54 / 64
無しかつけられない女 2
しおりを挟む
ブラッドは体をぶるぶると震わせている。
いや、震わせている気になっている。
実際には、震えているのは両の手だけだ。
「どうしてドリエルダに会いに行かないのさ、叔父上」
「そうとも。あの子の謹慎は1ヶ月以上前に解けているじゃないか」
「そうだ、そのようにバージルから聞いておるぞ、弟よ」
「あんなに必死で駆けずり回ったのに、信じられないっス」
ここは「ローエルハイド公爵家」の食堂だった。
なのに、王族が3人もいる。
なぜか、その隣に、自分の側近が座っている。
そして、どういうわけか、料理をふるまわなければならなくなっている。
「意味がわからん」
4人が言っていることも。
その4人が平然と食事をしていることも。
その食事が、自分の「手料理」であることも。
料理長すら「俺は知らねぇ」と言い、手伝ってくれなかったことも。
なにもかも、意味がわからない。
すでに危険は去っている。
謹慎も解けたというのなら、自分が手を貸すことはなにもない。
ブラッドは、そう思っていた。
もちろん多少は気にしている。
ドリエルダが新しい夢を見て、また1人で動こうとするのではないか。
そして、また危険な事態になるのではないか。
(有り得る話だ。あれは、無しかつけられん女だからな)
悪評程度ですめばいいが、命を取られては困る。
なぜブラッドが困るのかはともかく。
「叔父上が、わかっていないのが、わからないな」
「彼は鈍感なのだよ、スペンス」
「うむ。我が弟には、そういうところがある」
「ほかのことはなんだって読めるのに、自分の心は読めない人なんスよ」
4人の会話に、イラっとした。
表情に出ないからと言って、感情がないわけではない。
表に出さなくなっているだけで、ブラッドは、実は感情が豊かなのだ。
「えーと、そういうの、民言葉で、どう言うのだったっけ?」
「職業病スね。もしくは、おたんこなすびとか」
「ああ、それだね。おたんこなすび」
「うむ。おたんこなすびであろうな」
なぜドリエルダに会いに行かないからといって「おたんこなすび」呼ばわりされなければならないのか。
用がないのに、会いに行くわけがない。
そんなことは当然だ。
ドリエルダの警護は、ブラッドの仕事ではないのだから。
「俺に悪態をつきに来たのか?」
「そういうわけじゃないけどさ」
スペンスが隣に座っているトレヴァジルに視線を送っている。
その様子も気に入らない。
兄が、ずっとそわそわしているのも気に食わない。
ピッピの、バクバク料理を口にしている姿にも苛々する。
「彼女、ベルゼンドの子息とは別れたのだろう?」
「あのようなことがあったのだ。今は会う気になれずともしかたがない」
「なに? 叔父上は2人が別れたとは思っていないわけ?」
「そうだ」
4人が、なぜか盛大に溜め息をつく。
器用なことに、ピッピは溜め息をつきながらも、料理をバクバク。
口を休めるということがない。
「であれば、良い機会ではないか。あの娘の心を、お前が支えてやればよい」
「なんということを言うのだ、兄上は」
「いや、私は、お前と、あの娘が似合いだと……悪いことでは、なかろう……?」
兄の目が、うるうるっとし始める。
ブラッドに咎められて、傷ついたようだ。
隣から、トレヴァジルが、そっとハンカチを差し出している。
実の父が泣かされていても、息子のスペンスは知らん顔だ。
「オレは、陛下の意見に賛成っスね」
「おお、ピアズプル。そう言ってくれるか」
ハンカチを濡らしつつも、兄は「我が意を得たり」とばかりに喜んでいる。
ピッピは、王族の前であろうと、平気で口をもぐもぐさせていた。
だが、ブラッドを見ようともせずに、言う。
「カッコつけてるだけなんスよ、ブラッドは。陛下の言う通り、弱ってる女につけこんだっていいじゃんスか」
「い、いや、私は、つけこめとは……」
「それで惚れた女を自分のものにできるんなら、いくらでもつけこめばいいんス」
「い、いや、だから、私は、つけこめとは……」
ピッピは平然としているが、兄は狼狽えていた。
純粋に、ドリエルダの「支え」になってやれと言ったつもりだったのだろう。
