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第11話
連れていかれた先は、やはりカサンドラ様の教室だった。
「ジェームズっ、待っていたのよ。それで何か・・・なんでその女がいるの?」
メイサード公爵令息が教室に入ったと同時に、声をあげたカサンドラ様は、令息が握っている私を見て、機嫌を悪くする。
「いや。いた場所が図書室で・・・
あそこで騒ぐと、他の生徒に迷惑か背かかるから、連れてきた」
そう言うと、握っていた腕を離す。
私は握られていた腕の部分を払うと、まっすぐカサンドラ様を見つめた。
「何よ?」
カサンドラ様が、私にそう聞く。
それは、私の言葉よ。さっさと用件を言いなさい。
ただし、私から話してあげることは、一つもないわ。
「おい。スノウローズ。クロールフ様が来ていない理由を、カサンドラに話せ」
はぁ・・・どいつもこいつも、同じことばかり聞いてくる。
私は一度、クランド公爵令息に話したから、彼がここに来るまで、話す必要ないわね。
その判断のもと、私は話さなかった。
第一、クロード男爵令嬢のために、どうして私が怪我をしてまで、そんなことを話さなければいけないのか。
「おい、話せよ」
「ジェームズ。そんなに強く言っては、だめよ。もっと優しく言わなくちゃ」
「でも、それじゃあ話さないよ。この女」
最初っから話すとも、何も言っていないわ。
「でもどうして、クロが来ていないのに、スノウローズはここにいるのかしら?」
そんなことを話していると、入り口の扉が開きクランド公爵令息にが帰ってきた。
「アーロン。何処に行っていたの?待ってたのに・・・」
「ごめんよ。カサンドラ。父上に、確認を取っていたんだ」
「何の?」
「クロールフ殿下の所在と、スノウローズさんの事」
「そう、それでクロは?」
「国王陛下に、書類の処理を進めろと言われて、今・・・執務室」
「じゃあこの人が、学園にいるのは?」
「毎日きちんと、片づけてるんだって」
「いつ?」
「学園が終わってから」
やっぱり、宰相閣下は理解している。
大体、次期国王になると言う方が、自分の仕事一つ出来ないなんて、恥ずかしいと思わないのかしら。
自分の事が出来ない者が、どうやって国民の声を聞くことが出来ると思うのかしら。
私はそう考えなから、私の種に触る。
クロールフ殿下と婚約した日に、私の体に植えられた種。
今は力を失くし、その場所にあるだけとなった。
そして、同じ種を持つ女性が、目の前にいる。
私の種は、相手の種の、呪いと化す。
この国の王が定めた者ではなく、別のものに勝手に与えられた種は、徐々にその呪いを受け入れると共に、それを世に知らしめるための準備を、今ここで始めた。
「ジェームズっ、待っていたのよ。それで何か・・・なんでその女がいるの?」
メイサード公爵令息が教室に入ったと同時に、声をあげたカサンドラ様は、令息が握っている私を見て、機嫌を悪くする。
「いや。いた場所が図書室で・・・
あそこで騒ぐと、他の生徒に迷惑か背かかるから、連れてきた」
そう言うと、握っていた腕を離す。
私は握られていた腕の部分を払うと、まっすぐカサンドラ様を見つめた。
「何よ?」
カサンドラ様が、私にそう聞く。
それは、私の言葉よ。さっさと用件を言いなさい。
ただし、私から話してあげることは、一つもないわ。
「おい。スノウローズ。クロールフ様が来ていない理由を、カサンドラに話せ」
はぁ・・・どいつもこいつも、同じことばかり聞いてくる。
私は一度、クランド公爵令息に話したから、彼がここに来るまで、話す必要ないわね。
その判断のもと、私は話さなかった。
第一、クロード男爵令嬢のために、どうして私が怪我をしてまで、そんなことを話さなければいけないのか。
「おい、話せよ」
「ジェームズ。そんなに強く言っては、だめよ。もっと優しく言わなくちゃ」
「でも、それじゃあ話さないよ。この女」
最初っから話すとも、何も言っていないわ。
「でもどうして、クロが来ていないのに、スノウローズはここにいるのかしら?」
そんなことを話していると、入り口の扉が開きクランド公爵令息にが帰ってきた。
「アーロン。何処に行っていたの?待ってたのに・・・」
「ごめんよ。カサンドラ。父上に、確認を取っていたんだ」
「何の?」
「クロールフ殿下の所在と、スノウローズさんの事」
「そう、それでクロは?」
「国王陛下に、書類の処理を進めろと言われて、今・・・執務室」
「じゃあこの人が、学園にいるのは?」
「毎日きちんと、片づけてるんだって」
「いつ?」
「学園が終わってから」
やっぱり、宰相閣下は理解している。
大体、次期国王になると言う方が、自分の仕事一つ出来ないなんて、恥ずかしいと思わないのかしら。
自分の事が出来ない者が、どうやって国民の声を聞くことが出来ると思うのかしら。
私はそう考えなから、私の種に触る。
クロールフ殿下と婚約した日に、私の体に植えられた種。
今は力を失くし、その場所にあるだけとなった。
そして、同じ種を持つ女性が、目の前にいる。
私の種は、相手の種の、呪いと化す。
この国の王が定めた者ではなく、別のものに勝手に与えられた種は、徐々にその呪いを受け入れると共に、それを世に知らしめるための準備を、今ここで始めた。
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