17 / 36
16.再会
しおりを挟む
叫び声の方へ走って行くと、路地裏にエスパーが一人倒れていた。やっぱり人がいた!!
周りに魔物の気配はない。
まずは息があるか確認だ。
(良かった。気絶してるだけみたいだ。)
手に触れて気を送ろうとした時、人の気配を感じて手を離す。
「!?」
振り向くと男が一人立っていた。
暗くて顔がよく見えない。
今この辺りはエスパーとガイドしか入れないはず……
「あなたもエスパー?早く ここから離れないと。手を貸してくれませんか?……あ!あなたも傷が!?」
足元に血が付いている。
「手を。」
怪我をしているなら、ガイディングで止血しないと。
「……」
無言の彼は、少し かがんで俺の手を優しく握った。
その瞬間、ぶわっと体が熱くなる。
「!?な!?」
(なんだ!?体が熱い…)
バッと手を離し、本能的に ここから逃げなければと、立ち上がろうとしたが、遅かった……
数本の触手が現れ、俺の腕を壁へと捕らえた。
「痛…っ」
彼が近づき顔が はっきり見えた。
褐色の肌に黒い髪、赤い瞳をした青年だ。
黒いオーラを発した青年は、じっと俺を見ている。触手は彼の背中から伸びているようで、人間でないのは確かだ。魔族だろうか。
ふと、みんなが話していた【赤い眼の悪魔】を思い出す。
ダンジョンに度々目撃される赤い眼の悪魔。
やつの周りには魔物が現れ、しばらくすると姿を消すらしい。
(や、やばい…!俺、ここで死ぬのか…!?)
「名前は?」
急に話しかけられ、とまどう。
しかし、状況の悪さに 従うしかないかと、半ば諦めて答えた。
「…アルフィ・ルイス。」
「アルフィ…。俺はダニエル。…やっと、また会えたね。」
そう言いながら、ダニエルと名乗った青年は俺に近づく。
(また会えた?…俺は初めて会ったはずだけど?)
なんて思っていたら、ぐいっと顎をあげられた。
チュッ
彼の唇が俺の唇に触れた。
「!?や、」
離れたと思ったら、またすぐに塞がれた。
やめろ、と言う前に彼の舌が中に入りこみ舌を絡め取られる。
嫌なのに、体が言うことを聞かない。
クチュッと音がして、恥ずかしさが込み上げてきた。
でも、なぜか体は熱くなり、抵抗するどころか彼に身を委ねてしまっている。
「ん…っ」
ズボンのボタンを外され下着ごしに俺のものを触られてしまった。
「感じてくれて嬉しいよ。」
「感じてなんか…ッ」
いない、と言いたかったがアソコは熱を持って固くなっていた。
(どうして体が反応するんだよ!?早く逃げないと…っ)
何をされるか わからない不安で焦りを隠せない。
ダニエルは、嬉しそうに俺を見ていた。
そして、違和感を感じた。
この赤い瞳を持つ彼と、俺のよく知る男の残像が重なって見えた。
「…?」
(俺は、この男を知っている───)
「雪夜……?」
ニコッと笑った彼は嬉しそうに話しだした。
「気づいてくれて、嬉しいよ。秋都。」
まさか、【赤い眼の悪魔】が雪夜だなんて。
(魔族に憑依転生したってことだよな?)
