219 / 330
第220話
しおりを挟む
「コークス、ジョーが喜んでいるよ」
「何っ!?また、からかいおったか?」
「からかってないよ。
あの時はほんとに本気で打ち合ってたから、いつ止めて良いのか
解らなかったくらいだ。
コー爺が止めてくれなきゃ、今もやってた気がする」
「そうなのかい」
「まぁ、そのおかげで元に戻ったから、多分気持ちよくやってたと思うよ。
兄さんも、溜まってたものすべて出せたようだし」
「お互いが、丁度良かったという事か」
コー爺とマジャ婆と話せて、すっごく落ち着いた状態で、三人そろって屋敷に帰ってきた。
久しぶりに3人で馬を駆り、明かりのない夜の道を星空の明かりだけで走るのは、とても楽しかった。
屋敷につくと、ユーインが出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ」
「ただいま」
「今、帰ったぞ」
「ユーイン、元気だったかの?」
「マージャ様、お久しぶりでございます。私はまだまだ元気ですよ」
「それは良かった」
「マージャ様がお連れになったお嬢様方ですが、今日は
婚約者様とご一緒されておりました」
「そうかい」
「コークス様とジョージ坊ちゃまは、
セラス様がお待ちになっておられますが、とりあえず
お体を清められてから、行かれたほうがよろしいかと存じます」
ユーインにそう言われ、急いで着替えに行く。
コー爺はざっと簡単に流すだけで終わるが、僕は手合わせもしていたから、そうはいかない。
部屋にはいるとすぐに服を脱ぎ、僕の部屋にあるシャワーで全身を洗う。
そして、風の魔石で体を乾かし、髪も一緒に乾かして新しい服を着る。
それは、何時帰ってきても、必ずやることだった。
身なりを整え、父上の部屋に急ぐと、途中で兄さんに会った。
「おかえり。帰ってたんだ」
「ただいま。ついさっきだよ」
「遅くなったなぁ」
「仕方ないよ。イライヤへの書類だし」
「あーー…納得。それでこれから、父上に報告?」
「うん。多分先に、コー爺がしてると思うけど」
「じゃあ。俺も行って良いかな?」
「良いんじゃない」
そんな話をしながら父上の執務室に行くと、父上は頭を抱え、コー爺は呆れ顔をしていた。
「どうしたの?」
そんな雰囲気の中に入った兄さんが、聞く。
僕は大体内容を知っているから、小声で兄さんに説明した。
簡単に説明するとここ数日起こったことは、ゼルニー男爵はリノル伯爵から魔石の大量収集を依頼され、イライヤの冒険者かここの討伐隊に頼もうとしたが、たまたま討伐隊に入ろうとしていたグループに、自分の娘を見つけて利用した。
そのグループは、冒険者か討伐隊、どちらに入るかどうかを迷っていたので、まだ登録していない。
いわゆる資格なしだった。
ゼルニー男爵の娘メイリーは、リーダーのマイクに一目惚れして、無理やりグループに入れてもらう。
そして、ゼルニー男爵は、レベルの確認も登録の確認もせず、あの場所に強制的に連れて行った。
その後、マイクはメイリーを庇って死に、コルギはエリッサとルカを守りきったが、2人の精神は砕けた。
「何だそれ」
兄さんの言葉。此処に生きる者にとっては当たり前の言葉だった。
「何っ!?また、からかいおったか?」
「からかってないよ。
あの時はほんとに本気で打ち合ってたから、いつ止めて良いのか
解らなかったくらいだ。
コー爺が止めてくれなきゃ、今もやってた気がする」
「そうなのかい」
「まぁ、そのおかげで元に戻ったから、多分気持ちよくやってたと思うよ。
兄さんも、溜まってたものすべて出せたようだし」
「お互いが、丁度良かったという事か」
コー爺とマジャ婆と話せて、すっごく落ち着いた状態で、三人そろって屋敷に帰ってきた。
久しぶりに3人で馬を駆り、明かりのない夜の道を星空の明かりだけで走るのは、とても楽しかった。
屋敷につくと、ユーインが出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ」
「ただいま」
「今、帰ったぞ」
「ユーイン、元気だったかの?」
「マージャ様、お久しぶりでございます。私はまだまだ元気ですよ」
「それは良かった」
「マージャ様がお連れになったお嬢様方ですが、今日は
婚約者様とご一緒されておりました」
「そうかい」
「コークス様とジョージ坊ちゃまは、
セラス様がお待ちになっておられますが、とりあえず
お体を清められてから、行かれたほうがよろしいかと存じます」
ユーインにそう言われ、急いで着替えに行く。
コー爺はざっと簡単に流すだけで終わるが、僕は手合わせもしていたから、そうはいかない。
部屋にはいるとすぐに服を脱ぎ、僕の部屋にあるシャワーで全身を洗う。
そして、風の魔石で体を乾かし、髪も一緒に乾かして新しい服を着る。
それは、何時帰ってきても、必ずやることだった。
身なりを整え、父上の部屋に急ぐと、途中で兄さんに会った。
「おかえり。帰ってたんだ」
「ただいま。ついさっきだよ」
「遅くなったなぁ」
「仕方ないよ。イライヤへの書類だし」
「あーー…納得。それでこれから、父上に報告?」
「うん。多分先に、コー爺がしてると思うけど」
「じゃあ。俺も行って良いかな?」
「良いんじゃない」
そんな話をしながら父上の執務室に行くと、父上は頭を抱え、コー爺は呆れ顔をしていた。
「どうしたの?」
そんな雰囲気の中に入った兄さんが、聞く。
僕は大体内容を知っているから、小声で兄さんに説明した。
簡単に説明するとここ数日起こったことは、ゼルニー男爵はリノル伯爵から魔石の大量収集を依頼され、イライヤの冒険者かここの討伐隊に頼もうとしたが、たまたま討伐隊に入ろうとしていたグループに、自分の娘を見つけて利用した。
そのグループは、冒険者か討伐隊、どちらに入るかどうかを迷っていたので、まだ登録していない。
いわゆる資格なしだった。
ゼルニー男爵の娘メイリーは、リーダーのマイクに一目惚れして、無理やりグループに入れてもらう。
そして、ゼルニー男爵は、レベルの確認も登録の確認もせず、あの場所に強制的に連れて行った。
その後、マイクはメイリーを庇って死に、コルギはエリッサとルカを守りきったが、2人の精神は砕けた。
「何だそれ」
兄さんの言葉。此処に生きる者にとっては当たり前の言葉だった。
1
あなたにおすすめの小説
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
訳あり冷徹社長はただの優男でした
あさの紅茶
恋愛
独身喪女の私に、突然お姉ちゃんが子供(2歳)を押し付けてきた
いや、待て
育児放棄にも程があるでしょう
音信不通の姉
泣き出す子供
父親は誰だよ
怒り心頭の中、なしくずし的に子育てをすることになった私、橋本美咲(23歳)
これはもう、人生詰んだと思った
**********
この作品は他のサイトにも掲載しています
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる