273 / 330
第273話
しおりを挟む
湾刀は予定どおり、相手のふくらはぎを半分斬り、近くにある椅子に刺さる。
「うぐぅぁぁぁ」
足を斬られた男は、その場で崩れ落ち、痛みに耐え始めた。
俺は湾刀を引き寄せキャッチすると、男の喉に突きつけて
「静かにしろ」
と怒り全開で言った。
予想していたより低い声が出て、男はカタカタと震え出した。
「お前の所属は?」
こいつの顔は、見たことがある。
近衛師団の団長の近くに、何時も居た男だ。
「しょ、所属?」
「しらばっくれるな。マイクフェルと同じことしやがったな」
「ま、マイク。マイクフェルは?」
「あー・・・あいつと同じか。
じゃあ仕方ない。ちょっと、情報提供してもらおうか」
そう言うと、かるーく首の後ろにチョップを入れた。
簡単に気を失った男は、隊服を着ていたこともあり、すぐに誰か分かった。
名前はコリン。マイクフェルの従兄弟。王都に住み、親兄弟と暮らす。
本家はマイクフェルの方で、こいつは分家。
本家を補佐する家系に生まれ、年も近いこともあって、マイクフェルを支えるための勉強をしたそうだ。
そして、数年前にマイクフェルの、専属従者になった。
だが、マイクフェルは辺境にいくと言い出した。
自分は王都にいたかったから、専属をやめた。
その後、辺境からマイクフェルが捕らえられたと連絡があった。
それを伝えてきた男から、マイクフェルを捕らえたやつは、ジョージと言う名前で、マイクフェルより弱いくせに、権力で押さえつけるやつだと聞いた。
今回のことも、マイクフェルの手柄を横取りしようとしてやったことだと、伝えたそうだ。
少量の自白剤で、ペラペラとしゃべったコリンは、そのまま治療され、医務室のベッドに寝かされた。
こいつはマイクフェルを助けようとして、クランベル侯爵に利用された。
マイクフェルは、辺境の規則を破ったから捕まった。
しかし、それを利用したと言うことは、あの場にあと数人、息のかかったものが居ると言うことだ。
俺はすぐに父上に連絡を取り、確認して貰う。
最悪、コー爺に頼んで片付けて良いとまで言った為、父上もすくにかかると言ってくれた。
そこまでが、北側観客席で俺がやったこと。
そして、ひと息つくと顔を上げ、闘技場の状況を確認した。
国王陛下とムスタファの王弟殿下は、ヴィルダ前公爵とアナスタシア様と話している間、ユーリに結界の魔石を使って貰っているし、西は片付けが終わった。
東も片付けに入ったし、クランベル侯爵とライナス・タンザ公爵は、1ヵ所に集められ、騎士の監視がついていた。
「何故私が、こんなことをされるのだっ」
タンザ公爵が叫んでいる。
俺は父上への通信を切り、東の観客席に向かった。
「うぐぅぁぁぁ」
足を斬られた男は、その場で崩れ落ち、痛みに耐え始めた。
俺は湾刀を引き寄せキャッチすると、男の喉に突きつけて
「静かにしろ」
と怒り全開で言った。
予想していたより低い声が出て、男はカタカタと震え出した。
「お前の所属は?」
こいつの顔は、見たことがある。
近衛師団の団長の近くに、何時も居た男だ。
「しょ、所属?」
「しらばっくれるな。マイクフェルと同じことしやがったな」
「ま、マイク。マイクフェルは?」
「あー・・・あいつと同じか。
じゃあ仕方ない。ちょっと、情報提供してもらおうか」
そう言うと、かるーく首の後ろにチョップを入れた。
簡単に気を失った男は、隊服を着ていたこともあり、すぐに誰か分かった。
名前はコリン。マイクフェルの従兄弟。王都に住み、親兄弟と暮らす。
本家はマイクフェルの方で、こいつは分家。
本家を補佐する家系に生まれ、年も近いこともあって、マイクフェルを支えるための勉強をしたそうだ。
そして、数年前にマイクフェルの、専属従者になった。
だが、マイクフェルは辺境にいくと言い出した。
自分は王都にいたかったから、専属をやめた。
その後、辺境からマイクフェルが捕らえられたと連絡があった。
それを伝えてきた男から、マイクフェルを捕らえたやつは、ジョージと言う名前で、マイクフェルより弱いくせに、権力で押さえつけるやつだと聞いた。
今回のことも、マイクフェルの手柄を横取りしようとしてやったことだと、伝えたそうだ。
少量の自白剤で、ペラペラとしゃべったコリンは、そのまま治療され、医務室のベッドに寝かされた。
こいつはマイクフェルを助けようとして、クランベル侯爵に利用された。
マイクフェルは、辺境の規則を破ったから捕まった。
しかし、それを利用したと言うことは、あの場にあと数人、息のかかったものが居ると言うことだ。
俺はすぐに父上に連絡を取り、確認して貰う。
最悪、コー爺に頼んで片付けて良いとまで言った為、父上もすくにかかると言ってくれた。
そこまでが、北側観客席で俺がやったこと。
そして、ひと息つくと顔を上げ、闘技場の状況を確認した。
国王陛下とムスタファの王弟殿下は、ヴィルダ前公爵とアナスタシア様と話している間、ユーリに結界の魔石を使って貰っているし、西は片付けが終わった。
東も片付けに入ったし、クランベル侯爵とライナス・タンザ公爵は、1ヵ所に集められ、騎士の監視がついていた。
「何故私が、こんなことをされるのだっ」
タンザ公爵が叫んでいる。
俺は父上への通信を切り、東の観客席に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
好感度0になるまで終われません。
チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳)
子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。
愛され続けて4度目の転生。
そろそろ……愛されるのに疲れたのですが…
登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。
5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。
いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。
そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題…
自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。
【完結】勘違いしないでください!
青空一夏
恋愛
自分の兄の妻に憧れすぎて妻を怒らせる夫のお話です。
私はマドリン・バーンズ。一代限りの男爵家の次女ですが、サマーズ伯爵家の次男ケントンと恋仲になりました。あちらは名門貴族なので身分が釣り合わないと思いましたが、ケントンは気にしないと言ってくれました。私たちは相思相愛で、とても幸せな結婚生活を始めたのです。
ところが、ケントンのお兄様が結婚しサマーズ伯爵家を継いだ頃から、ケントンは兄嫁のローラさんを頻繁に褒めるようになりました。毎日のように夫はローラさんを褒め続けます。
いいかげんうんざりしていた頃、ケントンはあり得ないことを言ってくるのでした。ローラさんは確かに美人なのですが、彼女の化粧品を私に使わせて・・・・・・
これは兄嫁に懸想した夫が妻に捨てられるお話です。あまり深く考えずにお読みください💦
※二話でおしまい。
※作者独自の世界です。
※サクッと読めるように、情景描写や建物描写などは、ほとんどありません。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる