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第十三章
旧き日記帳 その1
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「兄は狂気に侵されておるのだ……」
そうつぶやくのは、人々から『ジェルポートの公爵様』、あるいは『王弟陛下』と呼ばれる男、ジャン・マキシミリアンだった。
彼をその名で呼ぶ人物は少ない。
それは身分がどうこうというよりも、彼がその呼び名を嫌っているからである。
代々、ヴァルシパルの国王は、マキシミリアン姓であった。
それが変わったのは2度。
1度は200年前、初代ヒエン・ササキの時代である。
彼は王位継承に当って、本名にこだわった。
改名などまっぴら御免という態度を貫き、とうとうその当時の前王の方が折れた。もっとも、その名は1代限りで終ったのだが。
ヒエン・ササキの死後、彼の息子シゲル・ササキはひっそりと元のマキシミリアン姓にもどされ、シゲル・マキシミリアンとなった。
以降、200年間その慣習はつづいてきた。誰もササキの名前を復活させようと考えるものはいなかったのだ――そう、彼の兄、ジャラガー・マキシミリアンが、突如としてその名を墳墓から甦らせる瞬間までは。
好奇心旺盛だった少年時代のジャンと、その兄ジャラガーは禁忌とされていた蔵書の部屋に足を踏み入れた。それがそもそもの悲劇のはじまりであったと、彼は思った。
いずれ、読まなければならぬ本ではあった。しかし耐性のない少年の心に、その深淵はあまりに暗すぎた。深淵を覗き込む者は心に耐性がなければならぬ。
なぜなら、深淵もまたこちらを覗いているのだから。
200年前に記された日記は、意外にも新品同様な姿で書棚に納められていた。
まるで彼らが手にするのを待ちわびていたかのように。
彼らは夢中で、その日記を読みすすめた。すすめるうち、本を記した人物――ヒエン・ササキの自己中心的な性格が次第に現れるようになった。ところどころちぐはぐな記述が多く見られ、当時から読書家だったジャンはある違和感をもった。
読み進めているうちに気付いていく。どうも著者であるヒエン・ササキが犯した失態はすべて、誰かになすりつけて記述しているように感じられた。
そのうち日記は、ある致命的な部分へとたどりつく。
それは。ついにヒエン・ササキを中心とした4勇者たちが魔王ダーク・クリスタル・パレスへと攻め入った、まさにクライマックスの瞬間であった。
当時の魔族の王、グラニエロは追い詰められつつあった。パレスの仕掛けもすべて破壊され、かれは4人の異世界勇者に周囲をとりかこまれていた。グラニエロの自慢の配下も、すべて勇者のサポートメンバーによって打破され、彼はたったひとり、敵に囲まれている状況であった。
この絶体絶命の状況下で、彼はある一言を放った――
――もし、ワシの味方になるならば、世界の全てをお前にやろう――
笑止であった。もはや魔王は窮地にあり、いままさに魔族は滅びようとしている。その言葉にさほどの影響力があるとはとても思えない。3人の異世界勇者はどっと笑った。
ただひとり、笑わない人物がいた。
言葉は、4勇者の誰に向けて発したというものではないのだろう。
だが、その言葉に敏感に反応したのは、ヒエン・ササキだった。
己の発した言葉が有効だったことに気付いた魔王は、さらなる言葉を彼らの耳に流しこみ続ける。もはや彼ができる唯一の抵抗は、その口を動かし続けることのみであった。
「これからワシを倒し、世界に安寧を取り戻す。それもよいだろう。
だが、その後はどうする? おぬしらはもはや召還前のチキュウには戻れない。残りの長い余生をこの世界で暮らさなければならない。
国王から、ほんのわずかばかりの領地を与えられて暮らすのか?