なぜ、俺にキスを?挨拶にしては、度を越している。
「三年……俺は、ずっとお前を探してた。でも全然見つからないしさ。この世界も憎くなって…。」
「…三年!?俺が来たのは2カ月くらい前だよ?!」
「黒い球体に入ったのが少し遅かったからかな?俺も驚いたよ。」
「ダンジョンを出現させていたのは……お前なのか?」
(やばい、体が熱いせいで、力が抜ける…)
「そうだよ。ゲートを開いてる間だけ、こっちに降りてこれるんだ。お前がこっちにいるんじゃないかって。実は前回、お前を見かけたんだ。ゲートが破られて、近くに行けなかったけど。」
「どうして……」
どうして、ここの人を苦しめるんだ?今まで、どうしてた?聞きたいことが、たくさんある。
「ここじゃ、ゆっくり話せないね。秋都、俺と一緒に来て。俺とまた一緒に暮らそう?」
フッとセオとレオンの顔が浮かぶ。
「……ごめん、行けない。」
いろいろ聞きたいことはあるけど、今ここを離れるのは帰って来られない気がして嫌だった。
「秋……」
キラッッ
何か光ったと思ったら、尖った氷のカケラが無数に雪夜 目がけて飛んで来た。
それを避ける雪夜。
「……っ」
「アルフィ!!!」
現れたのはレオンだった。
周りに魔物の気配はない。
まずは息があるか確認だ。
(良かった。気絶してるだけみたいだ。)
手に触れて気を送ろうとした時、人の気配を感じて手を離す。
「!?」
振り向くと男が一人立っていた。
暗くて顔がよく見えない。
今この辺りはエスパーとガイドしか入れないはず……
「あなたもエスパー?早く ここから離れないと。手を貸してくれませんか?……あ!あなたも傷が!?」
足元に血が付いている。
「手を。」
怪我をしているなら、ガイディングで止血しないと。
「……」
無言の彼は、少し かがんで俺の手を優しく握った。
その瞬間、ぶわっと体が熱くなる。
「!?な!?」
(なんだ!?体が熱い…)
バッと手を離し、本能的に ここから逃げなければと、立ち上がろうとしたが、遅かった……
数本の触手が現れ、俺の腕を壁へと捕らえた。
「痛…っ」
彼が近づき顔が はっきり見えた。
褐色の肌に黒い髪、赤い瞳をした青年だ。
黒いオーラを発した青年は、じっと俺を見ている。触手は彼の背中から伸びているようで、人間でないのは確かだ。魔族だろうか。
ふと、みんなが話していた【赤い眼の悪魔】を思い出す。
ダンジョンに度々目撃される赤い眼の悪魔。
やつの周りには魔物が現れ、しばらくすると姿を消すらしい。
(や、やばい…!俺、ここで死ぬのか…!?)
「名前は?」
急に話しかけられ、とまどう。
しかし、状況の悪さに 従うしかないかと、半ば諦めて答えた。
「…アルフィ・ルイス。」
「アルフィ…。俺はダニエル。…やっと、また会えたね。」
そう言いながら、ダニエルと名乗った青年は俺に近づく。
(また会えた?…俺は初めて会ったはずだけど?)
なんて思っていたら、ぐいっと顎をあげられた。
チュッ
彼の唇が俺の唇に触れた。
「!?や、」
離れたと思ったら、またすぐに塞がれた。
やめろ、と言う前に彼の舌が中に入りこみ舌を絡め取られる。
嫌なのに、体が言うことを聞かない。
クチュッと音がして、恥ずかしさが込み上げてきた。
でも、なぜか体は熱くなり、抵抗するどころか彼に身を委ねてしまっている。
「ん…っ」
ズボンのボタンを外され下着ごしに俺のものを触られてしまった。
「感じてくれて嬉しいよ。」
「感じてなんか…ッ」
いない、と言いたかったがアソコは熱を持って固くなっていた。
(どうして体が反応するんだよ!?早く逃げないと…っ)
何をされるか わからない不安で焦りを隠せない。
ダニエルは、嬉しそうに俺を見ていた。
そして、違和感を感じた。
この赤い瞳を持つ彼と、俺のよく知る男の残像が重なって見えた。
「…?」
(俺は、この男を知っている───)
「雪夜……?」
ニコッと笑った彼は嬉しそうに話しだした。
「気づいてくれて、嬉しいよ。秋都。」
まさか、【赤い眼の悪魔】が雪夜だなんて。
(魔族に憑依転生したってことだよな?)
