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瑠美ちゃんとよし君
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やっぱり、よし君と瑠美ちゃんの距離って近いと思う。
瑠美ちゃんはあからさまによし君と接点を持とうとしている。
よし君との時間は仕事よりも優先順位が高いようで、自分の仕事を投げ出してまでよし君の手伝いをわざわざ買って出ている。
「田所さーん。お疲れ様ですう。今日も契約決めたみたいですね。流石ですね。やっぱり田所さんすごい!瑠美、すっごい田所さんのこと尊敬してるんですよ。」
「ええ?本当に?瑠美ちゃんにそう言ってもらえると嬉しいなあ。でも、俺まだまだそんな偉そうに言えるような立場じゃないよ。」
「も~。謙遜しちゃって。そんなところが素敵なんですよね~。フフフ。何か田所さんと一緒にいると瑠美、元気が湧いてきます。やだ…私ばっかり田所さんに良くしてもらってるな。田所さん、何かお仕事お手伝いしますよ。あっ、この契約書の整理私がしておきますよ。田所さんゆっくり休んでくださいね。」
「え?良いの?これの保管方法けっこう複雑だから時間かかるよ?大丈夫?瑠美ちゃんも仕事あるでしょ?」
「ううん。大丈夫ですよ!ちゃっちゃとやっつけますよ!こう見えても瑠美は仕事に燃える女なんですよ。」
瑠美ちゃんは可愛らしくガッツポーズを見せる。
会話聞こえてますけど…。瑠美ちゃんがちゃっちゃと仕事できるって初耳ですよ。
いっつも単純な作業にものすごく時間かけて進めているよね?しかもミス多いし、お手洗いって言って携帯見に行っているの私知っているよ。
「そっか~。瑠美ちゃんえらいなあ。流石俺の後輩。いい奥さんになるだろうな。彼氏は幸せ者だな。」
「そんな…。瑠美全然モテないし…。実は、今付き合ってる彼氏とも上手くいってないんです…。束縛がすごくて。田所さんみたいに心の広い包容力のある人だったら良かったのに…。」
「そ、そうなんだ。ごめんねしんどい事思い出させて。今精神的につらいんじゃない?この仕事しなくてもいいよ。そもそも俺の仕事だし。」
瑠美ちゃんはファイルを胸にぎゅっと抱きしめて健気そうな表情でよし君を見つめた。
「大丈夫です。瑠美仕事とプライベートはちゃんと分けてるんで。社会人だから当たり前ですよ。だから、この仕事ちゃんとさせてもらいます。」と可愛いく輝くような笑顔をお見舞いしている。
「本当に?ありがとう。今度瑠美ちゃんになにかお礼しなくちゃいけないな。」
「えっ、そんなのいりませんよ。お礼目当てでお仕事手伝うわけではないんで。あっ、でも…。」
「何?」
瑠美ちゃんはよし君の耳にそっと近づいて近距離からつぶやいた。
「彼氏の事でしんどくなったら愚痴とか聞いてもらえますか?」
「う、うん。もちろん。いつでも俺に言ってきてくれていいから。」
よし君焦ってるけど何か嬉しそうだな…。
「良かった。一人で悩んでるとすごくしんどくなるんです。男の人の気持ちよく分らないから、田所さんからアドバイスもらえれば助かります。」
「あ、ああ。そうだね。瑠美ちゃんまだ若いしね。俺、人に何か教えてあげるのそこそこ得意だからいつでも相談に乗るよ。」
「ええ~。嬉しい…。田所さんと一緒に働けて本当に良かった。」
瑠美ちゃんはほっと安心した表情だ。あんな顔見たら誰だってこの子の力になりたいって思うよ。
その時よし君は上司呼ばれた。
「あっ、呼ばれたから行ってくるね。じゃあ、その仕事無理しないでねって言いながら契約から3日以内には完成させないといけないから、無理そうだったら早めに教えてね。」
「はい。大丈夫です。行ってらっしゃい。」瑠美ちゃんはよし君に可愛く手を振ってお見送りスタイルだ。
よし君も瑠美ちゃんに微笑みながら手を振って上司の元に行った。
ああ、何かこの二人見てて辛い…。
瑠美ちゃんはよし君と私が付き合っていることは知らない。
だから多少好意を向けて近づくのは仕方がないかもしれない。露骨すぎるけど。
よし君は私が目の前に居てても瑠美ちゃんにデレデレしている。
何度かよし君に行動を改めてほしいって相談したけど、3回目くらいに私が怒られてしまった。
「じゃあ、マコに聞くけど、新卒で仕事がよく分っていない状態の子が一生懸命頑張っているのにそっけない態度をとれというのか?マコはそんな冷たい人間だったの?」
「マコが瑠美ちゃんにパワハラめいた行動をとったって営業で一時話題になってたよ。俺が絡んでいるとしても、仕事に、しかも立場の弱い後輩に八つ当たりは良くないだろ?もう瑠美ちゃんの話はやめてほしい。気分が悪くなる。」
とかいろいろ言われてあの日は一日中口を聞いてもらえなかった。
この前のマコは頑張っているって言ってくれたのは夢だったのかな?
