私の存在

戒月冷音

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第25話

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まずは、クッキー。
小麦粉とを混ぜ、そこに砂糖とバターを加えてこねる。
生地がまとまったら、うすーく伸ばして、いろんな形に切り抜いていく。
切り抜いた生地を、天板に並べオーブンで焼けば…型抜きクッキーの出来上がり。
型抜きがなかったから切り抜いたけど、なんとかうまくいった。

次に、カップケーキ。
バターを温めて溶かし、砂糖を入れる。
そこに卵を入れて混ぜた後、小麦粉とふくらし粉を入れてよく混ぜる。
それを型に入れて焼くのだが、小さな型がないからどうしようと思ったが、
名前の通り、カップに入れて焼いてみたらうまくいった。

その次の日に、フィナンシェ。とサイズの小さなお菓子を続けて作った。
それを、屋敷の皆と家族に配ったら
「ミシェル様、ありがとうございます」
「美味しいです」
「大事に食べます」
等など、使用人たちは泣きながら食べていた。

そして家族は
「ミシェル、上手に作ったわね」
「こ、これを、ミシェルが…」
「す、すごい。ミシェルが作ったのか?これを?」
「おいしっ、美味しいわ。ミシェル。これ、私も作れるかしら?」
お母様とお父様、お兄様とお姉様が絶賛してくれた。
「作れますよ。料理人達に教えてもらえば」
「ミシェル、は教えてくれないの?」
「私は明日と明後日で、本番用を作りますので…」
「本、番?」
「ふふっ、ミシェルは、マルクス様におみあげを準備したいようですよ」
「マ、マルクス様?にあげるのか?」
「はい…前回のお茶会の時の、お礼に」


その次の日から、お父様構いたがりになったようで、調理場に顔を出した。
「ミシェル、怪我などしていないか?」
「はい。皆が助けてくれますので」
「こ、公爵閣下」
「あぁ、邪魔をしに来たのではない。いつも通りに」
そんな感じの中、私はクッキーとフィナンシェを作る。
それともう一つ…
バウンドケーキを、作ろうと思っている。
「お父様。今日の夜、新しいケーキをお持ちいたします。
 楽しみにしていてくださいね」
「そうか、ではそれを楽しみに仕事をしてこよう」
「お父様、頑張ってください」
お父様は片手を上げながら、スキップをしそうな雰囲気で帰っていった。

「さぁ皆、たくさん作りましょ」
「「「はい」」」
そして私は、沢山のクッキーとフィナンシェの生地を作って、使用人達に型抜きと小さなカップに入れてもらう。
そして、出来上がったものから、焼いていってもらった。

焼いている間、私はパウンドケーキの準備を始めた。
パウンドケーキ。
材料は、カップケーキとと同じ。
それで作った生地に色々混ぜて、違う味を作り出す。
そのままの生地にココア、紅茶を粉にして混ぜたものを作り、オーブンで焼く。
出来上がりは…初めてにしては、上出来だった。
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