貴方は・・・いらない

戒月冷音

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第25話

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「先ほど、ルクシア殿下がお話しされたことを、私はひとつもしておりません」
「そ、そんな筈はないっ。ルイーザが涙を浮かべて、俺に伝えたのだぞ」
「涙でしたら、女性は何時でも、出せる方がいらっしゃるわ」
「そんな芸当は・・・」
ルクシア殿下がそう言いかけた時、その部屋の扉が開き、王妃様が入ってこられた。

「ルクシア。私は何時でも出せるわ。
 それが女性の武器であると同時に、使えない女を見破る手段となるから」
「は?母上?使えない・・・女って」
ルクシア殿下は、混乱した。
この頃、毎日顔を見て、目をうるうるさせて自分を見る。
子犬のように可愛いルイーザの事を会ったこともない母上から否定された。
それが自分の中で、許されざる事になっていたのだった。

「母上。それは、どう言うことでしょうか?」
「何?怒ってしまったの?」
「母上っ!」
「ルクシア。貴方は何故、怒っているの?」
「えっ、それは・・・ルイーザを、悪く言われるので・・・」
「ひとつ、聞きたいのだけれど、ルイーザさんは、貴方の何?」
「えっ・・・」
「エレノア様は、貴方の婚約者。ではルイーザさんは?」
「ルイーザは、俺の・・・」
「何?その答えによっては、私は貴方に失望する。
 でも今、言いなさい。貴方の何?」
「ルイーザは、俺の・・・好きな人です」
ルクシア殿下がそう答えた瞬間、国王陛下は頭を垂れ、王妃様は自分の後ろに居る護衛騎士を見た。

「キエラ。そう言うことだから、準備を・・・」
「しかし、イライザ様。よろしいのですか?」
「仕方ないわ。あれほど言ったにも関わらず、この子は理解していなかった。
 大丈夫よ。アウグストは、しっかりしているから」
そんな会話が、第一王妃と第三王妃の間で、交わされる。

私は、何の事が理解した。
しかし、ルクシア殿下は
「母上?何を言っておられるのですか?
 私はただ、ルイーザが好きだと、言っただけですが・・・」
等と答えている。
「ルクシア。貴方は好きな方と、婚姻したいのではなくて?」
「それは、したいですよ。
 ですが、私は、エレノアとしなければいけないのでしょう。
 だったら、エレノアを王妃に、そしてルイーザを、第2妃にしようと思っております」

その言葉を聞いて、私はもう、続けられないと思った。
だから
「国王陛下と、王妃様に申し上げます」
「よい。申してみよ」
「私、エレノア・グルーシアは、第1王子殿下の婚約者を、辞退させていただきます」
「はーーっ・・・やはり、そうなるか」
国王陛下の言葉に、第1王妃は頷き、第3王妃は困り顔。
ルクシア様は、口を大きく開けて、ボーゼンとしていた。
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