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紗凪
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「貴哉から着信があったんだ」
「え、何で?」
ボクの言葉に不思議そうな顔を見せた大輝は「着拒してなかったの?」と呆れた顔をする。
「メッセージは来てたけど、電話なんてしてきたこと無かったから忘れてた」
「忘れてたって、」
「だって、一緒に暮らしてたらそうならない?連絡はメッセージ残しておいた方が確実だし」
「まあ、確かにそうか」
そう言いながらも納得できない様子の大輝に「一緒に住むようになってたからは電話なんてしてなかったよ?大輝は違った?」と聞けば、半同棲と同棲はきっと違うのだと言われてしまった。
「飲み会終わったから迎えに来て、とか甘えたりしなかったの?」
「だって、外で会う相手なんて貴哉しかいなかったし」
「迎えも何もないか、」
そんな結論を出して話は終わってしまった。大輝の地元に事務所を構え、帰れば大輝がいる環境だったせ新しい友人を作ることもなかったし、出向先ではなるべく人との関わりが希薄になるよう心がけていた。だから、大輝以外に親しい相手といえば貴哉しかおらず、その貴哉と暮らすようになってからはふたりで出かけることはあっても彼以外と出かけることもなかった。
大輝にパートナーがいなければ違ったかもしれないけれど、元々大輝の意向で解消された同居生活だったし、ボクが貴哉と付き合うようになったせいで大輝は大輝なりに気を遣っていたのだろう。
「で、電話は出たの?」
「出るわけないよね」
「お姉さんに会いに行ったんだろ?」
「うん」
だからこそ不可解な電話。
姉に会っているのならボクを気にする必要はないし、気にして欲しくもない。
別れた後も続いていた関係は、世界が終わるなんて噂が広まったせいでその繋がりを太くしたらしい。
現実的な姉が噂を信じているなんて思わないけれど、不安定な姉を支えたいと言った貴哉はそのことに疑問を感じてはいないようだった。
ボクだって、本気で信じてはいないけれど不安を感じていないわけじゃない。だから最後の時は一緒にいたいと願い、一緒にいてくれると言った貴哉の裏切りを許す気にはなれなかった。
そもそも、姉と連絡を取りながらボクと付き合っていただなんてどちらに対しても不誠実だと憤りたくなったけれど、よくよく考えれば身体を重ねながら【紗羅】と呼んでいたことが答えだったのだろう。
ボクはただの身代わりで、本物に触れることができるのなら必要のない存在。
だから姉と過ごす時間を優先するのは当然で、それでも世界が終わらなかった時に一緒にいられる関係ではないから【ボク】をキープしておきたかったのだろう。
姉に会いに行きながら、ボクには部屋で待つように言った貴哉は帰ってくればまたボクを身代わりにして【紗羅】と呼びながら身体を重ねるつもりなのだろうか。
「あと3日?
もう一緒にいるんじゃないかな、きっと。お義兄さんも甥も実家に行ったみたいだし」
「ちょ、何で知ってるの?」
「実家から連絡きてた」
「え、聞いてないんだけど」
何をそんなに焦るのか、戸惑いを隠そうとしない大輝に仕方なく説明をする。
「仕事の電話以外は連絡なんて来ないから、部屋にスマホ置いておいたんだけどさ」
そう言って始めた話。
「部屋に戻って一応確認したら貴哉からの着信と、親からの着信とメッセージが来てたんだ」
「親、何だって?」
「別にいつもと同じ。
元気か、とか、帰ってこないのか、とか。仕方ないから折り返したんだ。
あ、大輝によろしくって言ってたよ」
その一言に笑みを見せた大輝に説明を続ける。
義兄と甥は世界が終わると言われている日の前日まで義兄の実家に行ったこと。姉の紗羅はそれについて行かず、学生の頃の友人が来たため会いに行ったこと、そして、僕は大丈夫なのかと聞かれたことを伝えていく。
姉の学生の頃の友人とは貴哉の事なのだろうと思いはしたけれど、それを告げる気も追及する気もない。
「早めに行ったって会えないのに何してたんだろうね、」
