貴方の✕✕、やめます

第165話

それからしばらくして、エルメリアお姉様とアルフォンス第二王子殿下の婚姻の儀が行われ、やっとお二人は夫婦となった。
あんなに出来ないと言っていたお姉様が、達成できたことが喜ばしく、私達兄弟はやっと…と、喜びに打ち震えていた。


そんなこともありつつ、私はコーラル公爵夫人として、公務やお茶会を開き、貴族間の情報交換などを行いなからもまた、お腹に子供を抱えていた。

長男のアレスと、次男のマルクは、3歳にもうすぐなる。
「ははうえ～。ちちうえがきたっ…じゃなかった。こりゃれました」
「あにうえ、こられましたでしゅ」
2人共、よく喋るようになって、色々と教えてくれる。
「ありがとう。2人共」
そう言って両手を広げると、私のところまで走ってきて、キュッと抱きしめてくれる。
私は2人を抱きしめ頭をナデナデしていると、執務室の扉が開き、ラヴェが入ってくる。

「2人はまた、マリアにくっついているのか。羨ましいな」
「いいでしょー」
「ちちうえは、あーとーでー」
「後じゃなくても俺は、3人まとめて抱っこできるぞ」
ラヴェはそう言うと、私達を全員抱えた状態で、私の頬にキスを落とす。
「あ～、ずるい。ぼくも」
「ぼくもっ、ぼくもしゅる」
お腹の当たりで暴れる双子を、ラヴェが回収し、少し離れた場所で、私の状態を説明し始める。
そんな三人を見ながら、私は…






人から与えられた、沢山のものを手放し、興味のないものを手放した。
それは私にとって興味のないものだったから。
そして、自由になった私を待っていたのは、こんなに満たされた時間だったと思える。



私は、貴方の✕✕をやめて、最愛を手に入れました。


Fin