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第135話
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「お姉様が・・・嫁がれるのですか?」
「あ、あぁ。侯爵家の教育が終わったからな。
デビット様も待っておられるし」
それを聞いて私は、寂しさに襲われる。
「そう、ですね。お姉様と仲が良くて、いつも一緒にいた・・・」
「どうしたの?ミシェル」
マルクス様が、不思議そうに聞いてくる。
ずっと一緒に、いてくれた。
前世で、相手にもしてくれなかった兄妹ではなく、私の事を大切だと言ってくれた。
そのお姉様が、他家へ嫁ぐ・・・
そう考えただけで、悲しくなる。
でも、お姉様や家にとっては、おめでたいこと。
私もお姉様に、おめでとうを・・・言わな、くちゃ。
その瞬間、ポタッと足の上に置いていた手の甲に、生ぬるい水の粒が落ちた。
「ミシェル?」
「どうしたの?ミシェル」
お父様とマルクス様が、声をかけてくださる。
「えっ?」
私は何があったのかと顔を上げると、頬につーっと伝う感覚があった。
あれ?私、泣いてる?
そう思ったところで、その涙は止まらなかった。
頬を伝い顎までいくと、ポタッとドレスの上に落ちていく。
「す、すみません」
そう言って、手で涙を拭おうとする私に、マルクス様はハンカチを私の頬に当て
「擦ると、目も肌も痛くなるよ」
と言ってくれた。
「う゛~・・・」
私はそのまま少しの間、泣き続けた。
お父様とマルクス様は、私が泣き止むまで待っててくれた。
そして、少し落ち着いてくると
「ミシェル。今、泣いたのは、ハリエットと別れたくないからか?」
とお父様が聞いてくれた。
けれど、私は頭を横に降り
「ぢが、う・・・」
と答えた。
「じゃあどうして・・・」
「お、姉様がデビット様のことを、好き・・・なのも知っています。
コーエン、侯爵夫妻も、お姉様を気に入ってらして、
待ち焦がれているとも、聞いています」
「もしかして・・・前世が、関係してるか?」
マルクス様の言葉に、コクンと頷く。
「私は前世で、兄妹に構ってもらった記憶はありません。
それどころか、姉にとっては使いっ走りのように、扱われました」
「姉が?・・・下の子をみなかったのか?」
「兄妹は、親と同じことをしてましたね。
兄は興味すら示さず、姉には邪魔だと、蹴飛ばされた記憶があります」
「「蹴飛ばされた?」」
「はい。小学生・・・6歳くらいの時に、私の部屋に入ってきて、
私の物を持っていこうとするから、やめてと言った瞬間、
足で蹴っ飛ばされました。
一週間ぐらいの痣で、すみましたが・・・」
「それは、すんだって言わないのっ!
あーーっ、なんで俺、近くに居なかったんだろ」
「ふふっ、仕方ありません。
あちらでは、接点もない場所で生活してて居たのですから」
「そうだな。
しかし、そんな家族と一緒に居た記憶があったとは・・・
あぁ、だから小さい時に、あんなに怖がったりしていたのか?」
お父様はそう言って、昔を思い出していた。
「あ、あぁ。侯爵家の教育が終わったからな。
デビット様も待っておられるし」
それを聞いて私は、寂しさに襲われる。
「そう、ですね。お姉様と仲が良くて、いつも一緒にいた・・・」
「どうしたの?ミシェル」
マルクス様が、不思議そうに聞いてくる。
ずっと一緒に、いてくれた。
前世で、相手にもしてくれなかった兄妹ではなく、私の事を大切だと言ってくれた。
そのお姉様が、他家へ嫁ぐ・・・
そう考えただけで、悲しくなる。
でも、お姉様や家にとっては、おめでたいこと。
私もお姉様に、おめでとうを・・・言わな、くちゃ。
その瞬間、ポタッと足の上に置いていた手の甲に、生ぬるい水の粒が落ちた。
「ミシェル?」
「どうしたの?ミシェル」
お父様とマルクス様が、声をかけてくださる。
「えっ?」
私は何があったのかと顔を上げると、頬につーっと伝う感覚があった。
あれ?私、泣いてる?
そう思ったところで、その涙は止まらなかった。
頬を伝い顎までいくと、ポタッとドレスの上に落ちていく。
「す、すみません」
そう言って、手で涙を拭おうとする私に、マルクス様はハンカチを私の頬に当て
「擦ると、目も肌も痛くなるよ」
と言ってくれた。
「う゛~・・・」
私はそのまま少しの間、泣き続けた。
お父様とマルクス様は、私が泣き止むまで待っててくれた。
そして、少し落ち着いてくると
「ミシェル。今、泣いたのは、ハリエットと別れたくないからか?」
とお父様が聞いてくれた。
けれど、私は頭を横に降り
「ぢが、う・・・」
と答えた。
「じゃあどうして・・・」
「お、姉様がデビット様のことを、好き・・・なのも知っています。
コーエン、侯爵夫妻も、お姉様を気に入ってらして、
待ち焦がれているとも、聞いています」
「もしかして・・・前世が、関係してるか?」
マルクス様の言葉に、コクンと頷く。
「私は前世で、兄妹に構ってもらった記憶はありません。
それどころか、姉にとっては使いっ走りのように、扱われました」
「姉が?・・・下の子をみなかったのか?」
「兄妹は、親と同じことをしてましたね。
兄は興味すら示さず、姉には邪魔だと、蹴飛ばされた記憶があります」
「「蹴飛ばされた?」」
「はい。小学生・・・6歳くらいの時に、私の部屋に入ってきて、
私の物を持っていこうとするから、やめてと言った瞬間、
足で蹴っ飛ばされました。
一週間ぐらいの痣で、すみましたが・・・」
「それは、すんだって言わないのっ!
あーーっ、なんで俺、近くに居なかったんだろ」
「ふふっ、仕方ありません。
あちらでは、接点もない場所で生活してて居たのですから」
「そうだな。
しかし、そんな家族と一緒に居た記憶があったとは・・・
あぁ、だから小さい時に、あんなに怖がったりしていたのか?」
お父様はそう言って、昔を思い出していた。
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