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二章
平屋薫という女5
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「京太兄さんじゃないの?いえ・・・あれから十数年経っているし・・・。人違いにしては似すぎているわ」
「お姉さま?なんの話をしてるのですか?」
お・・思いだした。
この辺に来たことがあった・・・。
彼女のことも知ってる、平屋冴子さんだ。
彼女との出会いも薫ちゃんと同じような感じだったような!!?
まぁ、今回は彼氏役だけども、なんとか逃れられないかな!!?
「記憶なんて曖昧ですし、私の名前は瀬田林ですよ?」
「いいえ、貴方は佐賀京太と名乗っていたわ」
凛とした表情で、威圧さえ感じるくらいの威厳がある。
もしかしたら彼女が、【約束】していた彼女なのかもしれないと思うくらい似ていた。
「薫ちゃん、ちょっと席を外してくれるかしら」
今まで聞いたことのない声色だったのか、薫はオドオドしながら部屋の外に出て行った。
冴子は、座り直し、土下座した。
「このような事になってしまい、申し訳ございません。薫が私のように無茶を言ったのでしょう?」
「その口ぶりだと完全に覚えてるんだー、参った!でも今は瀬田林ってことになってるし、難しい話になるから、昔話は、後でね?」
「私を甘く見ない事ですね」
おぉ怖い怖い。
十数年前って、冴子さんは確か5~6歳だったような?
確か、外に出たいと泣いてる所に私が通りかかって、いきなり背中に乗って髪の毛を引っ張られて、さっきのサングラスのお兄さん方々から逃げていたのを憶えている。
外に出ると薫が父親らしき初老の老人につかまっていた。
「いや、放してパパ!」
「いい加減にせんか!お前の彼氏とやらを連れてこい!小指の一本飛ばして、ケジメをつけさせる!!」
ありゃりゃ、変わらないなー。
って、向こうも覚えてたら大変だよなー・・・どうしよう?
「義父さん、お待ちください!!」
聞いたことのある声に薫も私も声のするほうに目を向けた。
そこには先ほど別れたはずで、後ろを追いかけてきた山口青磁の姿。
私は急いで物陰に隠れた。
「山口君?なんで・・?」
「お前の見合い相手じゃ、偶然にもクラスメイトと聞いてな。で、お前が連れてきた男はどこじゃ!?」
出る幕はなさそうだなー。
茂みをコソコソ移動して青磁の近くまで来て、裾を引っ張った。
驚いた青磁だったが、私が指さしたほうに歩いてきてくれた。
「いやー、まさかねー。見合い相手が君で良かったよ」
「あんた、親戚じゃないらしいじゃないか。一体何が目的だ?」
青磁の言葉に、思わず大声で笑いそうになる。
今まで見てきた人間の中で上位で面白いからだ。
もどかしい距離で居て、絶対に無理だと思っていた相手が、まさかの見合い相手。
円満解決じゃないか。
「お前さんが、勇気を出していれば穏便にすんだんだよ。私は彼女とは偶然に出会った。そして頼まれたんだよ。見知らぬ男との見合いを壊してほしいってね。ま、お互いに好いてるなら、円満解決だろう?」
「・・・あんた、何がしたいんだ?」
私は満月を見上げて手を広げた。
「楽しみたいんだよ。長い年月をね。君たちみたいに楽しませてくれる人間を探してるだけさ」
「??」
よくわからないと首を傾げる青磁。
「私の役目はなくなったからね、薫ちゃんによろしく!」
塀を乗り越えて、一度敷地内を出て行った。
問題は冴子のほうだ。
このまま去っていも良いが・・・気になることはあるからなぁ。
「お姉さま?なんの話をしてるのですか?」
お・・思いだした。
この辺に来たことがあった・・・。
彼女のことも知ってる、平屋冴子さんだ。
彼女との出会いも薫ちゃんと同じような感じだったような!!?
まぁ、今回は彼氏役だけども、なんとか逃れられないかな!!?
「記憶なんて曖昧ですし、私の名前は瀬田林ですよ?」
「いいえ、貴方は佐賀京太と名乗っていたわ」
凛とした表情で、威圧さえ感じるくらいの威厳がある。
もしかしたら彼女が、【約束】していた彼女なのかもしれないと思うくらい似ていた。
「薫ちゃん、ちょっと席を外してくれるかしら」
今まで聞いたことのない声色だったのか、薫はオドオドしながら部屋の外に出て行った。
冴子は、座り直し、土下座した。
「このような事になってしまい、申し訳ございません。薫が私のように無茶を言ったのでしょう?」
「その口ぶりだと完全に覚えてるんだー、参った!でも今は瀬田林ってことになってるし、難しい話になるから、昔話は、後でね?」
「私を甘く見ない事ですね」
おぉ怖い怖い。
十数年前って、冴子さんは確か5~6歳だったような?
確か、外に出たいと泣いてる所に私が通りかかって、いきなり背中に乗って髪の毛を引っ張られて、さっきのサングラスのお兄さん方々から逃げていたのを憶えている。
外に出ると薫が父親らしき初老の老人につかまっていた。
「いや、放してパパ!」
「いい加減にせんか!お前の彼氏とやらを連れてこい!小指の一本飛ばして、ケジメをつけさせる!!」
ありゃりゃ、変わらないなー。
って、向こうも覚えてたら大変だよなー・・・どうしよう?
「義父さん、お待ちください!!」
聞いたことのある声に薫も私も声のするほうに目を向けた。
そこには先ほど別れたはずで、後ろを追いかけてきた山口青磁の姿。
私は急いで物陰に隠れた。
「山口君?なんで・・?」
「お前の見合い相手じゃ、偶然にもクラスメイトと聞いてな。で、お前が連れてきた男はどこじゃ!?」
出る幕はなさそうだなー。
茂みをコソコソ移動して青磁の近くまで来て、裾を引っ張った。
驚いた青磁だったが、私が指さしたほうに歩いてきてくれた。
「いやー、まさかねー。見合い相手が君で良かったよ」
「あんた、親戚じゃないらしいじゃないか。一体何が目的だ?」
青磁の言葉に、思わず大声で笑いそうになる。
今まで見てきた人間の中で上位で面白いからだ。
もどかしい距離で居て、絶対に無理だと思っていた相手が、まさかの見合い相手。
円満解決じゃないか。
「お前さんが、勇気を出していれば穏便にすんだんだよ。私は彼女とは偶然に出会った。そして頼まれたんだよ。見知らぬ男との見合いを壊してほしいってね。ま、お互いに好いてるなら、円満解決だろう?」
「・・・あんた、何がしたいんだ?」
私は満月を見上げて手を広げた。
「楽しみたいんだよ。長い年月をね。君たちみたいに楽しませてくれる人間を探してるだけさ」
「??」
よくわからないと首を傾げる青磁。
「私の役目はなくなったからね、薫ちゃんによろしく!」
塀を乗り越えて、一度敷地内を出て行った。
問題は冴子のほうだ。
このまま去っていも良いが・・・気になることはあるからなぁ。
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