それよりも、自らが魔王となって、世界を牛耳る方が良いと思わぬか」
「おい、こいつはもう殺そうぜ。耳障りだ」
「そうだ。とっとと始末して、帰ろう。王が待っている」
「いいや、待て――!!」
制止したのは、ササキであった。
彼は問いただした。魔族の王であるグラニエロに成り代わる。
そんなことが普通の人間に可能なのかと。
魔王は笑った。簡単なことだ、と。
魔王は、まず暗黒神ハーデラから選出されなければならない。
その選出方法はいたってシンプルで、ハーデラ神の力が200年ごと増大するそのとき――もっとも強大な魔力を有した魔族であればよい――というものだ。これにはほぼハーデラ神の意思は関係ない。ほぼ自動的なシステムとなっているのだ。
もうひとつ、魔王となる方法。
それは現魔王が名指しで後継者を指名する方法であった。
これにはただし、条件がある。
暗黒神ハーデラの許可が不可欠であるというのだ。
「勇者の武器の力を駆使して、魔王の座につく。これ以上、最高の存在はいるだろうか。ワシはいないと思う。勇者ヒエンよ、おぬしは魔王ヒエン・ササキとなりて、世界を我が物としたくはないのか」
ついに魔王グラニエロは、名指しで彼を指名した。
ヒエン・ササキはどういう行動をとったか。
彼は笑った。
仲間も見たことが無い、邪悪に染まった笑みであった。
「よし、俺は新魔王になる! 世界は俺のものだ!!」
「き、気が狂ったか、ササキ!!」
「奴の甘言に惑わされてはなりません!!」
「ミイラ取りがミイラになってどうするよ、オイ!!」
「――われらが新たなる魔王ササキ様。貴方が真の魔王となるには、目の前の障害を取り除く必要があるのではないのですかな?」
人の心の隙間に入り込むように、グラニエロは追従めいた言葉をささやいた。「それはもっともだな」と快活な笑顔で返したのは、ササキであった。もともとチキュウにいたときから彼は悪に染まりやすい性格であったのだが、その真の素質を見抜いたのが、長年苦楽を共にした異世界の仲間より、魔王だったのは皮肉以外の何者でもなかった。
「ササキさん、これまで我々は深い友情で結ばれていると思ってました。それは間違いだったというわけですね?」
「――友情? やめてくれよ、ヘドが出る」
ササキはにっこりと笑顔で返した。満面の笑みであった。
彼の黒い瞳は漆黒そのものであり、彼の抱えている深淵を如実に現していた。
周囲の者はゾっとした。ようやく彼らは、ササキの本性を見たのだ。
それに呼応したものがあった。大地の底からにじみ出る邪悪そのものの声。
暗黒神、ハーデラであった。
――よいだろう。許可する。新魔王はヒエン・ササキ――
その瞬間、ヒエン・ササキは暗黒の靄に包まれた。
靄から彼の姿が現れたとき、もう彼の姿は魔族そのものと化していた。
「あとは、邪魔者を始末するだけだな」
屈託の無い笑顔で、新魔王ヒエン・ササキは笑った。
まずかれは邪魔な目の前の哀れな老人、グラニエロを剣の錆とした。
そしてかつての仲間であった、3勇者に踊りかかった。
戦いは熾烈をきわめた。日記には、その戦いは一週間の長きに及んだと書き記されている。
どちらが勝ったのか。
最後に立っていたのは、新魔王、ヒエン・ササキであった。
「勝った! 3勇者は倒れた! 俺が世界の支配者、ヒエン・ササキだ」
完全に油断していた彼は、天を見上げて哄笑した。
そのせいで、躍りかかった一体の影に、対応が遅れてしまった。
頬に手傷を負わされ、ササキの顔が邪悪に翳った。
彼の瞳に映ったのは、単なる卑しい一匹のドワーフであった。
「こ、この! たかがドワーフ風情が、この大魔王ヒエン・ササキに傷を負わせるとは……。その罪、万死に値するぞ!」