なぜ、俺にキスを?挨拶にしては、度を越している。
「三年……俺は、ずっとお前を探してた。でも全然見つからないしさ。この世界も憎くなって…。」
「…三年!?俺が来たのは2カ月くらい前だよ?!」
「黒い球体に入ったのが少し遅かったからかな?俺も驚いたよ。」
「ダンジョンを出現させていたのは……お前なのか?」
(やばい、体が熱いせいで、力が抜ける…)
「そうだよ。ゲートを開いてる間だけ、こっちに降りてこれるんだ。お前がこっちにいるんじゃないかって。実は前回、お前を見かけたんだ。ゲートが破られて、近くに行けなかったけど。」
「どうして……」
どうして、ここの人を苦しめるんだ?今まで、どうしてた?聞きたいことが、たくさんある。
「ここじゃ、ゆっくり話せないね。秋都、俺と一緒に来て。俺とまた一緒に暮らそう?」
フッとセオとレオンの顔が浮かぶ。
「……ごめん、行けない。」
いろいろ聞きたいことはあるけど、今ここを離れるのは帰って来られない気がして嫌だった。
「秋……」
キラッッ
何か光ったと思ったら、尖った氷のカケラが無数に雪夜 目がけて飛んで来た。
それを避ける雪夜。
「……っ」
「アルフィ!!!」
現れたのはレオンだった。
6
あなたにおすすめの小説
性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000の勇者が攻めてきた!
モト
BL
異世界転生したら弱い悪魔になっていました。でも、異世界転生あるあるのスキル表を見る事が出来た俺は、自分にはとんでもない天性資質が備わっている事を知る。
その天性資質を使って、エルフちゃんと結婚したい。その為に旅に出て、強い魔物を退治していくうちに何故か魔王になってしまった。
魔王城で仕方なく引きこもり生活を送っていると、ある日勇者が攻めてきた。
その勇者のスキルは……え!? 性技Lv.99、努力Lv.10000、執着Lv.10000、愛情Max~~!?!?!?!?!?!
ムーンライトノベルズにも投稿しておりすがアルファ版のほうが長編になります。
猫になった俺、王子様の飼い猫になる
あまみ
BL
車に轢かれそうになった猫を助けて死んでしまった少年、天音(あまね)は転生したら猫になっていた!?
猫の自分を受け入れるしかないと腹を括ったはいいが、人間とキスをすると人間に戻ってしまう特異体質になってしまった。
転生した先は平和なファンタジーの世界。人間の姿に戻るため方法を模索していくと決めたはいいがこの国の王子に捕まってしまい猫として可愛がられる日々。しかも王子は人間嫌いで──!?
*性描写は※ついています。
*いつも読んでくださりありがとうございます。お気に入り、しおり登録大変励みになっております。
これからも応援していただけると幸いです。
11/6完結しました。
呪われ竜騎士とヤンデレ魔法使いの打算
てんつぶ
BL
「呪いは解くので、結婚しませんか?」
竜を愛する竜騎士・リウは、横暴な第二王子を庇って代わりに竜の呪いを受けてしまった。
痛みに身を裂かれる日々の中、偶然出会った天才魔法使い・ラーゴが痛みを魔法で解消してくれた上、解呪を手伝ってくれるという。
だがその条件は「ラーゴと結婚すること」――。
初対面から好意を抱かれる理由は分からないものの、竜騎士の死は竜の死だ。魔法使い・ラーゴの提案に飛びつき、偽りの婚約者となるリウだったが――。
助けたドS皇子がヤンデレになって俺を追いかけてきます!