兄は純朴な人柄なのだ。
言葉を言葉通りにしか使わない。
「俺は、あれに惚れているなどと言ったことはないぞ、ピッピ」
言ったとたん、トレヴァジルが、ぷっと笑った。
イラっとする。
「なにがおかしい」
「いやいや、きみ、彼女のために、陛下に頭を下げたそうじゃないか、ブラッド」
パッと、兄のほうを見た。
あの時は、兄とバージル、それにピッピしかいなかったのだ。
兄が、サッとうつむく。
「父上、号泣していたよ。叔父上が自分に頭を下げたのが悲しいとか、頼りにしてくれたのが嬉しいとか。思い出しては、3日くらい泣いていたっけ。まぁ、父上の情緒がおかしいのは、いつものことだけどさ」
スペンスが、しれっと父親に悪態をついている。
悪態がつけるほどには仲がいいということなのだが、それはともかく。
「ピアズプル、きみは、ブラッドが恰好をつけていると言ったが、それは違うね」
「そうなんスか? へえー」
「わかっているくせに、きみは優しいねえ。だが、私はきみほど優しくはないよ」
トレヴァジルが、ブラッドに視線を向けて「にっこり」した。
ものすごく嫌な感じだ。
4つも年下のトレヴァジルを苦手とする理由のひとつでもある。
トレヴァジルは「人を見る才」に長けていた。
それは、おそらくブラッドの先読みとは違う方向のものだ。
人を読むという能力においては、トレヴァジルのほうが上をいく。
ブラッドは、情報から、その人物の資質を見抜いているに過ぎないからだ。
「あれこれと理由をつけているが、フラれるのが怖いのだろう、ブラッド」
「え? 叔父上、ビビってんの?」
「まさか……我が弟が、そのようなヘタレ……」
ギロっと、兄をにらむ。
ここでブラッドが口を封じることができるのは兄だけだ。
案の定、にらまれて兄は、しゅんとなり、口を閉じた。
「ここはもう、あなたの安全圏とは成り得ないかと」
1番、嫌な奴が出て来る。
じっと黙って壁際に立っていたシャーリーだ。
赤褐色の瞳が冷たく細められている。
「公爵様が、点門の点を残す許可を出されましたので」
「なんだと?」
「彼らは来たい時に、ここにいらっしゃるのでは?」
ピッピは、元々、この屋敷に住んでいるため、シャーリーの言葉に無反応。
だが、ほかの3人は違う。
とくに、兄と甥は、目をキラキラさせていた。
トレヴァジルは、またも「にっこり」している。
「ほかのガルベリーにも教えてあげなくてはねえ。みんな、それはそれは、きみのことを心配しているし、なにより、きみのことが大好きだから」
背筋が、ゾッとした。
いろんな顔が思い浮かぶ。
叔父やら大叔父やら、従兄弟やら、そのまた従兄弟にと、とにかく大勢だ。
それでは王宮で生活するのと、なんら変わりがなくなる。
「ですから、もう出て行かれては?」
「そっスね。それがいいっス」
「俺は、ここの勤め人だぞ」
「辞めてしまえば話が早いかと」
「そっスね。これじゃ仕事になんないでしょ」
兄と甥は「え~」という顔をしていた。
せっかくブラッドと自由に会えそうだと思っていたからに違いない。
トレヴァジルだけが、ニコニコしている。
くらっと眩暈がした。
「本気か、シャーリー?」
「私が本気でないことを言うとでも?」
ブラッドは言葉を失う。
逃げ場がなくなってしまった。
「あ、それなら、叔父上、王宮に帰ってくれば? それがいいよ」
「おお、その通りだ。ここにいられぬのであれば、王宮に帰ればよいのだ」
「断る! 俺は王宮になど戻らん!」
王宮に戻るくらいなら「職場」で寝泊まりしたほうがマシだ。
ガルベリーの魔術師たちに取り囲まれて暮らすなど、考えたくもない。
30歳にもなって、また靴紐さえ自分で結ばせてもらえなくなる。
「信念を折り曲げた代償は大きかったねえ」
「王宮に戻ったら、信念どころじゃなくなるっスけどね」
にらんでも、トレヴァジルとピッピは、痛くも痒くもないといった様子だ。
どうしてこう、自分の周りには、性格に難のある奴しかいないのかと、我が身を嘆く。
そのブラッドに、トレヴァジルが、にっこりして言った。
「大きな代償の代価を手に入れれば、つり合いが取れるのじゃないかな?」
いや、震わせている気になっている。