思わず漏らしてしまった言葉に返事は無い。その辺の事情は前に話したからもう一度蒸し返す気もないのだろう。
「あの人、ここの場所覚えてるかな?」
ボクの言葉に答えることなく少し考えるそぶりを見せた大輝はそんなことを言ったけれど、その意図が分からず「何で?」と答えれば「紗凪のこと、連れ戻しにくるかもよ?」と言われてしまう。
そんなこと考えていなかったけれど、確かに世界が終わりを迎えることなく姉と別れることになったらボクのことをまた身代わりにしようとするかもしれない。
「ナビは使わなかったから履歴は残ってないだろうし、あの時に来ただけだから大丈夫だと思うけど。
そもそも、だいぶ前だからあの時は覚えたとしてももう忘れてると思うよ」
「それなら良いけど、名刺とかも渡してない?」
「うん。
ボクのこと、相変わらず派遣だと思ってるみたいだし。名刺渡そうとしたら、どうせすぐ職場変わるんだから必要ないって言われたし」
「まだその誤解、解けてなかったんだ?」
途中からは誤解を解くことを諦めたせいでボクとの連絡手段はスマホの中にしか残っていないだろうけれど、メッセージはブロックしたし、電話も着拒すればボクを探す手段は無くなるだろう。
貴哉の会社でボクの身元を確認することも出来ないだろうし、連絡を取ろうとすれば大輝を通すしかない。あの会社で連絡先を交換していたのは貴哉だけなのだから、大輝が絆されなければこの先連絡を取ることはできないはずだ。
連絡を取る方法があるとすれば実家経由、それこそ姉経由で連絡を取ることも可能だけれど、それをするとは思えない。
姉が貴哉とボクの関係を知った時に協力するとは思えないし、両親にボクのことを聞くのも現実的ではない。だからきっと、ボクと貴哉の縁はこれで途切れるのだろう。
「うん。
だから毎月決まった金額は払ってたけど本当に少ない金額だったからそれとは別に貯金してて、いつか旅行にでも行ってその時にちゃんと話そうかと思ってたんだけどね」
旅行のために貯めておいたお金は今でもそれなりの金額になっているから部屋を探すための資金にしても良いし、大輝を誘ってどこかに行くのも良いかもしれない。大輝もボクもパートナー不在なのだからふたり揃って小心旅行も悪くないだろう。
「そっか。
行くならどこに行く予定だった?」
「全然考えてなかった。
何となく、そうしたいなって思ってただけだし。
大輝はどこか行きたいとことかあるの?」
「え、旅行なんて考えたこともなかったけど…そう言えば高校の修学旅行が最後かも」
「ボクも同じだよ。
仕事してたから卒業旅行も行かなかってしね」
「………ごめん」
「違うって、あの時はあの時で楽しかったし」
「じゃあさ、色々落ち着いたら一緒にどこか行く?」
どう切り出そうかと思っていたら大輝の方から言われてしまった。
「そうだね」
「って言うか、リモートならいつでもどこでも行けるんじゃない?そんなのも流行ってるし。
温泉にとかに事務所構えちゃう?」
どこまで本気で言っているのかはわからないけれど、大輝の提案したことを考えると楽しくなってくる。
「なんか、温泉地のリゾートマンションとか、安く借りれるって見たことあるよ」
「リモートならそれも有りか、」
どこまで本気でどこまで妄言なのかは分からないけれど、大輝の軽い口調が考えたくない貴哉のことを忘れさせてくれる。
「ちょっと物件探してみようか」
悪ノリして検索を始めたボクを見て「熱海とか、どう?」と大輝も検索を始め出す。具体的な条件なんて何も提示せず、あそこが良い、ここが良いと好きかって言うのは思いの外楽しかった。
電話をしてきた理由を知りたいとは思ったけれど、自分から折り返す気は無い。でも今、貴哉からの着信があったら出てしまうかもしれない。
姉と会っているはずの時間にボクに電話をしてくるのは、姉ではなくボクを選んでくれたのだと思ってしまいたくなるから。
だから、それを防ぐために検索の合間に貴哉の番号を着拒しておいた。
期待しておいて裏切られるのはもう懲り懲りだ。
世界の終わる日まであと3日。
