剣と魔法と愛と

御夢

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学園で

俺、早くも辞めたい

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   「あー、あとぉ、障害物借り物競走に出る人はぁ、コンテストに出なくちゃいけないのよ。」

   え、そんなのだったらもっと嫌だよ!!ううう、もう断るなんてできないじゃん。

   「頑張ってね!」

   「ううう、はぃ。」

   なんで引き受けてしまったんだろう。………今更後悔しても仕方ないけどさ。うん。

   「アカネ様?大丈夫ですか?」

   「………ぅん。だ、大丈夫だよ、多分。」

   1度決めたことは覆せないもんね。頑張らないと。リアンも巻き込んだんだから。………リアン、ごめん。

   「えっとー、他にも競技があるんだけど、魔法とか、剣技とかのは、こっちで勝手に決めるわね?いつもは、出たい人を募るんだけど、今回は、全員の中での1番を決めようってことになってるから。」

   ってことは、リアンも出るのかな?魔法、得意だし。俺は、なんにも出来ないけど。

   「今回の特別競技に出て、いい成績を残せたら、学校側からご褒美が出るからね?優勝すれば、なんでもお願いしてOKよ?生徒にだって、先生にだって、………皇族にだってね?だから、1番になれるように頑張りなさい?」

   え、じゃー、もし俺じゃない誰かが優勝して、お願いできる権利をレオ様に使ったら………?なんでもいいなら、きっとみんな、色々お願いするよね?

   …………手を繋いで欲しいとか。…………ハグして欲しいとか。……………………キス、して欲しいとか。

   嫌だなぁ。そんなの嫌だ。レオ様は”俺の”なのに……。
   
   はっ、何言ってるんだろう。”俺の”なんて。レオ様は、誰のものでもないのに。

   「?アカネ様?どうしました?」
   
   「あ、だ、大丈夫。なんでもないよ。」

   こんなこと考えてたなんて知られたら、絶対に引かれる。レオ様にだって、嫌な奴って思われる。気をつけないと。

   「あー、それと、魔法とか剣技とかの競技には、私も出るから気をつけてね?」
   
   「え?先生も?」

   「まぁー、正確には、私と言うより、先生全員だけどね。」

   えええええ。先生たちも、出られるんだ。反則じゃない?強いでしょ、先生なんだから。

   「な、何故先生方も出るんですか?」

   「んー?だってー、勝ったら、私たちも願いを叶えてもらえるんだもん。そりゃ出るでしょ、気合い入れて。」
   
   先生たちは、褒美のために頑張るのか…。お、大人気ない。………あれ?ってことは、先生たちもレオ様から、ご褒美貰える権利があるって事?

   ……………嫌だなぁ。すごく嫌。でも、俺にできることなんてないし。

   ……………悔しいなあ。

   「あー、あとね?障害物借り物競争に、出る人は、色んな競技で優勝した人のお願いを聞かなくちゃいけないのよ。ちなみに強制ね?」

   え?それも?

   「危険な事じゃなかったら、学園側は止めないから、頑張ってね?」

   え?危険な事じゃなかったら止めない?え?どんな頼みさせられるの?怖い。

   俺、なんでこれ選んだんだろう。絶対迷惑かける。でも、他にできることなんてないしなぁ。

   うーん、俺、早くも辞めたいです。出来ないけど。


   ………………………頑張ったら、レオ様、ご褒美くるるかな?
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