貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第16話

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「その、ルイーザと言う女性が聖女であれば、エレノア嬢は自分から、身を引く覚悟で
 そう言ったと言うことになる」
「ですが父上。
 俺は協会から、聖女が見つかったとは聞いておりませんでしたし、
 あの後でアウグストに確認しても、聞いていないと言われました」
「あぁ、俺も聞いてはいない。だから今、確認を取りに向かわせた」
「父上にも話が来ていない聖女なんて、信じられません」
国王陛下であるお父上と話すルクシオ殿下は、はっきりと受け答えしているが、これが他人相手となるとはっきりしなくなる。

エレノアも言っていたが、特に女性の意見は否定せず、全て受け入れてしまう。
その様な方が、次期国王になられると言うのは、臣下としてちょっと頼りない。
そんなことを考えながらグノーシア公爵は、国王一家の様子を眺めていた。

「とにかく、お前がやったことで、エレノア嬢は気分を害された。それは事実だ」
「しかし俺は、学園長に言われたことしかしておりません」
「言われたこととは?」
「学園内の、案内です。
 何故か、リコリス男爵と一緒に来ておられて、俺を名指しで、指定されたと
 帰り際に聞きました」
「男爵が?学園の案内ならば、在学中のアウグストに頼めばいいものを・・・」
「ですが、アウグストに会った時は、引き留めていましたよ」
「先程言っておったな。エレノア嬢に会う前に、顔を会わせたと」
「はい。その時アウグストは、すぐに離れようとしたのですが、一緒に回ろうと
 誘っていました」
それを聞いたグノーシア公爵は、すぐに王子狙いだと判断した。
そして、それを察した娘が、自分が巻き込まれないように策を取ったのだ。

自分の娘とは思えないほど決断が早く、不穏な空気にはすぐに気づくエレノアに感心しつつ、いざという時には、娘に被害が及ばぬように動く必要があると理解したグノーシア公爵は、この後、国王陛下としっかり話し合いを持った方がいいと、思った。
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