夜刀神さつき
BL
医者である内藤 賢吾は、過労死した。しかし、死んだことに気がつかないまま異世界転生する。転生先で、急性虫垂炎のセドリック皇子を見つけた彼は、手術をしたくてたまらなくなる。「彼を解剖させてください」と告げ、周囲をドン引きさせる。その後、賢吾はセドリックを手術して助ける。命を助けられたセドリックは、賢吾に惹かれていく。賢吾は、セドリックの告白を断るが、セドリックは、諦めの悪いヤンデレ腹黒男だった。セドリックは、賢吾に助ける代わりに何でも言うことを聞くという約束をする。しかし、賢吾は約束を破り逃げ出し……。ほとんどコメディです。 ヤンデレ腹黒ドS皇子×頭のおかしい主人公
溺愛の加速が尋常じゃない!?~味方作りに全振りしたら兄たちに溺愛されました~
液体猫(299)
BL
毎日投稿だけど時間は不定期
【《血の繋がりは"絶対"ではない。》この言葉を胸にクリスがひたすら愛され、大好きな兄と暮らす】
アルバディア王国の第五皇子クリスは冤罪によって処刑されてしまう。
次に目を覚ましたとき、九年前へと戻っていた。
巻き戻す前の世界とは異なるけれど同じ場所で、クリスは生き残るために知恵を振り絞る。
かわいい末っ子が過保護な兄たちに可愛がられ、溺愛されていく。
やり直しもほどほどに。罪を着せた者への復讐はついで。そんな気持ちで新たな人生を謳歌する、コミカル&シリアスなハッピーエンド確定物語。
主人公は後に18歳へと成長します(*・ω・)*_ _)ペコリ
⚠️濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭のみ重い展開あり。それ以降はコミカルでほのぼの✌
⚠️本格的な塗れ場シーンは三章(18歳になって)からとなります。
⚠️若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
魔力ゼロの無能オメガのはずが嫁ぎ先の氷狼騎士団長に執着溺愛されて逃げられません!
松原硝子
BL
これは魔法とバース性のある異世界でのおはなし――。
15歳の魔力&バース判定で、神官から「魔力のほとんどないオメガ」と言い渡されたエリス・ラムズデール。
その途端、それまで可愛がってくれた両親や兄弟から「無能」「家の恥」と罵られて使用人のように扱われ、虐げられる生活を送ることに。
そんな中、エリスが21歳を迎える年に隣国の軍事大国ベリンガム帝国のヴァンダービルト公爵家の令息とアイルズベリー王国のラムズデール家の婚姻の話が持ち上がる。
だがヴァンダービルト公爵家の令息レヴィはベリンガム帝国の軍事のトップにしてその冷酷さと恐ろしいほどの頭脳から常勝の氷の狼と恐れられる騎士団長。しかもレヴィは戦場や公的な場でも常に顔をマスクで覆っているため、「傷で顔が崩れている」「二目と見ることができないほど醜い」という恐ろしい噂の持ち主だった。
そんな恐ろしい相手に子どもを嫁がせるわけにはいかない。ラムズデール公爵夫妻は無能のオメガであるエリスを差し出すことに決める。
「自分の使い道があるなら嬉しい」と考え、婚姻を大人しく受け入れたエリスだが、ベリンガム帝国へ嫁ぐ1週間前に階段から転げ落ち、前世――23年前に大陸の大戦で命を落とした帝国の第五王子、アラン・ベリンガムとしての記憶――を取り戻す。
前世では戦いに明け暮れ、今世では虐げられて生きてきたエリスは前世の祖国で平和でのんびりした幸せな人生を手に入れることを目標にする。
だが結婚相手のレヴィには驚きの秘密があった――!?
「きみとの結婚は数年で解消する。俺には心に決めた人がいるから」
初めて顔を合わせた日にレヴィにそう言い渡されたエリスは彼の「心に決めた人」を知り、自分の正体を知られてはいけないと誓うのだが……!?
銀髪×碧眼(33歳)の超絶美形の執着騎士団長に気が強いけど鈍感なピンク髪×蜂蜜色の目(20歳)が執着されて溺愛されるお話です。
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる