専属【ガイド】になりませんか?!〜異世界で溺愛されました

sora

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16.再会

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叫び声の方へ走って行くと、路地裏にエスパーが一人倒れていた。やっぱり人がいた!!
 周りに魔物の気配はない。
まずは息があるか確認だ。

 (良かった。気絶してるだけみたいだ。)
 手に触れて気を送ろうとした時、人の気配を感じて手を離す。
「!?」
 
 振り向くと男が一人立っていた。
 暗くて顔がよく見えない。
 今この辺りはエスパーとガイドしか入れないはず……
「あなたもエスパー?早く ここから離れないと。手を貸してくれませんか?……あ!あなたも傷が!?」
 足元に血が付いている。
「手を。」
 怪我をしているなら、ガイディングで止血しないと。
「……」
 無言の彼は、少し かがんで俺の手を優しく握った。
その瞬間、ぶわっと体が熱くなる。
「!?な!?」
 (なんだ!?体が熱い…)
 バッと手を離し、本能的に ここから逃げなければと、立ち上がろうとしたが、遅かった……
 数本の触手が現れ、俺の腕を壁へと捕らえた。
「痛…っ」
 彼が近づき顔が はっきり見えた。
 
 褐色の肌に黒い髪、赤い瞳をした青年だ。
黒いオーラを発した青年は、じっと俺を見ている。触手は彼の背中から伸びているようで、人間でないのは確かだ。魔族だろうか。
ふと、みんなが話していた【赤い眼の悪魔】を思い出す。
ダンジョンに度々目撃される赤い眼の悪魔。
やつの周りには魔物が現れ、しばらくすると姿を消すらしい。

(や、やばい…!俺、ここで死ぬのか…!?)
「名前は?」
急に話しかけられ、とまどう。
しかし、状況の悪さに 従うしかないかと、半ば諦めて答えた。
「…アルフィ・ルイス。」
「アルフィ…。俺はダニエル。…やっと、また会えたね。」
 そう言いながら、ダニエルと名乗った青年は俺に近づく。
(また会えた?…俺は初めて会ったはずだけど?)
なんて思っていたら、ぐいっとあごをあげられた。
チュッ
彼の唇が俺の唇に触れた。
「!?や、」
離れたと思ったら、またすぐに塞がれた。
やめろ、と言う前に彼の舌が中に入りこみ舌を絡め取られる。
嫌なのに、体が言うことを聞かない。
クチュッと音がして、恥ずかしさが込み上げてきた。
でも、なぜか体は熱くなり、抵抗するどころか彼に身を委ねてしまっている。
「ん…っ」
ズボンのボタンを外され下着ごしに俺のものを触られてしまった。
「感じてくれて嬉しいよ。」
「感じてなんか…ッ」
いない、と言いたかったがアソコは熱を持って固くなっていた。
(どうして体が反応するんだよ!?早く逃げないと…っ)
何をされるか わからない不安で焦りを隠せない。
ダニエルは、嬉しそうに俺を見ていた。
そして、違和感を感じた。

この赤い瞳を持つ彼と、俺のよく知る男の残像が重なって見えた。
「…?」

(俺は、この男を知っている───)


雪夜ゆきや……?」
ニコッと笑った彼は嬉しそうに話しだした。
「気づいてくれて、嬉しいよ。秋都。」
 まさか、【赤い眼の悪魔】が雪夜だなんて。
 (魔族に憑依転生したってことだよな?)
 なぜ、俺にキスを?挨拶にしては、度を越している。
 
「三年……俺は、ずっとお前を探してた。でも全然見つからないしさ。この世界も憎くなって…。」
「…三年!?俺が来たのは2カ月くらい前だよ?!」
「黒い球体に入ったのが少し遅かったからかな?俺も驚いたよ。」
「ダンジョンを出現させていたのは……お前なのか?」
 (やばい、体が熱いせいで、力が抜ける…)
「そうだよ。ゲートを開いてる間だけ、こっちに降りてこれるんだ。お前がこっちにいるんじゃないかって。実は前回、お前を見かけたんだ。ゲートが破られて、近くに行けなかったけど。」
「どうして……」
 どうして、ここの人を苦しめるんだ?今まで、どうしてた?聞きたいことが、たくさんある。
「ここじゃ、ゆっくり話せないね。秋都、俺と一緒に来て。俺とまた一緒に暮らそう?」
 
 フッとセオとレオンの顔が浮かぶ。
「……ごめん、行けない。」
 いろいろ聞きたいことはあるけど、今ここを離れるのは帰って来られない気がして嫌だった。
「秋……」
 キラッッ
 何か光ったと思ったら、尖った氷のカケラが無数に雪夜 目がけて飛んで来た。
 それを避ける雪夜。
「……っ」
「アルフィ!!!」
 現れたのはレオンだった。
 
 
 
 
 
 
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