実際には、震えているのは両の手だけだ。
「どうしてドリエルダに会いに行かないのさ、叔父上」
「そうとも。あの子の謹慎は1ヶ月以上前に解けているじゃないか」
「そうだ、そのようにバージルから聞いておるぞ、弟よ」
「あんなに必死で駆けずり回ったのに、信じられないっス」
ここは「ローエルハイド公爵家」の食堂だった。
なのに、王族が3人もいる。
なぜか、その隣に、自分の側近が座っている。
そして、どういうわけか、料理をふるまわなければならなくなっている。
「意味がわからん」
4人が言っていることも。
その4人が平然と食事をしていることも。
その食事が、自分の「手料理」であることも。
料理長すら「俺は知らねぇ」と言い、手伝ってくれなかったことも。
なにもかも、意味がわからない。
すでに危険は去っている。
謹慎も解けたというのなら、自分が手を貸すことはなにもない。
ブラッドは、そう思っていた。
もちろん多少は気にしている。
ドリエルダが新しい夢を見て、また1人で動こうとするのではないか。
そして、また危険な事態になるのではないか。
(有り得る話だ。あれは、無しかつけられん女だからな)
悪評程度ですめばいいが、命を取られては困る。
なぜブラッドが困るのかはともかく。
「叔父上が、わかっていないのが、わからないな」
「彼は鈍感なのだよ、スペンス」
「うむ。我が弟には、そういうところがある」
「ほかのことはなんだって読めるのに、自分の心は読めない人なんスよ」
4人の会話に、イラっとした。
表情に出ないからと言って、感情がないわけではない。
表に出さなくなっているだけで、ブラッドは、実は感情が豊かなのだ。
「えーと、そういうの、民言葉で、どう言うのだったっけ?」
「職業病スね。もしくは、おたんこなすびとか」
「ああ、それだね。おたんこなすび」
「うむ。おたんこなすびであろうな」
なぜドリエルダに会いに行かないからといって「おたんこなすび」呼ばわりされなければならないのか。
用がないのに、会いに行くわけがない。
そんなことは当然だ。
ドリエルダの警護は、ブラッドの仕事ではないのだから。
「俺に悪態をつきに来たのか?」
「そういうわけじゃないけどさ」
スペンスが隣に座っているトレヴァジルに視線を送っている。
その様子も気に入らない。
兄が、ずっとそわそわしているのも気に食わない。
ピッピの、バクバク料理を口にしている姿にも苛々する。
「彼女、ベルゼンドの子息とは別れたのだろう?」
「あのようなことがあったのだ。今は会う気になれずともしかたがない」
「なに? 叔父上は2人が別れたとは思っていないわけ?」
「そうだ」
4人が、なぜか盛大に溜め息をつく。
器用なことに、ピッピは溜め息をつきながらも、料理をバクバク。
口を休めるということがない。
「であれば、良い機会ではないか。あの娘の心を、お前が支えてやればよい」
「なんということを言うのだ、兄上は」
「いや、私は、お前と、あの娘が似合いだと……悪いことでは、なかろう……?」
兄の目が、うるうるっとし始める。
ブラッドに咎められて、傷ついたようだ。
隣から、トレヴァジルが、そっとハンカチを差し出している。
実の父が泣かされていても、息子のスペンスは知らん顔だ。
「オレは、陛下の意見に賛成っスね」
「おお、ピアズプル。そう言ってくれるか」
ハンカチを濡らしつつも、兄は「我が意を得たり」とばかりに喜んでいる。
ピッピは、王族の前であろうと、平気で口をもぐもぐさせていた。
だが、ブラッドを見ようともせずに、言う。
「カッコつけてるだけなんスよ、ブラッドは。陛下の言う通り、弱ってる女につけこんだっていいじゃんスか」
「い、いや、私は、つけこめとは……」
「それで惚れた女を自分のものにできるんなら、いくらでもつけこめばいいんス」
「い、いや、だから、私は、つけこめとは……」
ピッピは平然としているが、兄は狼狽えていた。
純粋に、ドリエルダの「支え」になってやれと言ったつもりだったのだろう。
兄は純朴な人柄なのだ。
言葉を言葉通りにしか使わない。
「俺は、あれに惚れているなどと言ったことはないぞ、ピッピ」
