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序章 知性を与えられた日
知性を与えられた猫たちは何を見る? 第15話
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翌日、その日は朝からコタローのソフトウェアのアップグレードを予定していた。
セイくんがその準備をする間、私は家に届けられた抑制装置に見入ってた。小型のバングル型の装置を手に取り、私はその感触を確かめた。手首にはめてみると、シンプルだが、どこか威圧感がある。
「これが抑制装置…?」
バングルの表面は滑らかな黒い光沢を放ち、細い銀色のラインが静かに脈動しているようだった。
「とても軽いのね。重さを全然感じない。これがテレポートを止める装置…?」
そしてジョンから送られた抑制装置とは別にもうひとつ小さな箱があった。
「これは…?」
その時、セイくんの声が聞こえた。
「律佳ちゃん、準備できたよ」
部屋には初めて2匹の秘密に気づいたときのように、部屋の中央に円筒状の光が青く輝いて立ち上がり、その円筒状の光の中でコタローは宙に浮かんでいた。
と同時にジョンの声が聞こえた。
「ハードウェアの強化は成功したみたいだね。これで耐久性は大幅に向上した。素晴らしい仕事だ。だが、地球の技術だけでは補いきれない部分がある。」
「例えば?」
「このコタローが、敵対する異星人の技術を防ぐにはエネルギー効率をさらに最適化し、宇宙由来の素材を組み込む必要がある。今日、抑制装置とは別に届いた箱の中身だが、それは特殊なナノマテリアルだ。これをコタローに適用することで、三木さんが構築したフレームをさらに強化できる。」
私が慎重に箱を開けると、中には輝くような微粒子が詰まった小瓶が入っていた。
「これがナノマテリアル?」
「そうだ。特定の条件で活性化する自己組織化技術が組み込まれている。」
「具体的にはどう使うの?」
「コタローのフレームに塗布するだけで、自動的に最適化される。三木さんの作業を台無しにするつもりはないので安心してほしい。」
私はコタローを慎重に分解し、三木が強化したフレームの表面にナノマテリアルを塗布した。
「これで本当に変わるの?」
数秒後、塗布した箇所が淡い光を放ち始めた。
「…これは!」
ナノマテリアルが自己組織化を始め、フレーム全体に均一に広がっていく。その過程で、表面が滑らかで金属的な質感へと変化していった。
ジョンが続けた。
「今、ナノマテリアルがフレームと融合している。この結果、強度は3倍以上に、耐熱性と耐電性も大幅に向上することになる。君たちの会社と私たちの技術が合わさることで、君の力強い味方になるだろう。」
「頼もしくなっていくわね」
私はコタローの頭に手をのせて彼の顔を見ながらそう言った。
ジョンが続けて話す。
「あと抑制装置だが、カーボンファイバーとチタン合金をベースに作られている。軽量で耐久性が高い設計だ。」
私は抑制装置のタッチパネルに指を触れてみた。
タッチした瞬間、デバイスが微かに振動し、青白い光が腕から放射状に広がった。茶丸が驚いたようにキョロキョロとあたりを見回す。
「なんか今、空気がピリッとした感じがするよ!」
セイくんも耳を後ろに向けながら慎重に周囲を見渡した。
「この範囲内にいると、テレポートは無効化されるってことか。」
私は満足して頷きながら、タッチパネルで範囲を再調整した。
「使い方は意外と簡単ね。でも、このスイッチは何?」
ジョンが答える。
「それは緊急モードだ。手首を強く握ると緊急モードに入る。それで一時的に最大範囲が広がる。ただし、バッテリーの消費が激しいので注意が必要だ。」
私は実際に試してみた。
「こうやって…強く握ると…」
その瞬間、青白い光が一気に広がり、周囲が静寂に包まれた。
「すごい…。これで敵を抑え込めるのね。」
隣でアップグレードが完了したコタローがゆっくりと動き出した。動作音もほとんどなく、以前よりも滑らかな動きだった。
「コタロー、調子はどう?」
「動作は完璧です、律佳さん。新しい素材は非常に効率的です。」
茶丸が驚いたように声を上げた。
「なんか、前よりずっと強そうになったね!」
セイくんも感心して頷いた。
「見た目だけじゃなくて、本当に中身も進化してるみたいだね。」
コタローが続けて言った。
「新しい機能には骨伝導通信の強化、自立行動の効率化、そして緊急時のエネルギー回収システムも搭載しました。」
「どんどん高性能になっていくわねぇ?!」
「三木がこれを見たら何というかしら!?いつかジョンに会わせてあげたいわね」