思い出すと心が締め付けられる。
社会人として失格だけど、それらしい理由見つけてしばらく別室作業中心に仕事させてもらおう。
瑠美ちゃんはあからさまによし君と接点を持とうとしている。
よし君との時間は仕事よりも優先順位が高いようで、自分の仕事を投げ出してまでよし君の手伝いをわざわざ買って出ている。
「田所さーん。お疲れ様ですう。今日も契約決めたみたいですね。流石ですね。やっぱり田所さんすごい!瑠美、すっごい田所さんのこと尊敬してるんですよ。」
「ええ?本当に?瑠美ちゃんにそう言ってもらえると嬉しいなあ。でも、俺まだまだそんな偉そうに言えるような立場じゃないよ。」
「も~。謙遜しちゃって。そんなところが素敵なんですよね~。フフフ。何か田所さんと一緒にいると瑠美、元気が湧いてきます。やだ…私ばっかり田所さんに良くしてもらってるな。田所さん、何かお仕事お手伝いしますよ。あっ、この契約書の整理私がしておきますよ。田所さんゆっくり休んでくださいね。」
「え?良いの?これの保管方法けっこう複雑だから時間かかるよ?大丈夫?瑠美ちゃんも仕事あるでしょ?」
「ううん。大丈夫ですよ!ちゃっちゃとやっつけますよ!こう見えても瑠美は仕事に燃える女なんですよ。」
瑠美ちゃんは可愛らしくガッツポーズを見せる。
会話聞こえてますけど…。瑠美ちゃんがちゃっちゃと仕事できるって初耳ですよ。
いっつも単純な作業にものすごく時間かけて進めているよね?しかもミス多いし、お手洗いって言って携帯見に行っているの私知っているよ。
「そっか~。瑠美ちゃんえらいなあ。流石俺の後輩。いい奥さんになるだろうな。彼氏は幸せ者だな。」
「そんな…。瑠美全然モテないし…。実は、今付き合ってる彼氏とも上手くいってないんです…。束縛がすごくて。田所さんみたいに心の広い包容力のある人だったら良かったのに…。」
「そ、そうなんだ。ごめんねしんどい事思い出させて。今精神的につらいんじゃない?この仕事しなくてもいいよ。そもそも俺の仕事だし。」
瑠美ちゃんはファイルを胸にぎゅっと抱きしめて健気そうな表情でよし君を見つめた。
「大丈夫です。瑠美仕事とプライベートはちゃんと分けてるんで。社会人だから当たり前ですよ。だから、この仕事ちゃんとさせてもらいます。」と可愛いく輝くような笑顔をお見舞いしている。
「本当に?ありがとう。今度瑠美ちゃんになにかお礼しなくちゃいけないな。」
「えっ、そんなのいりませんよ。お礼目当てでお仕事手伝うわけではないんで。あっ、でも…。」
「何?」
瑠美ちゃんはよし君の耳にそっと近づいて近距離からつぶやいた。
「彼氏の事でしんどくなったら愚痴とか聞いてもらえますか?」
「う、うん。もちろん。いつでも俺に言ってきてくれていいから。」
よし君焦ってるけど何か嬉しそうだな…。
「良かった。一人で悩んでるとすごくしんどくなるんです。男の人の気持ちよく分らないから、田所さんからアドバイスもらえれば助かります。」
「あ、ああ。そうだね。瑠美ちゃんまだ若いしね。俺、人に何か教えてあげるのそこそこ得意だからいつでも相談に乗るよ。」
「ええ~。嬉しい…。田所さんと一緒に働けて本当に良かった。」
瑠美ちゃんはほっと安心した表情だ。あんな顔見たら誰だってこの子の力になりたいって思うよ。
その時よし君は上司呼ばれた。
「あっ、呼ばれたから行ってくるね。じゃあ、その仕事無理しないでねって言いながら契約から3日以内には完成させないといけないから、無理そうだったら早めに教えてね。」
「はい。大丈夫です。行ってらっしゃい。」瑠美ちゃんはよし君に可愛く手を振ってお見送りスタイルだ。
よし君も瑠美ちゃんに微笑みながら手を振って上司の元に行った。
ああ、何かこの二人見てて辛い…。
瑠美ちゃんはよし君と私が付き合っていることは知らない。
だから多少好意を向けて近づくのは仕方がないかもしれない。露骨すぎるけど。
よし君は私が目の前に居てても瑠美ちゃんにデレデレしている。
何度かよし君に行動を改めてほしいって相談したけど、3回目くらいに私が怒られてしまった。
「じゃあ、マコに聞くけど、新卒で仕事がよく分っていない状態の子が一生懸命頑張っているのにそっけない態度をとれというのか?マコはそんな冷たい人間だったの?」
「マコが瑠美ちゃんにパワハラめいた行動をとったって営業で一時話題になってたよ。俺が絡んでいるとしても、仕事に、しかも立場の弱い後輩に八つ当たりは良くないだろ?もう瑠美ちゃんの話はやめてほしい。気分が悪くなる。」
とかいろいろ言われてあの日は一日中口を聞いてもらえなかった。
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