「この旅に同行することを決意したときから、死は覚悟しておる。だが、ニーダ・ヤーケンウッフの名に賭けて! 勇者が魔に堕ちるのを黙って見ている訳にはいかぬわい!」
そうつぶやくのは、人々から『ジェルポートの公爵様』、あるいは『王弟陛下』と呼ばれる男、ジャン・マキシミリアンだった。
彼をその名で呼ぶ人物は少ない。
それは身分がどうこうというよりも、彼がその呼び名を嫌っているからである。
代々、ヴァルシパルの国王は、マキシミリアン姓であった。
それが変わったのは2度。
1度は200年前、初代ヒエン・ササキの時代である。
彼は王位継承に当って、本名にこだわった。
改名などまっぴら御免という態度を貫き、とうとうその当時の前王の方が折れた。もっとも、その名は1代限りで終ったのだが。
ヒエン・ササキの死後、彼の息子シゲル・ササキはひっそりと元のマキシミリアン姓にもどされ、シゲル・マキシミリアンとなった。
以降、200年間その慣習はつづいてきた。誰もササキの名前を復活させようと考えるものはいなかったのだ――そう、彼の兄、ジャラガー・マキシミリアンが、突如としてその名を墳墓から甦らせる瞬間までは。
好奇心旺盛だった少年時代のジャンと、その兄ジャラガーは禁忌とされていた蔵書の部屋に足を踏み入れた。それがそもそもの悲劇のはじまりであったと、彼は思った。
いずれ、読まなければならぬ本ではあった。しかし耐性のない少年の心に、その深淵はあまりに暗すぎた。深淵を覗き込む者は心に耐性がなければならぬ。
なぜなら、深淵もまたこちらを覗いているのだから。
200年前に記された日記は、意外にも新品同様な姿で書棚に納められていた。
まるで彼らが手にするのを待ちわびていたかのように。
彼らは夢中で、その日記を読みすすめた。すすめるうち、本を記した人物――ヒエン・ササキの自己中心的な性格が次第に現れるようになった。ところどころちぐはぐな記述が多く見られ、当時から読書家だったジャンはある違和感をもった。
読み進めているうちに気付いていく。どうも著者であるヒエン・ササキが犯した失態はすべて、誰かになすりつけて記述しているように感じられた。
そのうち日記は、ある致命的な部分へとたどりつく。
それは。ついにヒエン・ササキを中心とした4勇者たちが魔王ダーク・クリスタル・パレスへと攻め入った、まさにクライマックスの瞬間であった。
当時の魔族の王、グラニエロは追い詰められつつあった。パレスの仕掛けもすべて破壊され、かれは4人の異世界勇者に周囲をとりかこまれていた。グラニエロの自慢の配下も、すべて勇者のサポートメンバーによって打破され、彼はたったひとり、敵に囲まれている状況であった。
この絶体絶命の状況下で、彼はある一言を放った――
――もし、ワシの味方になるならば、世界の全てをお前にやろう――
笑止であった。もはや魔王は窮地にあり、いままさに魔族は滅びようとしている。その言葉にさほどの影響力があるとはとても思えない。3人の異世界勇者はどっと笑った。
ただひとり、笑わない人物がいた。
言葉は、4勇者の誰に向けて発したというものではないのだろう。
だが、その言葉に敏感に反応したのは、ヒエン・ササキだった。
己の発した言葉が有効だったことに気付いた魔王は、さらなる言葉を彼らの耳に流しこみ続ける。もはや彼ができる唯一の抵抗は、その口を動かし続けることのみであった。
「これからワシを倒し、世界に安寧を取り戻す。それもよいだろう。
だが、その後はどうする? おぬしらはもはや召還前のチキュウには戻れない。残りの長い余生をこの世界で暮らさなければならない。
国王から、ほんのわずかばかりの領地を与えられて暮らすのか?
