私を殺さないで

深海雄一郎

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午前七時の翌朝。目覚まし時計の音で、池内は目を覚ました。毛布から出て、着替えをすませると、昨晩の女が気になって、渋谷の公園に行ってみることにした。無論、いるわけないとは思うが。
来てみると、公園の周りは、人だかりで埋まっていた。見てみると、非常線のテープが入口に貼られていて、警察官の制服をきた、いかつそうな男が立っていた。池内は、この状況を見て、顔色が青ざめた。まさか、昨日の女に何かあったのか。
「おい、聞いたか。若い男女の死体が、公園の草むらから発見されたらしいぜ。」
「女による、無理心中らしくて、死後3日は経過してるらしいぜ」
群衆の声が、池内の耳に入る。
死後3日ということは、あの女は関係ないということか。ほっとしたと思った時だった。あの女がいたのだ。群衆に埋もれて識別しずらかったが、間違いはない。薄気味悪い不気味な笑顔で、池内の方を見ていた。すると、突然姿が消えてしまった。池内はびっくりした。突然生身の人間が一瞬で消えたのだ。まるで何もなかったかのように。
「おい、遺体が運び出されるぞ」
運び出された女の遺体の顔を見て、池内の表情は凍った。あの女と瓜二つであった。
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