短編集

いといしゅん

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桜と恋

佐藤恵奈先輩

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佐藤恵奈(さとうえな)先輩。
先輩は僕の通っている学校の今年度の卒業生。所謂、受験生というやつだ。
先輩は僕と同じ卓球部で、初心者の僕をよく気にかけてくれた。
そんな先輩の優しさに僕は知らず知らずのうちに惹かれていた。
最初は『憧れ』だったはずの気持ちはいつしか『好き』という想いへ変わっていた。
『好き』というのは勿論恋愛的な意味で、だ。

僕は先輩にこの想いを伝えることはできるのだろうか……

-------------

先輩は所謂、高嶺の花というやつだ。
少し大人びた顔つきとスタイルの良さは、誰もが見惚れてしまう。
また、性格も良く、『ものすごい』がつくほど優しい。
だから、先輩のことを狙う男子が多い。
まぁ、僕もその一人なわけだが……
しかし、僕は他の男子共より良いポジションを持っている。
側から説明すると、『先輩と登下校を共にしている、先輩と仲の良い後輩』ということになる。
つまり、僕は先輩と一番親しい存在(かもしれない)ということだ。
少なくとも先輩を狙う男子共の中では一番先輩と親しい存在である。

ーこのポジションを上手く使って先輩に想いを伝えられないだろうかー


-------------

朝から先輩のことだけを想い続けながらぼやーっと空を眺める。
これが最近の日課となってしまっている。
僕は先輩と登下校を共にしたいので、公園で先輩を待つ。
僕の待ち時間は、30分に達することもあるが、先輩のことを想い続けていると
一切苦に感じない。実際4時間程度なら苦に感じなさそうだ。
そうして先輩のことを想い続けていると、先輩が視界に入った。
先輩がこちらに気がつくとパァーと笑顔を見せて手を振ってくる。
手を振り返しながら先輩の元へ駆け寄る。
「今日早かったですね、先輩」
「そう?いつもと変わらないような時間に出たけど?」
僕は公園の時計を指差しながら、
「いつもより10分早いですよ」
と言った。
「さ、じゃあ今日も学校へ行こうか
「はいっ!先輩」
自分の名前を呼ばれたことに喜びを感じながら僕は、先輩と共に学校へ向かった。
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