貴方を忘れる

戒月冷音

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第173話

それから数日後、メイナ様から、可愛いお手紙が届いた。
【まりあさま
 おげんきですか
 わたしとありすはげんきです】
メイナの手紙はこれだけだったが、アリスが追記の手紙をいれてくれていた。

【マリア様
 ご報告いたします。
 メイナ様は、こちらに着く前に目を覚まされましたが、皆様がいないと知って
 大泣きされました。
 それからこちらに、私と一緒に住むと説明したところ、なんとか落ち着かれました。
 ですがやはり、皆様と遊びたいとおっしゃるので、お手紙をお出ししては?
 と提案したところ、このような形となりました。
 少しの間、毎日皆様に手紙が届くと思います。
 出来ましたら、クリーク侯爵様宛とジルコニア侯爵様宛の手紙を、
 届けていただけますでしょうか?
 お手数をお掛けして、申し訳ございません。
 文字は、コルニア子爵様がお教えしながら、メイナ様が書いておられます】

そんな内容の手紙を、お義父様とお義母様に持っていくと、嬉しそうに眺めた後
「私達に届いたものは、額にいれてかざるか?」
等と言っておられた。
メイナは、コルニア子爵と気が合うようで、数日後には楽しいお出掛けのお手紙などが届き始めた。
しかし母親の事を聞くと
「あの人嫌い」
と、はっきり言ったそうだ。

その後、よく話を聞いてみると、どうやらメイナは、赤ちゃんの時の記憶があるようで、自分が泣いても構ってくれないし、ご飯もくれない。
自分が何かをしている時に、自分が何かすると、物が飛んできたと言ったそうだ。
それを聞いた子爵は直ぐに虐待だと腹を立てたが、相手がいないので、その分メイナを可愛がることにしたと、アリスの手紙にかいてあった。


その数週間後、ジューンが罰を受けたと連絡が入った。

彼女は結局、自分の罪を受け入れず、国と家族を巻き込む形で、親族全員が責任を取り、最後にジューンが亡くなって、他国の納得を得たようだった。
「あの女は他国の代表の前で、気に入った男を口説こうとしたそうだ」
これは、ジルコニア侯爵様の言葉。

今日は久しぶりに、メイナが遊びに来るというので、ジルコニア公爵夫妻とクリーク侯爵夫妻にお声をかけたら、2家とも遊びに行くと返答があり、メイナは昼から来るのに朝から、デラクール家にこられたのだった。

そして、この話である。

「ああいう女性は、何処かのぼっちゃまに預けるか、物好きに相手してもらった方が
 楽ではないのか?」
「あなた、女性にも好みがありましてよ。
 あの女にとっては、コルニア子爵がそれだったようですが・・・」
ジルコニア公爵夫婦の会話は、なかなか辛辣だ。
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