言ったとたん、トレヴァジルが、ぷっと笑った。
イラっとする。
「なにがおかしい」
「いやいや、きみ、彼女のために、陛下に頭を下げたそうじゃないか、ブラッド」
パッと、兄のほうを見た。
あの時は、兄とバージル、それにピッピしかいなかったのだ。
兄が、サッとうつむく。
「父上、号泣していたよ。叔父上が自分に頭を下げたのが悲しいとか、頼りにしてくれたのが嬉しいとか。思い出しては、3日くらい泣いていたっけ。まぁ、父上の情緒がおかしいのは、いつものことだけどさ」
スペンスが、しれっと父親に悪態をついている。
悪態がつけるほどには仲がいいということなのだが、それはともかく。
「ピアズプル、きみは、ブラッドが恰好をつけていると言ったが、それは違うね」
「そうなんスか? へえー」
「わかっているくせに、きみは優しいねえ。だが、私はきみほど優しくはないよ」
トレヴァジルが、ブラッドに視線を向けて「にっこり」した。
ものすごく嫌な感じだ。
4つも年下のトレヴァジルを苦手とする理由のひとつでもある。
トレヴァジルは「人を見る才」に長けていた。
それは、おそらくブラッドの先読みとは違う方向のものだ。
人を読むという能力においては、トレヴァジルのほうが上をいく。
ブラッドは、情報から、その人物の資質を見抜いているに過ぎないからだ。
「あれこれと理由をつけているが、フラれるのが怖いのだろう、ブラッド」
「え? 叔父上、ビビってんの?」
「まさか……我が弟が、そのようなヘタレ……」
ギロっと、兄をにらむ。
ここでブラッドが口を封じることができるのは兄だけだ。
案の定、にらまれて兄は、しゅんとなり、口を閉じた。
「ここはもう、あなたの安全圏とは成り得ないかと」
1番、嫌な奴が出て来る。
じっと黙って壁際に立っていたシャーリーだ。
赤褐色の瞳が冷たく細められている。
「公爵様が、点門の点を残す許可を出されましたので」
「なんだと?」
「彼らは来たい時に、ここにいらっしゃるのでは?」
ピッピは、元々、この屋敷に住んでいるため、シャーリーの言葉に無反応。
だが、ほかの3人は違う。
とくに、兄と甥は、目をキラキラさせていた。
トレヴァジルは、またも「にっこり」している。
「ほかのガルベリーにも教えてあげなくてはねえ。みんな、それはそれは、きみのことを心配しているし、なにより、きみのことが大好きだから」
背筋が、ゾッとした。
いろんな顔が思い浮かぶ。
叔父やら大叔父やら、従兄弟やら、そのまた従兄弟にと、とにかく大勢だ。
それでは王宮で生活するのと、なんら変わりがなくなる。
「ですから、もう出て行かれては?」
「そっスね。それがいいっス」
「俺は、ここの勤め人だぞ」
「辞めてしまえば話が早いかと」
「そっスね。これじゃ仕事になんないでしょ」
兄と甥は「え~」という顔をしていた。
せっかくブラッドと自由に会えそうだと思っていたからに違いない。
トレヴァジルだけが、ニコニコしている。
くらっと眩暈がした。
「本気か、シャーリー?」
「私が本気でないことを言うとでも?」
ブラッドは言葉を失う。
逃げ場がなくなってしまった。
「あ、それなら、叔父上、王宮に帰ってくれば? それがいいよ」
「おお、その通りだ。ここにいられぬのであれば、王宮に帰ればよいのだ」
「断る! 俺は王宮になど戻らん!」
王宮に戻るくらいなら「職場」で寝泊まりしたほうがマシだ。
ガルベリーの魔術師たちに取り囲まれて暮らすなど、考えたくもない。
30歳にもなって、また靴紐さえ自分で結ばせてもらえなくなる。
「信念を折り曲げた代償は大きかったねえ」
「王宮に戻ったら、信念どころじゃなくなるっスけどね」
にらんでも、トレヴァジルとピッピは、痛くも痒くもないといった様子だ。
どうしてこう、自分の周りには、性格に難のある奴しかいないのかと、我が身を嘆く。
そのブラッドに、トレヴァジルが、にっこりして言った。
「大きな代償の代価を手に入れれば、つり合いが取れるのじゃないかな?」
10
あなたにおすすめの小説
【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。
たまこ
恋愛
