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終章 選ばれた未来
知性を与えられた猫たちは何を見る? 第49話
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「で、何かわかった?」
「普通のボイラー室に見えたが・・・」
「ええ、そうね。でもすぐに警備員が来たところを見ると、あのボイラー室にセキュリティカメラがあるわね。それって普通じゃないわ。間違いない。あそこに出入り口がある。」
「へへっ!俺は突き止めたぜ?」
そう言って三木はまたニヤリと笑った。
「え?そうなの?」
「多分、な。妙な位置の配電盤があった。普通、作業しやすいように目線ぐらいの位置にあるだろう?それがずいぶん下の方の位置にあるんだ。しかも、俺、開けてみたんだ。何と、そこはロックは無かったよ!おそらくその先にちゃんとしたドアがあるんだろう。」
私は三木の図太さにあきれ果てた。
「また戦闘かあ・・・。」
私はため息をつきながら言った。
「心配すんなって」
三木が明るくそう言う。が、三木も決して本心から、そう思っているわけでないのはわかっていた。
「とにかく、事前準備と計画はしっかり立てましょう。あとは・・・やるだけやるしかないわよね」
三木がコクンと頷いた。
私達は決行の日を土曜日の深夜に選んだ。平日の昼間などに侵入して、万が一にも警察に通報されるなんてことになるのは、ごめんだったからだ。
その場所に着くと、街灯の灯りがポツン、ポツンと周囲を照らす他は、ビルにかかった看板くらいで、明るすぎず暗すぎずといったところだった。
私達は音をたてないようにして、そうっとドアを開けボイラー室に入る。セキュリティカメラには、セイくんがあらかじめ、先日見た映像からループ画像を作成し、それを流すようにしておいた。そのおかげで先日のように警備員が来る心配はなかった。
私達は三木が見つけた配電盤に近寄った。それは、確かに妙な位置にあった。配電盤の取っ手をつかんでほんのわずかに隙間を開けた。その隙間から三木は小型カメラらしきものを挿し込み、セイくんと茶丸が一緒に画面でそれを確認する。白黒の画面には降りていく階段が映し出されていた。
「ここと、ここにもセキュリティカメラがあるね。まずはこれをハッキングして無効化。」
「それに赤外線センサーもあるよ。範囲を確認しなきゃ」
私達はそうっとドアを開けた。カメラの心配はもうないので、あとは赤外線の確認だ。私は持ってきた霧吹きを辺りにシュッと吹きかけた。すると、そこに赤い光線が浮かび上がる。
「気を付けて!」
私達はそれを避けるようにして、階段を降りていった。
階段を降り切ると金属製の頑丈なドアがあり、電子錠が物々しさを伝えていた。
セイくんが解錠した後、ドアを開けると薄暗い廊下が続いていた。そこは無機質な空間で蛍光灯が冷たく光っている。機械が作動する微かな音や、エアコンの音だろうか、送風音が響く。
廊下を進むとところどころにドアがあり、小型のカメラを挿しこんで中を確認していくが、それらしき部屋は見つからない。
「地図が欲しいな・・・」
そう言いながら進むと、前方で以前に耳にした事のある金属製の車輪が動く音が聞こえた。
「あの音は・・・・」
「巡回ロボットだ!」
私は、
「どうする?逃げる?戦う?」
と、まるでRPGの画面のようなセリフを言い、言ってから場にそぐわない間抜けさに自分で笑ってしまった。
「いや、逃げると言っても・・・」
後ろは長く続く廊下、行く先は行き止まりである。
「戦うしかねえだろ?いくぞ、コタロー!」
「任務を開始します!」
コタローだけでなく、2匹も飛び出して行く。茶丸はスパークスティンガーで、電撃攻撃をしかけ、セイくんは巡回ロボットの足元にロープを巻き付け倒していく。
数分の格闘後、巡回ロボットはシステムを停止し、そこに横たわっていた。
その時、セイくんが
「そうだ、ちょっと待って」
と巡回ロボットのポートを確認し、端末とロボットをケーブルで接続した。