「そんな日もあるかもしれないね。また何かあったら連絡してくれ。それでは私はこれで」
そう言って通信は途絶えた。
セイくんがその準備をする間、私は家に届けられた抑制装置に見入ってた。小型のバングル型の装置を手に取り、私はその感触を確かめた。手首にはめてみると、シンプルだが、どこか威圧感がある。
「これが抑制装置…?」
バングルの表面は滑らかな黒い光沢を放ち、細い銀色のラインが静かに脈動しているようだった。
「とても軽いのね。重さを全然感じない。これがテレポートを止める装置…?」
そしてジョンから送られた抑制装置とは別にもうひとつ小さな箱があった。
「これは…?」
その時、セイくんの声が聞こえた。
「律佳ちゃん、準備できたよ」
部屋には初めて2匹の秘密に気づいたときのように、部屋の中央に円筒状の光が青く輝いて立ち上がり、その円筒状の光の中でコタローは宙に浮かんでいた。
と同時にジョンの声が聞こえた。
「ハードウェアの強化は成功したみたいだね。これで耐久性は大幅に向上した。素晴らしい仕事だ。だが、地球の技術だけでは補いきれない部分がある。」
「例えば?」
「このコタローが、敵対する異星人の技術を防ぐにはエネルギー効率をさらに最適化し、宇宙由来の素材を組み込む必要がある。今日、抑制装置とは別に届いた箱の中身だが、それは特殊なナノマテリアルだ。これをコタローに適用することで、三木さんが構築したフレームをさらに強化できる。」
私が慎重に箱を開けると、中には輝くような微粒子が詰まった小瓶が入っていた。
「これがナノマテリアル?」
「そうだ。特定の条件で活性化する自己組織化技術が組み込まれている。」
「具体的にはどう使うの?」
「コタローのフレームに塗布するだけで、自動的に最適化される。三木さんの作業を台無しにするつもりはないので安心してほしい。」
私はコタローを慎重に分解し、三木が強化したフレームの表面にナノマテリアルを塗布した。
「これで本当に変わるの?」
数秒後、塗布した箇所が淡い光を放ち始めた。
「…これは!」
ナノマテリアルが自己組織化を始め、フレーム全体に均一に広がっていく。その過程で、表面が滑らかで金属的な質感へと変化していった。
ジョンが続けた。
「今、ナノマテリアルがフレームと融合している。この結果、強度は3倍以上に、耐熱性と耐電性も大幅に向上することになる。君たちの会社と私たちの技術が合わさることで、君の力強い味方になるだろう。」
「頼もしくなっていくわね」
私はコタローの頭に手をのせて彼の顔を見ながらそう言った。
ジョンが続けて話す。
「あと抑制装置だが、カーボンファイバーとチタン合金をベースに作られている。軽量で耐久性が高い設計だ。」
私は抑制装置のタッチパネルに指を触れてみた。
タッチした瞬間、デバイスが微かに振動し、青白い光が腕から放射状に広がった。茶丸が驚いたようにキョロキョロとあたりを見回す。
「なんか今、空気がピリッとした感じがするよ!」
セイくんも耳を後ろに向けながら慎重に周囲を見渡した。
「この範囲内にいると、テレポートは無効化されるってことか。」
私は満足して頷きながら、タッチパネルで範囲を再調整した。
「使い方は意外と簡単ね。でも、このスイッチは何?」
ジョンが答える。
「それは緊急モードだ。手首を強く握ると緊急モードに入る。それで一時的に最大範囲が広がる。ただし、バッテリーの消費が激しいので注意が必要だ。」
私は実際に試してみた。
「こうやって…強く握ると…」
その瞬間、青白い光が一気に広がり、周囲が静寂に包まれた。
「すごい…。これで敵を抑え込めるのね。」
隣でアップグレードが完了したコタローがゆっくりと動き出した。動作音もほとんどなく、以前よりも滑らかな動きだった。
「コタロー、調子はどう?」
「動作は完璧です、律佳さん。新しい素材は非常に効率的です。」
茶丸が驚いたように声を上げた。
「なんか、前よりずっと強そうになったね!」
セイくんも感心して頷いた。
「見た目だけじゃなくて、本当に中身も進化してるみたいだね。」
コタローが続けて言った。
「新しい機能には骨伝導通信の強化、自立行動の効率化、そして緊急時のエネルギー回収システムも搭載しました。」
「どんどん高性能になっていくわねぇ?!」
「三木がこれを見たら何というかしら!?いつかジョンに会わせてあげたいわね」
「そんな日もあるかもしれないね。また何かあったら連絡してくれ。それでは私はこれで」
そう言って通信は途絶えた。
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