それを待たずに、ボクは貴哉との繋がりを断ち切ったんだ。
「え、何で?」
ボクの言葉に不思議そうな顔を見せた大輝は「着拒してなかったの?」と呆れた顔をする。
「メッセージは来てたけど、電話なんてしてきたこと無かったから忘れてた」
「忘れてたって、」
「だって、一緒に暮らしてたらそうならない?連絡はメッセージ残しておいた方が確実だし」
「まあ、確かにそうか」
そう言いながらも納得できない様子の大輝に「一緒に住むようになってたからは電話なんてしてなかったよ?大輝は違った?」と聞けば、半同棲と同棲はきっと違うのだと言われてしまった。
「飲み会終わったから迎えに来て、とか甘えたりしなかったの?」
「だって、外で会う相手なんて貴哉しかいなかったし」
「迎えも何もないか、」
そんな結論を出して話は終わってしまった。大輝の地元に事務所を構え、帰れば大輝がいる環境だったせ新しい友人を作ることもなかったし、出向先ではなるべく人との関わりが希薄になるよう心がけていた。だから、大輝以外に親しい相手といえば貴哉しかおらず、その貴哉と暮らすようになってからはふたりで出かけることはあっても彼以外と出かけることもなかった。
大輝にパートナーがいなければ違ったかもしれないけれど、元々大輝の意向で解消された同居生活だったし、ボクが貴哉と付き合うようになったせいで大輝は大輝なりに気を遣っていたのだろう。
「で、電話は出たの?」
「出るわけないよね」
「お姉さんに会いに行ったんだろ?」
「うん」
だからこそ不可解な電話。
姉に会っているのならボクを気にする必要はないし、気にして欲しくもない。
別れた後も続いていた関係は、世界が終わるなんて噂が広まったせいでその繋がりを太くしたらしい。
現実的な姉が噂を信じているなんて思わないけれど、不安定な姉を支えたいと言った貴哉はそのことに疑問を感じてはいないようだった。
ボクだって、本気で信じてはいないけれど不安を感じていないわけじゃない。だから最後の時は一緒にいたいと願い、一緒にいてくれると言った貴哉の裏切りを許す気にはなれなかった。
そもそも、姉と連絡を取りながらボクと付き合っていただなんてどちらに対しても不誠実だと憤りたくなったけれど、よくよく考えれば身体を重ねながら【紗羅】と呼んでいたことが答えだったのだろう。
ボクはただの身代わりで、本物に触れることができるのなら必要のない存在。
だから姉と過ごす時間を優先するのは当然で、それでも世界が終わらなかった時に一緒にいられる関係ではないから【ボク】をキープしておきたかったのだろう。
姉に会いに行きながら、ボクには部屋で待つように言った貴哉は帰ってくればまたボクを身代わりにして【紗羅】と呼びながら身体を重ねるつもりなのだろうか。
「あと3日?
もう一緒にいるんじゃないかな、きっと。お義兄さんも甥も実家に行ったみたいだし」
「ちょ、何で知ってるの?」
「実家から連絡きてた」
「え、聞いてないんだけど」
何をそんなに焦るのか、戸惑いを隠そうとしない大輝に仕方なく説明をする。
「仕事の電話以外は連絡なんて来ないから、部屋にスマホ置いておいたんだけどさ」
そう言って始めた話。
「部屋に戻って一応確認したら貴哉からの着信と、親からの着信とメッセージが来てたんだ」
「親、何だって?」
「別にいつもと同じ。
元気か、とか、帰ってこないのか、とか。仕方ないから折り返したんだ。
あ、大輝によろしくって言ってたよ」
その一言に笑みを見せた大輝に説明を続ける。
義兄と甥は世界が終わると言われている日の前日まで義兄の実家に行ったこと。姉の紗羅はそれについて行かず、学生の頃の友人が来たため会いに行ったこと、そして、僕は大丈夫なのかと聞かれたことを伝えていく。
姉の学生の頃の友人とは貴哉の事なのだろうと思いはしたけれど、それを告げる気も追及する気もない。
「早めに行ったって会えないのに何してたんだろうね、」
思わず漏らしてしまった言葉に返事は無い。その辺の事情は前に話したからもう一度蒸し返す気もないのだろう。
「あの人、ここの場所覚えてるかな?」
