ!!!!

ということで、待ち合わせは池袋に無事決まったのであった。




*



ー当日ー

何とか池袋にたどり着いたけど、人が多い!!!

見つけられる自信ない・・・

もっちー小さくてセミロングで可愛いぐらいしかわからんし・・・

もっちー絶対マスクしてくるし・・・

僕は半泣きで待った。

半泣きな僕の前でドン・〇ホーテの愉快な歌がゆるゆると流れ続けていた。

「もっちぃー・・・」

半分寝かけてた僕の肩をポンポンと急に誰かに叩かれて僕は飛び上がった。

「アキたんおまたせ!」

そこにはちっこいセミロングの女の子が立っていた。

「も、もっちー?」

「そだぞぉ~!アキたん、やっと会えたね///ちょっとだきついちゃってもい?」

「ふぇっ!ふぅええ?!!!」

唐突なハグに耳まで赤くなってるのを見られたくなくってドン・〇ホーテの歌を頭の中で口ずさむ

「アキたん待たせちゃってごめんねぇ、お腹すいたしょ?ごはんどこいく?」

「ぼ、僕は肉だったらなんでもいいぞ!!」

「そっかぁ!お肉かぁ、ならハンバーグ屋さんにっしょ!」

か、可愛い・・・ハンバーグとかどうでもいいからもっちー食べたい・・・

食べるっつうか愛でたい、愛しい、むぎゅむぎゅしたい・・・

ってか付き合い・・・

「アキたん?」

「たいいいいぃ!?はいっ!はい?なんでしょうおもち様」

「どったの(笑)緊張してりゅ?」

「してないよー!」

「僕は緊張してるぞ・・・///あ、ここ!」

もっちーが止まって指さしたお店に二人で入った。

「おまたせしました。」

「おぉ~!うまそう!もっちーここよくくんの?」

「うーん、まぁまぁかなぁ?でも昔しょっちゅう来てたし好きだよぉ」


「そっか・・・、ところでさ、もっちーやっぱめっちゃ可愛いのな。」

「え!?」

「だって髪もサラサラで顔もかわいいしちっこいし中性的な格好してても女の子だなぁって思うし・・・」

「あれ、アキたん・・・?」

「ん?どった?もっちー、照れた?」

「いや、僕男だよって前にも言った気がするんだけど・・・」


「・・・。」




*




ハンバーグを食べてからもっちーと意味もなくハ〇ズとか見て回ったりしたけど、どっからどう見てももっちーは女の子だし、行動も女の子だし可愛いもの好きで可愛いものばっかり見漁ってるし・・・
男子トイレに当たり前のようにフラッと入っていくとめちゃヒヤヒヤするし、出てきたら毎回ふくれっ面だし・・
これは・・・

「もっちー、裸見るまでもっちーを男の子だとは信じられないよ(真顔)」

「!?なんでー!?じゃあ今度はアキたんのお家にお泊りに行くからねっ!」

「!?なんでっ!?そうなるんだっ・・・!」

「なんででもぉーーーー!!!」

ということで、初めて会った日にお泊りの約束を自称男の子(どう見ても女の子)に取り付けられた僕。
いったいどうなってしまうんだ!?


次回、「もっちーの正体?!」お楽しみに!
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