それよりも、自らが魔王となって、世界を牛耳る方が良いと思わぬか」
「おい、こいつはもう殺そうぜ。耳障りだ」
「そうだ。とっとと始末して、帰ろう。王が待っている」
「いいや、待て――!!」
制止したのは、ササキであった。
彼は問いただした。魔族の王であるグラニエロに成り代わる。
そんなことが普通の人間に可能なのかと。
魔王は笑った。簡単なことだ、と。
魔王は、まず暗黒神ハーデラから選出されなければならない。
その選出方法はいたってシンプルで、ハーデラ神の力が200年ごと増大するそのとき――もっとも強大な魔力を有した魔族であればよい――というものだ。これにはほぼハーデラ神の意思は関係ない。ほぼ自動的なシステムとなっているのだ。
もうひとつ、魔王となる方法。
それは現魔王が名指しで後継者を指名する方法であった。
これにはただし、条件がある。
暗黒神ハーデラの許可が不可欠であるというのだ。
「勇者の武器の力を駆使して、魔王の座につく。これ以上、最高の存在はいるだろうか。ワシはいないと思う。勇者ヒエンよ、おぬしは魔王ヒエン・ササキとなりて、世界を我が物としたくはないのか」
ついに魔王グラニエロは、名指しで彼を指名した。
ヒエン・ササキはどういう行動をとったか。
彼は笑った。
仲間も見たことが無い、邪悪に染まった笑みであった。
「よし、俺は新魔王になる! 世界は俺のものだ!!」
「き、気が狂ったか、ササキ!!」
「奴の甘言に惑わされてはなりません!!」
「ミイラ取りがミイラになってどうするよ、オイ!!」
「――われらが新たなる魔王ササキ様。貴方が真の魔王となるには、目の前の障害を取り除く必要があるのではないのですかな?」
人の心の隙間に入り込むように、グラニエロは追従めいた言葉をささやいた。「それはもっともだな」と快活な笑顔で返したのは、ササキであった。もともとチキュウにいたときから彼は悪に染まりやすい性格であったのだが、その真の素質を見抜いたのが、長年苦楽を共にした異世界の仲間より、魔王だったのは皮肉以外の何者でもなかった。
「ササキさん、これまで我々は深い友情で結ばれていると思ってました。それは間違いだったというわけですね?」
「――友情? やめてくれよ、ヘドが出る」
ササキはにっこりと笑顔で返した。満面の笑みであった。
彼の黒い瞳は漆黒そのものであり、彼の抱えている深淵を如実に現していた。
周囲の者はゾっとした。ようやく彼らは、ササキの本性を見たのだ。
それに呼応したものがあった。大地の底からにじみ出る邪悪そのものの声。
暗黒神、ハーデラであった。
――よいだろう。許可する。新魔王はヒエン・ササキ――
その瞬間、ヒエン・ササキは暗黒の靄に包まれた。
靄から彼の姿が現れたとき、もう彼の姿は魔族そのものと化していた。
「あとは、邪魔者を始末するだけだな」
屈託の無い笑顔で、新魔王ヒエン・ササキは笑った。
まずかれは邪魔な目の前の哀れな老人、グラニエロを剣の錆とした。
そしてかつての仲間であった、3勇者に踊りかかった。
戦いは熾烈をきわめた。日記には、その戦いは一週間の長きに及んだと書き記されている。
どちらが勝ったのか。
最後に立っていたのは、新魔王、ヒエン・ササキであった。
「勝った! 3勇者は倒れた! 俺が世界の支配者、ヒエン・ササキだ」
完全に油断していた彼は、天を見上げて哄笑した。
そのせいで、躍りかかった一体の影に、対応が遅れてしまった。
頬に手傷を負わされ、ササキの顔が邪悪に翳った。
彼の瞳に映ったのは、単なる卑しい一匹のドワーフであった。
「こ、この! たかがドワーフ風情が、この大魔王ヒエン・ササキに傷を負わせるとは……。その罪、万死に値するぞ!」
「この旅に同行することを決意したときから、死は覚悟しておる。だが、ニーダ・ヤーケンウッフの名に賭けて! 勇者が魔に堕ちるのを黙って見ている訳にはいかぬわい!」
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