ボクの言葉に答えることなく少し考えるそぶりを見せた大輝はそんなことを言ったけれど、その意図が分からず「何で?」と答えれば「紗凪のこと、連れ戻しにくるかもよ?」と言われてしまう。
そんなこと考えていなかったけれど、確かに世界が終わりを迎えることなく姉と別れることになったらボクのことをまた身代わりにしようとするかもしれない。
「ナビは使わなかったから履歴は残ってないだろうし、あの時に来ただけだから大丈夫だと思うけど。
そもそも、だいぶ前だからあの時は覚えたとしてももう忘れてると思うよ」
「それなら良いけど、名刺とかも渡してない?」
「うん。
ボクのこと、相変わらず派遣だと思ってるみたいだし。名刺渡そうとしたら、どうせすぐ職場変わるんだから必要ないって言われたし」
「まだその誤解、解けてなかったんだ?」
途中からは誤解を解くことを諦めたせいでボクとの連絡手段はスマホの中にしか残っていないだろうけれど、メッセージはブロックしたし、電話も着拒すればボクを探す手段は無くなるだろう。
貴哉の会社でボクの身元を確認することも出来ないだろうし、連絡を取ろうとすれば大輝を通すしかない。あの会社で連絡先を交換していたのは貴哉だけなのだから、大輝が絆されなければこの先連絡を取ることはできないはずだ。
連絡を取る方法があるとすれば実家経由、それこそ姉経由で連絡を取ることも可能だけれど、それをするとは思えない。
姉が貴哉とボクの関係を知った時に協力するとは思えないし、両親にボクのことを聞くのも現実的ではない。だからきっと、ボクと貴哉の縁はこれで途切れるのだろう。
「うん。
だから毎月決まった金額は払ってたけど本当に少ない金額だったからそれとは別に貯金してて、いつか旅行にでも行ってその時にちゃんと話そうかと思ってたんだけどね」
旅行のために貯めておいたお金は今でもそれなりの金額になっているから部屋を探すための資金にしても良いし、大輝を誘ってどこかに行くのも良いかもしれない。大輝もボクもパートナー不在なのだからふたり揃って小心旅行も悪くないだろう。
「そっか。
行くならどこに行く予定だった?」
「全然考えてなかった。
何となく、そうしたいなって思ってただけだし。
大輝はどこか行きたいとことかあるの?」
「え、旅行なんて考えたこともなかったけど…そう言えば高校の修学旅行が最後かも」
「ボクも同じだよ。
仕事してたから卒業旅行も行かなかってしね」
「………ごめん」
「違うって、あの時はあの時で楽しかったし」
「じゃあさ、色々落ち着いたら一緒にどこか行く?」
どう切り出そうかと思っていたら大輝の方から言われてしまった。
「そうだね」
「って言うか、リモートならいつでもどこでも行けるんじゃない?そんなのも流行ってるし。
温泉にとかに事務所構えちゃう?」
どこまで本気で言っているのかはわからないけれど、大輝の提案したことを考えると楽しくなってくる。
「なんか、温泉地のリゾートマンションとか、安く借りれるって見たことあるよ」
「リモートならそれも有りか、」
どこまで本気でどこまで妄言なのかは分からないけれど、大輝の軽い口調が考えたくない貴哉のことを忘れさせてくれる。
「ちょっと物件探してみようか」
悪ノリして検索を始めたボクを見て「熱海とか、どう?」と大輝も検索を始め出す。具体的な条件なんて何も提示せず、あそこが良い、ここが良いと好きかって言うのは思いの外楽しかった。
電話をしてきた理由を知りたいとは思ったけれど、自分から折り返す気は無い。でも今、貴哉からの着信があったら出てしまうかもしれない。
姉と会っているはずの時間にボクに電話をしてくるのは、姉ではなくボクを選んでくれたのだと思ってしまいたくなるから。
だから、それを防ぐために検索の合間に貴哉の番号を着拒しておいた。
期待しておいて裏切られるのはもう懲り懲りだ。
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それを待たずに、ボクは貴哉との繋がりを断ち切ったんだ。
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