「ちょっと待ってね。きっとこいつら、この施設の地図が中にあるはずだから」
「わあ、セイくん、天才だね!」
「普通のボイラー室に見えたが・・・」
「ええ、そうね。でもすぐに警備員が来たところを見ると、あのボイラー室にセキュリティカメラがあるわね。それって普通じゃないわ。間違いない。あそこに出入り口がある。」
「へへっ!俺は突き止めたぜ?」
そう言って三木はまたニヤリと笑った。
「え?そうなの?」
「多分、な。妙な位置の配電盤があった。普通、作業しやすいように目線ぐらいの位置にあるだろう?それがずいぶん下の方の位置にあるんだ。しかも、俺、開けてみたんだ。何と、そこはロックは無かったよ!おそらくその先にちゃんとしたドアがあるんだろう。」
私は三木の図太さにあきれ果てた。
「また戦闘かあ・・・。」
私はため息をつきながら言った。
「心配すんなって」
三木が明るくそう言う。が、三木も決して本心から、そう思っているわけでないのはわかっていた。
「とにかく、事前準備と計画はしっかり立てましょう。あとは・・・やるだけやるしかないわよね」
三木がコクンと頷いた。
私達は決行の日を土曜日の深夜に選んだ。平日の昼間などに侵入して、万が一にも警察に通報されるなんてことになるのは、ごめんだったからだ。
その場所に着くと、街灯の灯りがポツン、ポツンと周囲を照らす他は、ビルにかかった看板くらいで、明るすぎず暗すぎずといったところだった。
私達は音をたてないようにして、そうっとドアを開けボイラー室に入る。セキュリティカメラには、セイくんがあらかじめ、先日見た映像からループ画像を作成し、それを流すようにしておいた。そのおかげで先日のように警備員が来る心配はなかった。
私達は三木が見つけた配電盤に近寄った。それは、確かに妙な位置にあった。配電盤の取っ手をつかんでほんのわずかに隙間を開けた。その隙間から三木は小型カメラらしきものを挿し込み、セイくんと茶丸が一緒に画面でそれを確認する。白黒の画面には降りていく階段が映し出されていた。
「ここと、ここにもセキュリティカメラがあるね。まずはこれをハッキングして無効化。」
「それに赤外線センサーもあるよ。範囲を確認しなきゃ」
私達はそうっとドアを開けた。カメラの心配はもうないので、あとは赤外線の確認だ。私は持ってきた霧吹きを辺りにシュッと吹きかけた。すると、そこに赤い光線が浮かび上がる。
「気を付けて!」
私達はそれを避けるようにして、階段を降りていった。
階段を降り切ると金属製の頑丈なドアがあり、電子錠が物々しさを伝えていた。
セイくんが解錠した後、ドアを開けると薄暗い廊下が続いていた。そこは無機質な空間で蛍光灯が冷たく光っている。機械が作動する微かな音や、エアコンの音だろうか、送風音が響く。
廊下を進むとところどころにドアがあり、小型のカメラを挿しこんで中を確認していくが、それらしき部屋は見つからない。
「地図が欲しいな・・・」
そう言いながら進むと、前方で以前に耳にした事のある金属製の車輪が動く音が聞こえた。
「あの音は・・・・」
「巡回ロボットだ!」
私は、
「どうする?逃げる?戦う?」
と、まるでRPGの画面のようなセリフを言い、言ってから場にそぐわない間抜けさに自分で笑ってしまった。
「いや、逃げると言っても・・・」
後ろは長く続く廊下、行く先は行き止まりである。
「戦うしかねえだろ?いくぞ、コタロー!」
「任務を開始します!」
コタローだけでなく、2匹も飛び出して行く。茶丸はスパークスティンガーで、電撃攻撃をしかけ、セイくんは巡回ロボットの足元にロープを巻き付け倒していく。
数分の格闘後、巡回ロボットはシステムを停止し、そこに横たわっていた。
その時、セイくんが
「そうだ、ちょっと待って」
と巡回ロボットのポートを確認し、端末とロボットをケーブルで接続した。
「ちょっと待ってね。きっとこいつら、この施設の地図が中にあるはずだから」
「わあ、セイくん、天才だね!」
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