公爵の専属執事ハロルドは、美しい容姿に関わらず氷のように冷徹であり、多くの女性に思いを寄せられる。しかし、公爵の娘の侍女ソフィアだけは、ハロルドに見向きもしない。
ある日、ハロルドはソフィアの真っ直ぐすぎる内面に気付き、恋に落ちる。それからハロルドは、毎日ソフィアを口説き続けるが、ソフィアは靡いてくれないまま、五年の月日が経っていた。
※『王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく。』のスピンオフ作品ですが、こちらだけでも楽しめるようになっております。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
「愛することはない」と言った冷徹公爵様、やり直しの人生は溺愛が重すぎます!~王宮が滅びるのは記憶を隠した旦那様と幸運な息子のせい?~
ソラ
恋愛
王宮の陰湿な包囲網、そして夫であるアリステア公爵の無関心。心身を削り取られたセラフィナは、孤独と絶望の中でその短い一生を終えた。
だが、彼女は知らなかった。
彼女の死を知ったアリステアが、復讐の鬼と化して王宮へ反乱を起こし、彼女を虐げた者たちを血の海に沈めたことを。そして彼もまた、非業の死を遂げたことを。
「……セラフィナ。二度と、君を離さない。この命、何度繰り返してでも」
気がつくと、そこは五年前――結婚三日目の朝。
セラフィナが「今度は期待せずに生きよう」と決意した矢先、飛び込んできたアリステアは泣きながら彼女を抱きしめた。
前世の冷淡さが嘘のように、甘く、重すぎるほどの愛を注いでくるアリステア。
さらに、前世には存在しなかった息子・ノエルまで現れ、セラフィナを苦しめるはずだった敵は、彼女が知らないうちに裏で次々と社会的に抹殺されていく。
アリステアは記憶がないふりをして、狂気的な執着を「優しさ」という仮面で隠し、今度こそ彼女を檻のような幸福の中に閉じ込めようと画策していた。
知っているのは、読者(あなた)だけ。
嘘から始まる、究極のやり直し溺愛ファンタジー!
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。
しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。
友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。
『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。
取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。
彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
姉妹のお相手はわたくしが見つけますわ ー いき遅れ3姉妹の場合
葉月ゆな
恋愛
「フェリシアが結婚して、フェリシアの子供が侯爵家を継げばいい」
女侯爵である姉が言い出した。
3姉妹が10代のころに両親がなくなり侯爵家の建て直しで、この国では行き遅れと呼ばれる部類に入っているシャルロッテ(長女)、フェリシア(次女)、ジャクリーン(三女)の美人三姉妹。
今日まで3人で頑張って侯爵家を建て直し、落ち着いたからそろそろ後継者をと、フェリシアが姉に結婚を薦めれば、そんな言葉が返ってきた。
姉は女侯爵で貿易で財を成している侯爵家の海軍を取り仕切る男装の麗人。
妹は商会を切り盛りする才女。
次女本人は、家内の采配しかできない凡人だと思っている。
しかしフェリシアは姉妹をけなされると、心の中で相手に対して毒舌を吐きながら撃退する手腕は、社交界では有名な存在だ(本人知らず)。
なのに自慢の姉妹は結婚に興味がないので、フェリシアは姉妹の相手を本気で探そうと、社交に力を入れ出す。
フェリシアは心の中で何か思っているときは「私」、人と喋るときは「わたくし」になるのでご注意を。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる